「ひたむき」という言葉が、これほどまでに似合う漫画は珍しい。
主人公・宮本大は、世界一のサックスプレイヤーになるという夢を持っている。
たいていの人間なら、才能がないとか、周囲が理解を示さないとか、さまざまな理由をつけて諦めてしまうことを、大は決して諦めない。雨の日も風の日も、ただひたすらサックスを吹き続ける。
もちろん、大もはじめから上手かったわけではないし、運良くよい指導者につけたことが成功の後押しをしたことは確かだが、大のその愚鈍なまでのひたむきさというのは、何ものにも代えがたい“才能”である。
音楽漫画というと、スタイリッシュな印象があるかもしれないが、この漫画はそれとは真逆。泥臭く、暑苦しいほどに熱い。だからこそ、リアルな手触りを持って我々の心に迫ってくるのかもしれない。
この作品を読んで、生のジャズが聴きたくなった人は多いんじゃないかなあ……。
一介のジャズ好きとしては、これを機にジャズが盛り上がってくれるといいなと思います。
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サックスへのひたむきで一途な一生懸命さだけではなく、大学受験に落ちた友人への態度とその彼がその後合格した時のエピソードに主人公の人間性が凝縮されていて好きにならずにはいられない。
アツいエモい感動するマジで!!
3巻4巻は無料版で読みました。
この巻では家族(特に妹)とのエピソード、師匠からの最後のレッスン?での言葉、佐藤さんとの絡み、その他・・・アツくエモく感動しました!!!
あーーーーっ、年末ジャンボ当たったら全巻揃えてやるっ!笑
大の家族の描写は独特な魅力があり、他ではあまり類を見ない距離感だと思う。初めて家族の前で演奏する場面が仙台編の一つのハイライトであり、妹・彩花のモノローグには心を打たれた。
Posted by ブクログ
感想
東京に出ていよいよスタートラインへ。
あらすじ
ジャズバーでのライブを成功させる。高校卒業と別れ。師匠の由井からはおまえはすでに花が咲いているとアドバイスを受ける。東京では友達の家に転がり込み、バイトを見つけ、お金のために働く。
アツい
悪く言えば、独りよがり、自分の好きなようにサックスを吹いていた大君が、ジャズはひとりでやるもんじゃないと気づかされ、一つの壁を乗り越えたことで、自分自身だけではなく、周りの奏者の才能も引き上げる。そんな相乗効果が素敵だなと感じました。