あらすじ
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パリのどまん中で私立探偵社を開業したバーネットは、実はルパンだった。難事件を次つぎに解明していくユーモア探偵小説。
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Posted by ブクログ
アルセーヌ・ルパン全集の第1巻。ルパン対ホームズという図式を考えた時、ぼくはやはりルパン派なのだな。洒脱で軽妙、これルパンの持ち味ですよね。第1話の「ルパン逮捕される」は何とも言えない恋愛小説とも読めるし、第2話「獄中のアルセーヌ=ルパン」で脱獄可能なら最初からつかまらなければいいのにと皮肉をいうガニマールに「女がぼくをみつめていたのですよ」などと答えてしまうのがすばらしく粋じゃないですか。この恋は第1短編集の最終話「おそかりしシャーロック=ホームズ」で苦く思い出されるのですが...ルパンの恋って成就しないのがお約束なんだけど、長編『奇岩城』の結末なんかはその昔読んだときには泣いてしまったな。偕成社の全集なら、小学校高学年くらいから読めるのでは。他にお薦めなのは第14巻の『八点鐘』っていう連作短編集。
Posted by ブクログ
ルパンが、バーネット探偵社をやっていた頃の話。
相談、調査が無料で、どうやって金儲けしているのか。
相談者(コンサルタント)の仕事の仕方の基本が分かる。
相手の弱みにつけ込むのではなく、
あくまでも問題を除去することによって稼ぐ。
うまい。
調査は無料なのに、なぜ商売が成り立つのか。
世の中の仕組みの中で、不正、公開できないもの、公開できないこと、
をお金に換える巧みな技を知ることができる。
用意周到な準備や、準備のために必要な情報をどうやって正確に知ることができるのだろう。
本書では、怪盗はバーネットといい、警部はベジュー。
2人の掛け合い漫才のような振舞いに、喝采したくなったり、事件の性質から少し心が暗くなったりもする。
ルブランの傑作のひとつだと思う。