あらすじ
廃藩置県により斗南藩の名は消えた。だが、藩首脳部の広沢安任は、最後まで斗南藩士として生きようと決意し、日本初の西洋牧場を拓く。皆が寒冷地を捨て去るなか、官を辞し、決然と野に下り、四十不惑からの挑戦だった――。故郷を奪われた会津藩士達を描き、勝者に歪められた事実を敗者から検証する。明治百年を経た今こそ必読の現代日本再生の示唆に富んだ歴史大河小説。
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Posted by ブクログ
何かこの辺りに来ると、会津家中の群像を描いた「一編の物語」と言うよりも、「様々な物語の集成」という趣になってくる…
“第5巻”の中では広沢安任の話しを大変興味深く読んだ。彼は幕末期には“公用方”として京都で活躍しているのだが、一部“続”以前と被るものの、その活躍が振り返られ、然る後に斗南の首脳として夢破れた後に「この地に産業を興す!!」という強い想いを湧き上がらせるようになり、英国人を雇って牧場を興すに至るのだ。牧場を興す苦労の話しは、“郷土史”ということで聞いたり読んだりする機会も在った「北海道開拓の歩み」を思い起こさせるものがあり、何か興味沸く内容だった。