【感想・ネタバレ】源氏物語 紫の結び 一のレビュー

あらすじ

死んだ母に似ているという、父の新しい妃に対する思慕。山里で源氏は、その妃の面影を持つ少女を垣間みます。紫の上との出会いでした。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

源氏の君…どうしようもないやつだな…!大和和紀さんの「あさきゆめみし」を読んでいた高校生の頃よりも、源氏の君のダメ男っぷりが際だって感じられたのは、年を重ねたせいでしょうか。「あさきゆめみし」を読んでいたときから、源氏の君より、友達の頭中将とかの方が好きだったけど。
宮中で行われいていた風習や四季折々の描写が細やかで、ほんとうに美しい。原作に出来る限り忠実に読み下しているらしいのですが、美しさや人物描写が充分現代にも通じるというのが、不思議でもあり、人間である限り本質は変わらないのかなと思わされたり。
折々に詠まれる歌もすてきだなぁと思った。歌を詠むことで、四季や花鳥風月をより敏感に感じられるようになるんだろうなという気がする。

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2013年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

和風ファンタジーの名手,荻原規子によって,源氏物語を再編・現代語訳した
シリーズ。
「紫の結び」は,光源氏が見いだした少女,「紫の上」を中心とした巻で構成されている。

桐壺/若紫/紅葉賀/花宴/葵/賢木/花散里/須磨/明石

光源氏を生んだ桐壺の更衣は,身分が低いにも関わらず,帝の寵愛を受けた事で恨みを買い,様々に嫌がらせを受けた挙げ句,病で若くしてこの世を去る。
成長した源氏は,帝の寵愛を受ける藤壺の宮(女御)に母の面影を見いだし,遂に隠れて関係をもってしまう。しかも,藤壺の宮は懐妊してしまい,藤壺の皇子は,それとは知られずに,帝の子供として育てられる。
ことが露見する事を怖れる藤壺は,源氏を遠ざけようとするが,源氏の思いは募るばかり。そんな中,源氏は病を治すために籠もった寺で,藤壺に面影の似た少女を見いだす。そして,その少女をもらい受け,自分好みに育て上げる事に力を注ぐ。これが後の紫の上となる。
源氏には,左大臣の娘という本妻がいたが,プライドが高く,源氏が浮気ばかりするのが気に入らず,なかなか夫婦として打ち解けない。
結局,そのまま,本妻は病を得て早逝してしまう。
そんなことに打ちひしがれつつも,色恋沙汰と縁の切れない源氏は,異母兄の新帝の女官である右大臣の娘に手を出し,それが発覚して弘徽殿の太后の逆鱗に触れ,官位剥奪のうえ,地方に蟄居の身となる。
都に残してきた紫の上のことを強く思いつつも,色恋沙汰に無縁と行かない源氏は,明石の実力者の娘と関係を持つ。その後,都を中心に不可解な天変地異が度々襲い,源氏を大事にせよという先帝の言葉に背いた事が原因だということで,源氏は罪を許され都に戻る。

光源氏は,帝の子供であり,類い稀なる美貌と,様々な才に恵まれたいわば完璧超人。ちょっと出来すぎじゃないかとも思うが,一方で色恋に弱すぎるのが唯一かつ最大の欠点。すべての災厄はそれがためにもたらされていると言っても過言ではない。平安の女性に好まれる物語たる所以なのかもしれない。

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2024年11月03日

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