あらすじ
血塗られた浦登(うらど)家の系譜を受け継ぐ者は誰? 漆黒の館を包み込むのは断罪の炎か。逆転に次ぐ逆転の果て、とうとう事件の真相は明らかになったかに見えたが……。空前の本格&幻想(ゴシック)ミステリ巨編2600枚、ここに堂々の完結!
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Posted by ブクログ
またまた驚かされました笑
また1行にひっくり返されました〜!
3巻までは状況に対する比喩的表現を捉えるのに苦労しましたが、4巻からの衝撃で3巻までの退屈さが消滅しました。
しかしながら、コナン君の33年前の出来事を視点という形で夢で見てきたというのは…
うーん…これまでの館シリーズとは違うラストですが、ファンタジーに向かってしまえば、なんでもアリになっちゃうので、この先の展開はまだ分かりませんが、ある意味禁じ手だよなぁと。
Posted by ブクログ
3巻までかかった読書期間が嘘のように4巻一気読みすぎました…綾辻さんご本人が一番お気に入りの作品だそうですが、シリーズのファンの中では好き嫌いが分かれる作品だとか。
個人的には…好きだ…っ!でした。
読み始めの段階で厚さにビビったので、最初から気になった箇所を(読書生活で初めて)メモりつつ進めていったおかげか、頭の中は割とスッキリした状態で内容を読み進められました。
なので大体の伏線には気づけたんですが、やはり綾辻作品だけあって二重三重の伏線が張り巡らされていて全部まではやっぱり今回も気づけなかった…!
ただ、3巻までの段階で中也くんが何者なのかは気づけてた。これは自分でも何で気づいたのか不明なくらい天啓が降りてきたかのように気づけました 笑
それでもやはり本名が判明した場面はカタルシスが…もう…!
そしてやはり彼もダリアの加護を受けた身になっているため、シリーズ最初の十角館に読者も思いを馳せる形になったかと…。
もしかして…彼は存命している…?
そこらへんもまた先の館シリーズで解明するのかもしれませんね。先が楽しみになりました。
Posted by ブクログ
3巻読破時点での感想↓
「全てが分かりやすい、分かりやすいんだよね。もうその補助輪的なのが鬱陶しくて。自分はどっちかっていうと、どっかのメルカトルくんみたいな、頭の良い人間に振り回されたい派だ。
まあ、最終巻でどんでん返しが起こって、この「分かりやすい」が、読者のミスリードです!ってなったらもう惚れちゃうかもしれないけど……」
マジで、「最終巻でどんでん返しが起こって」惚れちゃいました。愚か。
今まで、どちらかといえば、トリック自体に重きを置いたミステリ作品ばかり読んできたので、いわゆる「叙述系」は初体験だったかもしれません。事件に使われたトリック自体はさほど難しくないのですが、この本に於いて、最も重要なのは「語り手」に組み込まれたトリックの方でした。確かに、「映画ドラキュラ」ってなんか、古くない?とか、思ったんだよ!悔しい!ラストの「家人の医師」「ピアノの音」「檻の中の……」等、匂わせるような描写も、最高でした。
全4巻とあって、最終巻のカタルシスは半端ないですね。ただ、ここに辿り着くまで、速足になっちゃいがちな自分がいました。自分は、ミステリを読む時になんとなく、馬の鼻先にニンジンって気持ちがしてしまいがちなのですが、本作では特にそれを感じました。もう少し中盤にスッキリ感があった方が、好みだったのかなぁ。(いやしかしそうすると4巻の魅力が……。)
ともかく、読む手が止まらない作品でした。あとは、中也が玄児に対して言いかけた「私は、私はあなたを」が、すごく気になる。(完全なる好みの問題ですが、孤島の鬼のような、艶かしい要素がもう少し欲しかったので……)
追記
風呂入りながら考えてたらふと。「艶かしい要素がもう少し欲しい……」とかなんとか上で言ってるけど、輸血(輸血ではないかもしれない)のシーンってめっちゃ……。
Posted by ブクログ
四巻はほぼ解決編でした。
18年前の事件の真相から、今回の事件の犯人と”視点“の正体が一気に明瞭化されるエクスタシー。ここにミステリーの醍醐味を感じた。
柳士郎氏の玄児への気持ちが憎悪からなかなか抜け出せない描写と、自身の独白がとても悲しかった。”カンナの面影が色濃く表れたから“の一点のみ、玄児への気持ちが和らいだ変化だったようで。でも結局それもダリアの黒き夢に魅了された一人だからで…。
頁253の「分らないのか。分ってくれないのか」の言葉には短くとも父性が感じられた。
江南青年が漸く声が出せたのが柳士郎氏の威圧感によるものというのも感慨深い。
市朗と慎太の二人と、玄児と忠教の二人が、交互に描写されてるのもいたたまれない。
炎の中から助けようとしてくれた男の子が彼だと、わかってもその後どうなったのか…。私は、生きててほしいとどうしても願ってしまう。
な、中村征順〜!!??
