【感想・ネタバレ】人類資金Iのレビュー

あらすじ

終戦時、日銀の地下倉庫から莫大な金塊が姿を消した。戦後の混乱と日本の復興を糧に膨れ上がったその資産の名は『M資金』。七〇年ののち、詐欺を生業とする真舟雄一の前に“M”と名乗る男が現れ、とてつもない計画を持ちかける。「『M資金』を盗み出してもらいたい。報酬は50億」待望の書下ろし超大作!(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

まだ全然、事件は起こってないし、これからの物語なんだけど、これだけは言える。

面白かった!!

というか、この本、ずいぶん前に出ている本だと思うんですけど。
「アベノミクスは失敗し……」
とか書かれてて、この本って予言書?? ってかなりびっくりもさせられました。
いやまあ、失敗するだろうっていうのは想像つかなくもなかったし、私もきっとそうなるだろうって予想できていたので、当たり前といえば当たり前なんですけど、それを堂々と物語に組み込んでしまうのって作家さんとして、結構勇気が必要だと思うんですけど、それをやってのけたのがすごいなあ……と。
終わってる現実じゃなくて、これから始める現実を物語に投影していくのって本当にすごいと思います。

現状は確かにこの本に書いてあることに近くて、これをどうやってこれから変えていくのか、とても楽しみにしています。

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2016年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

福井晴敏によるM資金をテーマにした長編の導入部。
終戦の日、日本軍の軍人がのちにM資金と呼ばれるようになる金塊を持ち出し、一部を水中に沈めるシーンから物語は始まる。その後、度々話題に上りながらもやがては詐欺のネタとして扱われるようになり、実在しないものという認識が定着していく。
終戦から現代に至るまで、M資金にまつわると思われる事柄や時代を象徴するような出来事をその当時の新聞記事やテレビ・ラジオの原稿をコラージュすることで描く序章中盤は秀逸。こうした事実の下敷きの上に本作がフィクションとして成り立っていることで、より物語に説得性を与えている。
本書はまだまだ導入部であり、登場する人物もまだ人となりを紹介する程度にしか描かれていない。しかし、この導入部で描かれたことが、今後物語が動き始めた後でどのようにつながってくるのか、早くも楽しみである。
大作のためか、やや冗長に感じる部分がないわけでもなく、作者のアベノミクスへの低評価とも相まってこれまでの作品と比較してやや違和感がないわけではないが、これらももしかすると今後を見据えた作者なりの計算なのか?

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2015年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

”M資金”といわれる、太平洋戦争終結前後に日本政府ないしは、
日本軍が隠したと言われる資産をめぐる話です。

所謂、”M資金”とは、敗戦を免れない日本軍が秘匿した資金だとか、
GHQが日本政府や日本軍の資金を接収し、隠したと言われている
資金。

実際のところ真相はわかっていません。
ただ、終戦から、70年近くたった現在では、詐欺に使われる
法螺話と言われています。

この小説では、”M資金”は都市伝説といわれる一方、
その”M資金”の成り立ちからスタートして、
”M資金”を管理運営する”財団”が存在し企業や個人に
資金提供をしたり、政府に資金提供をしたり、
株や為替などにも介入し、戦後の日本経済を支えてきたと
されています。

この”M資金”や”財団”をめぐる争いや”資本主義”の
解体と再構築される新たなルールを巡る争いが描かれて
行くと予想されます・・・。

全7巻で構成されるストーリーなので、1巻ではほんの触り部分
しか描かれていないためほとんどが謎です。

終戦直前に何のために日本銀行から金塊を強奪したのか、
財団設立の経緯や意図、また”M”と名乗る人物の正体。

なぜ、”M資金”を利用した詐欺師をスカウトし仲間に
引き込もうとしたのか・・・。

謎だらけです。

戦後まもなく70年を迎えると言う時期に、戦後からの都市伝説
”M資金”を題材にしたストーリーがどのように進んでいくのか、
続きが楽しみです。

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2013年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「M資金」
戦後日本を高度経済成長へと導いたとされ、その膨大さに誰もが沈黙する曰く付の闇資金・・・。

詐欺師の真船は、父親代わりだった師匠がその資金を追い果ては殺されたことを知る。

そして真船もそのM資金の「ルール」を心のどこかで追い求めていた!
ある日、Mと名乗る人物からM資金についての情報を受ける。

彼らはM資金を狙っているという!!

という第一幕の展開。
内容は全く違うが『グリーンマイル』のような薄さの文庫本。

話の展開もあるようなないようなで、現在の市場経済の破綻について繰り返し語られ、その合間にアクションという感じ。
でもとりあえず次が気になってしまう性分です(笑)。

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2013年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2013/8/15 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2022/7/11

5年ぶりの福井作品。終戦直前に略奪された金塊が元になった?M資金をめぐる物語。最初は200ページくらいの薄い本が続く。この後、どう展開していくのか。

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2022年07月12日

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