【感想・ネタバレ】立ち上がる時 下のレビュー

あらすじ

『空、はてしない青』著者が贈る渾身の感動巨編

もう一度、あなたと。

車椅子生活を余儀なくされたフランソワのため、二人はパリの郊外に移り住む。すべてを再出発させるのだ。しかし、順調にみえたのも束の間、互いを傷つけあう時間が長くなっていく。暗闇から抜け出すため、フランソワが望んだのは子どもを持つことだった。「子どもをつくらせてくれ。そうすれば、すべて終わるから」彼に生きる希望を与えようと、若き恋人・エレオノールは新しい命を迎えることを決意する。それは不可逆の運命の分岐点だった。

失われた脚と尊厳。それでも人間は、立ち上がれるのか?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

絶望と希望の塩梅が絶妙すぎて、大興奮。
ただ暗い話なわけでも、無理に希望を抱かせようとする話でもなく、とても現実的な暗さがありつつ、再生していく光に満ちた作品。

もう立ち上がれないんじゃないかと思うほど深く沈んでいってしまう2人に、自分を重ねる。私はフランソワの元に残るだろうか、彼の暴言やひどい態度に私は何を思うだろうか、相手の怒りの後ろに隠れている恐怖や不安を理解してあげることができるのだろうか。少なくとも読者としては、だいぶフランソワの感情に振り回された。

まだ言語化が追いつかないけど、出産後のエレオノールも強烈だったな。

2人は必ずしも本音を打ち明けるわけではないことが読んでいてわかるけど、思っていることをそのまま伝えたら、拗らせずに済むのになと思った。と同時に、これが他者とのコミュニケーションにおいてよく起きていることなのだろうなと思った。すれ違わないために、本音を言葉にすることの大切さを感じた。

不慮の事故によって、自分のメンタルだけでなく、恋人の人生も巻き込んで、片方が落ちていくこともあれば、2人で絶望感を感じる時もある。それでも2人の人生が見事に再生していったのは、お互いへの愛があったからこそなのかなと思った。それともちろん、ライアン、エルザ、イザベル、エレオノールの家族。

タイトルの意味が「立ち上がり続ける」という意味なのも、しびれた。いやー、二人ともよく頑張った!

メリッサ・ダ・コスタの次作がすでに楽しみ!

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フランソワが舞台上でセリフを語るシーンで、自然と涙がこぼれてきました。このシーンにたどり着くまでが本当に長かった…衝突を繰り返してゆく2人の行く末が気が気じゃなくて…。『旅行中に流産してしまうのでは』とか、『レオが出て行ってしまうんじゃないか』とか、物語が悪い方向に進むかもと思うと怖くなって、本を閉じて離れる時間が必要でした。

それもこれも、作者が言う通り、文章中に最大限のディテールを盛り込んでくれたから。頭の中で映像化され、しっかりのめり込むことができました。

フランソワのために赤ちゃんをつくると決めたレオに、『え!?妊娠したらもう戻れないよ!?』と、イザベルと同じように、私もレオをたしなめてました。

赤ちゃんができると浮き足立つフランソワにたいして『そんな呑気にして!レオの気持ちも考えてよ!』と腹が立つこともありました。

上巻では激情的なフランソワが下巻では穏やかになったのに、今度はレオが激情的な態度を取ったりして…このカップルに振り回されて少し疲れたこともありました笑

そんな2人を見守ってきたからでしょうか。
最終章の舞台シーンではレオとイザベルの隣に座り、椅子に座るフランソワを私も観ていました。観客が息をのむ音や、暗転する照明を感じて、涙があふれてきました。

『再生(レジリエンス)』文学の作者メリッサ・ダ・コスタ。「空、はてしない青」に次ぐ感動作品でした!
訳者あとがきによると、フランスではもっと作品を出していて本作が8作目だそう。日本で訳されていないだけで他にも出されていたんですね…要チェック!
人生で一番好きな作家さんです。

あともしかして本作この表紙にしたのって、『読者であるあなたたちも数ある窓のひとつで、孤独を感じるなら窓開け放して語り合おう』ってことなんでしょうか…!考えられているなぁ〜!!

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻でも絶望や孤独、そして介護の現実が重く描かれ、登場人物たちの苦悩が痛いほど伝わってきた。物語の中ではなかなか時間が進まず、p71の時点でもまだ事故から1年ということに驚かされる。ようやく穏やかな日々が訪れたかと思えば、また問題が起き、互いに傷つけ合ってしまう場面も増えていく。個性の強いフランソワに対して、レオがよく向き合い続けているなと感じた。胸が締めつけられるような展開が続く中で、最後に希望が感じられるラストがよかった。

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2026年05月01日

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