あらすじ
地獄のような光景が、『ほうかご』に広がる――。
瀬戸イルマには、勇気がない。
臆病がゆえに『ほうかごがかり』になってから、一度も自分の担当している『無名不思議』がいる部屋に足を踏み入れていないイルマ。
「お願い、『ムラサキカガミ』の絵を描いてください!」
そう彼女から代理で『記録』を頼まれた二森啓が返した答えは、あまりにも思いがけないものだった。それが、完全に自分の命にかかわることとわかっているはずなのに――。
『ほうかご』を受け入れて協力し合う者たち、臆病で弱くて卑怯な者、自己犠牲的な者。極限状態に置かれた子供たちが見せる強さと弱さ。
鬼才が放つ、恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”第2巻。
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Posted by ブクログ
シリーズ第2巻。
前作で死人が出たせいで、今作は最初から不穏な感じに。
前作は「まっかっかさん」と「赤マント」。特に「赤マント」がエゲツなく。
今作は「むらさきかがみ」、「てけてけ」、「こちょこちょおばけ」。
特に「てけてけ」が半端なく。これどうするんだよっていうレベルで恐ろしい。挿絵が本気出しすぎ。
意外にも「こちょこちょおばけ」の、名前は可愛いしやってることもそこまで大したことではなかったけど、最後の最後にドン底に落とす感じが。痛々しくてもうなんというか。。。
今作は、前作に比べて怖さも絶望感もパワーアップ。
一応、3巻で一区切りのようで。ここまで来たら幸せなエンディングが全く予想できないけど。。。
Posted by ブクログ
ほうかごで自身の担当した「まっかっかさん」を沈静化させた啓。だが担当の「赤いマント」を無視し続けた見上真絢が死んだ。衝撃が走る中、啓は瀬戸イルマから頼み事をされる。
真夜中のメルヘンのうたい文句で当初からそこに疑問を持っていたが、2巻でメルヘンは何か他の言葉の裏返しなんだと感じた。そうでないと説明がつかないバッドエンド一直線な展開だった。
今回は瀬戸イルマ「ムラサキカガミ」、堂島菊「テケテケ」、古嶋ルキ「こちょこちょおばけ」がメインになる。
1巻でキーワードは「自分」だと思ったが、舞台は小学校で登場人物は小学生だ。現実世界でどれだけのその年代の子どもたちが自分と向き合いそれを受け止め戦えるだろうか。私はきっと啓ほどに戦えないだろうが、さすがにイルマほど極端な行動はしないと信じたい所だ。
ほうかごがかり、今の所は啓だけが自分と向き合い戦った。真絢は自分を持てず脱落。イルマは完全拒否で脱落。菊は見て見ぬ振りで脱落寸前。ルキはからに引きこもり脱落。惺は本音から目をそらして脱落。人生では躓く事も多い。私はほうかごがかりじゃないので失敗してもやり直せるのが救いだ。