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熱すぎるタイトル・伏線回収
事前に終盤でタイトル回収される、という話は知っていましたが、それでもおおっと思わせるだけの力がありました。
広川が人間だという衝撃の展開も、改めてみるとしっかり伏線が張られていて、ものすごい作品なんだなと感じます。
そしてミギーの自己犠牲も目が離せません。
あれだけ利己的に動いていたミギーが、シンイチと時を過ごすことで、心情の変化が現れたのだと認識できます。
異種族の友情も同時に描いている部分がこの漫画の面白いところです。
Posted by ブクログ
「われわれはか弱い。それのみでは生きてゆけないただの細胞体だ。だからあまりいじめるな」。前巻で「田宮良子」が新一に言った言葉を受けて、本巻では人間がパラサイトに一気に攻撃を仕掛けることとなる。警察は「広川」市長がパラサイトであることを突き止め、自衛隊が市庁舎を包囲して、ひとりひとりパラサイトか確かめて殲滅する作戦を敢行するのである。
だが「広川」の正体がテーマを深化するとともに、「寄生獣」というタイトルが実は人間という「地球を蝕む寄生獣」のことを示していることが明かされる。寄生獣って人間のことだったんだ。
しかし「私が創りあげたか弱い『仲間』の1人ではあるが……無敵だ」と「田宮良子」のいう「後藤」が自衛隊との戦況を一変させる。「後藤」は次なるターゲットとして新一を名指す。それまで人間の中では無敵であり、パラサイトすら楽々倒すことができた新一だったが、無敵の「後藤」の「宣戦布告」には怯えきってしまう。そんな彼に「生きよう」という気持ちを抱かせるのがガールフレンドの里美である。このあたりが見事なプロット。そして物語は「後藤」との絶望的な戦いに突入していく。
人間が寄生獣なら、パラサイトのほうは自然を象徴していることになる。人間に破壊される自然は「か弱い」が、ときに人間に猛威を振るうときの自然は「無敵」というほかない。そんな自然の猛威に立ち向かうときに人間は「生きよう」とでも思うほかないではないか。
Posted by ブクログ
鳥肌に次ぐ鳥肌。まさかここにきて「寄生獣」の指す真の意味が明らかになろうとは。
人間の本性を描ききった本作、まさしく「寄生獣」の名がふさわしい!!
そして訪れたミギーとの別れ。
まさかここまで哀しくなるとは……
岩明均、やっぱり凄い。
Posted by ブクログ
僕はこの『寄生獣』は、漫画として最も完成されている作品のひとつだと、何度読み返してもその度に思うわけです。エンターテイメントとしての恐怖系要素と社会に向けた環境問題に対する警告と人間の成長を、これほどまでにうまくまとめあげた作品が他にあるでしょうか。
その中には人間の弱さや醜さ、命のはかなさといったメッセージも介在し、ただ事ではないです。そして、ミギーがところどころで見せる可愛さと優しさの虜です(笑)。
Posted by ブクログ
中学期に古本屋を回って全巻そろえた記憶があります。
現代版デビルマンと言いますが、寄生獣自体に“食う”以外の意志が無いので悪魔よりもコワイ気がしました。
この9巻は人間による寄生獣狩りが行われるという凄惨なシーンがあり、当時かなり脳を揺さぶられました。
Posted by ブクログ
宿主である高校生のシンイチと、彼の右手に寄生したミギーが、人を喰らう寄生獣たちと闘うホラーバトル第九巻。
ついに始まった人間たちの寄生獣への反撃。当初順調にいくかに見えた作戦だったが、後藤の強さは想像以上だった。。。そして後藤と直接対決することになったシンイチとミギー。ミギーの決死の作戦は功を奏するのか?
寄生獣の立場から演説をぶつ広川。半ばファッションで環境問題を語る人へのアンチテーゼであると同時に、先鋭化する原理主義者への皮肉ともとれる。
また、後藤との戦いで見せたミギーの利他行動。常に冷徹だった彼も田村同様変わってきたのだろうか。感動と孤独と悲しみの本巻ラスト。
Posted by ブクログ
ついに「狩り」は始まった!
次々と抹殺されるパラサイト。
「人間こそが地球に寄生する獣」。
市長の言葉は深い。
なぜ、パラサイトと共存できたか不思議だけど。
「後藤」との対決。
ミギーは大丈夫?
Posted by ブクログ
残酷、衝撃、緊迫感、哀しみ…全編を通して、胸に迫るものがある「寄生獣」。読むたびに新たな発見がある。けっきょく作品は読者の感情のレベル、考え方を映しているから人によりさまざまな感想が出てくる。第9巻。