まさか…中也くんって、まさか…!!
”視点“が戻ってきた現実に、征順氏はいるとして。家人の医師、鬼丸らしき影、聴こえてきたピアノの音色…
中村青司の始まりの館であった暗黒館を経て、中村青司の最期を考えると、もう一度十角館の殺人を読まなきゃじゃないか…!?と思う日々です。
凄いパワーだった
ある意味トンデモ展開のオンパレードだったのを、なんという説得力だろう…。
語られないところ、気になるなぁ。
しばらく余韻に浸ろう、
Posted by ブクログ
完結編を楽しみにこれまで読んできました。
その甲斐はありました。
私の予想を上回る真実でした。
中也くんが"彼"だったなんて!!
視点が動いてどこかフワフワした印象をずっと受けていたのですが、それが効果的でした。
Posted by ブクログ
読み終わっちゃったぁ。
壮大な夢オチだった。
生き残った人たちがどうなったのか気になる。
今現在館シリーズの文庫本はあとはびっくり館と奇面館で一区切りだと思うと今から寂しい。
Posted by ブクログ
一〜四を読んで全体の感想
前半は展開が遅かったが、後半は一気に読んでしまった。面白かった!
イマイチだったとこ
・結局江南くんの夢の中の話だった
・さすがに偶然の一致が多すぎる(名前とか日時とか)
・玄遙が最後まで出てこない、不死は結局存在するかがよくわからないまま終わった
面白さ ★★★☆☆
意外性 ★★★★★
Posted by ブクログ
長かった……!!とにかく怖かったので早く読み終わりたいと思いながら読んでいた。これまで読んできた小説の中で一番長い作品だった。
肝心の犯人については特にトリックとかはなかったし、動機が精神異常由来のものだったので少しがっかり感があった。が、まあそういうこともあるかなと思った。
江南がこれまでの館シリーズに出てきた「かわみなみ」ではなく、ただの「えなん」だったという叙述トリックについて、綾辻行人ほんとこういうの好きだし上手いなと思った。さらに「中也」が中村青司だったというのも驚いた。全然考えてなかった。
この作品は犯罪のトリックというよりは江南が実は二人いるってところが重視された文章だったなと思う。浦登家の悪魔崇拝的な儀式の謎、それが行われるに至った背景などの描写も入念だったように感じる。
”視点”がコナンだったことは驚きというかそういうのアリなんだ、と思った。推理+幻想小説と帯で銘打たれていたが、かなり幻想小説よりの作品だったなと思う。
Posted by ブクログ
全体を通して見ても部分部分を見ても面白いのは間違いないのだが、二千ページを読まされた末のオチがこれかぁ〜と思うと褒めきれないのが正直なところだ。
構造がかなり複雑で理解するのにてこずる。というよりいきなりファンタジーで片付けられて困惑しただけかもしれないが。
読者を騙すために沢山用意された"偶然の一致"に対する説明が全部ファンタジーで済まされるというのはアンフェア極まると思う。全てが作者の匙加減過ぎて整合性がないため考える価値がなくなるのだ。
"視点"の構造そのものややっていること自体は新鮮で面白みがあったが、肝心のオチがこれでは肩透かしを喰らってしまう。
それにこれは綾辻先生の癖だと思われるが、脈略のない情報の小出しによる匂わせがとにかく多い上に、それによる物語の進展はないためはっきり言ってしつこく感じる。それがこの作品の空気感を作っているのも間違いないのだが。
ラストに明かされる中村青司のサプライズには勿論楽しまされた。しかしこの作品の中で最も驚きとカタルシスがある箇所が単体のストーリーの中で成立している部分ではなく、シリーズものとしてのサプライズだったのはなんとも残念な気持ちになる。それもこれも二千ページという文量がどうしても念頭をよぎるからだろう。遅読な僕はこの作品を読み切るのに二ヶ月かかっている。
シリーズだからこその魅力がある作品だが、シリーズだからこそ飲み込みきれない部分も大きかった。
雰囲気も良い、設定も面白い、キャラクターも好きになれる、ワクワク出来た、驚きもあった、しかし好きになりきれない絶妙な後味を残す作品だった。