あらすじ
遠くに引っ越した友達から届いた「シロツメクサが咲いていた丘で遊べなくなってしまった」というお手紙に知世ちゃんは…? いつも温かな言葉にあふれている物語、11編を収録したロング・ヒット・シリーズ!
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少しおませな女の子と作家の父親の物語。
奥様はどうやらいない、死別なのかどうかは不明なところが上手い。
ロングディスタンスの話は深く興味深い内容でした。
炊飯器の話も考えさせられました。
自分も故障して動かなくなった道具たちに「ご苦労様、ありがとう」の気持ちを捧げます。
クローバー
先にクローバーガーランドのエピソードの存在を知った時、読む前に気が重かった。でも今年は摘んじゃいけないの意味が、放射能の言葉を出さずにこんな風に描いてくれるの作者さんの技量なんだなぁと思って、そして震災の関連話としてじゃなくても、植生ってほんと変わるから、自分も見かけなくなった植物を探したことあったなぁとか思い出話として読めてとても良かった。友達の名前が後で希望ちゃんだとわかるのも効いてくる。
植物つながりでオールドアップルツリーも好き、こちらはどこかの星に気持ちを翔ばせる気分になれた。
絵柄が変わっても
小さなころに母親を亡くし言動が大人びている小学生の女の子と、作家をしている彼女の父親のハートフルストーリーの続編の第一巻。
天気のいい休日に知世と信吉が住むマンションにやってきた叔母の百合子。
おみやげにデパ地下のお惣菜やカロリー無視のパンをたくさん買ってきた。
百合子はその中のひとつを兄に見せてきた。
どうやら二人が通っていた小学校の近くにあるパン屋から買ってきたらしい。
会話が弾む二人を見て知世は、信吉が自分の父親になるずっと前から百合子の兄だったという事実に不思議な感情を覚えたのだった。
引っ越した友達と文通している知世。
その友達の家の近くにはシロツメクサの咲く丘がありそこで冠を作りたいねという話が出ていたが、地震で丘が崩れてしまいできなくなる。
それを知った知世はシロツメクサを花屋で探して冠を作ろうとしたがなかなか無い。
薔薇の造花で作ったもののなんか違うという感覚に。
自分のかつての発言のためにそこまで考えてくれた友達のために絵を描いて送った。
後日の返信にはとても喜んでいる様子が書かれていて、自分もうれしくなる知世だった。
絵が変わり連載している時代の変化から作風もちょっと変わったけど、作中に流れている空気は相変わらず優しいのがとてもよかった。