あらすじ
悪魔教カルトの嫌がらせから逃がすため、バイトのアンガスに金と休暇を与えたアドリアン。 その後書店に逆五茫星が落書きされ、店でサイン会を行った人気小説家は失踪。 一体何が起きている? さらにアンガスの電話を受け出向いた彼のアパートでアドリアンは横たわる死体に遭遇する。恋人ジェイクとの関係は緊張感を伴っていた。 自分の性癖を嫌っているジェイクは、殻から出ようとしない。 そんな中、事件を調べるアドリアンはハンサムな大学教授・スノーデンと出会い、親密になってゆく――。誰よりもお互いを欲しているのにすれ違ってゆくジェイクとアドリアン――。人気シリーズ、緊迫の第三弾!! 解説:三浦しをん
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Posted by ブクログ
まさに“The Hell You Say”な出来事が続発。なんか表紙が不穏だな〜とは思ったんだけど、そういうことですか(泣)。hellという単語づかいは、今回のストーリーが悪魔崇拝カルトを巡るものであることと引っ掛けてあるのかな。
怪しくも勤勉なクローク&ダガー書店の従業員アンガスが、黒魔術に傾倒する学生グループからしつこく脅迫を受けていたため、アドリアンはアンガスがしばらく身を隠せるように休みを与える。ところが、今度はアドリアンが脅しを受けるようになってしまう。いつもなら「首を突っ込むな!」と文句を言いつつ、事件解決のためにアドリアンに伴走してくれるジェイクが、今回は居ない。
なぜなら、ジェイクが結婚するからという理由でふたりが決別してしまったから〜〜〜ぁぁぁ(T⌓T)
その隙間に割り込んでくるのが、アンガスをTAに使っていたUCLAの教授スノーデン。かなり魅力的なオッサンっぽい。どうなる〜〜〜!?!?!
決着を見ないまま次巻に続く…。
事件を解決してからジェイクに会うことなく姿を消すアドリアン、カッコ良すぎる。
なぜか巻末に、三浦しをんさんの解説が付いていた。うれしかった♡けど、突然どうしました?
Posted by ブクログ
表紙からもしや新たな男が出てくる?三角関係?と当たりをつけながら読んでいきましたが、それどころじゃなかった!
あまりにも突然すぎる急展開に衝撃。
自身が同性愛者であることを認められないリオーダンが、アドリアンへの愛との狭間で葛藤しているのは伝わっていたけどそれ程だったのかと。でも自分を偽ってでも生きようとする様は凄くリアルだなと思いました。家族からの目、社会や自分が属する集団からの目…多様なセクシュアリティが今ほど認められてない時代だと尚更。ただやっぱり不誠実すぎる!ガイという新しい恋の相手も現れる中でこれからどうなるのか予想がつきません。
オカルトや悪魔崇拝といった分野の事件も面白かった。単に猟奇的犯罪として扱うのではなくサタニズム信仰の側面も描いていて、やや難解な解説が本格ミステリっぽくて良い。
三浦しをんさんの解説は、読者の気持ちを丁寧に言語化されていて必見です。
Posted by ブクログ
何と辛い展開なのだ……。
リアリティーがあるからこそ辛い。
ジェイクはいつも言葉が少なくて、不安になる。
途中で『料理長が多すぎる!』のお話が出てきて、おお~っと思った。
そして、エルフとかドアーフとかって、日本でいう鬼とか座敷わらし位にメジャーなんだなーと。
話は戻って、アドリアンはガイ教授と付き合うようだけど、優しすぎて物足りなくならないかな……。次巻読んじゃお!
Posted by ブクログ
ジェイクがとにかく不誠実だけど、不思議と嫌いになれないし彼の葛藤もわかってしまう。ジェイクの本当の自分を隠した結婚が上手くいくわけないと読者にわかってしまうのも、アドリアンがジェイクがいずれ女性と結婚するとわかっていて抵抗しないのも、抵抗しないけどジェイクを想い続けたままなのも、ガイに惹かれながらもジェイクが頭から離れずガイを受け入れられないのも、事件を追及せずにはいられないけどジェイクに迷惑がかからないように必死で振る舞うのも、元恋人を忘れられないアドリアンを責めず協力してくれる優しいガイも、全部が苦しくて辛い。 事件は悪魔崇拝のカルト集団が殺人事件を起こすというもので、あっと驚くどんでん返しはないものの、非常によく出来ている。この作者の知識量は一体どうなっているのか。ずぶの素人なので整合性はわからないものの死者の囁きも今作も、物凄くよく調べて書かれているなあと感じる。読んでると自分も物知りな人間になっていくような気がする(笑)