あらすじ
各賞で上位入賞の話題作、さらなる深みへ。
既刊1・2・3集が早くも計60万部を突破の人気作、待望の新刊登場!
子ども番組のヒーローへの敬意をいつまでも失わなかったり
通勤中に立ち往生している野良猫を素通りできなかったりと
ただただ自身の心に正直に生きる中年会社員「フジイ」。
すっかり会うことはなくなったけど、大事な友達だと思っていた同級生が
この世を去っていたことを時間差で知った時、
「フジイ」は何を思い、行動に移すのかーー
雑誌掲載時に大きな反響のあった「亮ちゃん編」収録の最新刊です。
周囲からは、独身で友人もいなさそうな哀れな中年男性とみられている主人公のフジイ。一見、しがないサラリーマンのフジイですが、フジイはただフジイとして居るだけで、彼と関わった周囲の人間が勝手に救われていきます。
独り身、あるいは友達がいないということで、その人の「幸せ」は決まるのか? 周囲の空気を読んでコミュニケーションをとり、周りの人たちに好かれることを第一にした結果、本当の自分自身を見失ってはいないだろうか――? 周囲にさまざまな気付きを与えながらも、ただ淡々と過ごすフジイという存在に、ページをめくる手が止まらなくなります!
どことなく日常にむなしさを感じることがある人や、人間関係で悩んでいる人、孤独感がある人におすすめしたい作品です。
感情タグBEST3
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昔の同級生が亡くなったら
昔の同級生が亡くなった。主人公は学年の途中で転校してしまったので、彼のお葬式にも声が掛からなかった。自分もよく知る先輩や後輩が亡くなった経験を持つが、その時には知り合いに声を掛けてもらえた。昔仲良かった友だちの葬式に呼ばれなかったらどんな気持ちになるんだろうな。
Posted by ブクログ
藤井さんも成田さんも、他人に冷たいと言われて傷つく。でも、本当に冷たかったら、探さないという言葉には、救われる。
お父さんは見舞うけど、お母さんとは連絡がつかないとは、どのような状況なのだろう。次の巻が気になる。
追記
読み直したら、スマホ川に落としたからだった。
石川さんの出会い
すごくよかった。田中くん、カフェの店員に興味持たれててこっちが嬉しくなる。
第三者から見た藤井と田中の中の良さ、すごく栄養素高い。
ついに成田の死を知るフジイ。
彼らの小~中学時代のエピソードを見ると、藤井にとっても成田は本当によき友だったのだと感じる。
子供のころのフジイさんもとても愛おしい。
田中くんが「藤井さん若いもんな」って思ってるのがおもしろかった。
石川さんの出会い!応援したい!
Posted by ブクログ
フジイさんの幼少期のことも色々わかった今作だけど、自分には西園寺さんの言動が一番ひっかかりました。
ひっかかったというか、スッと私の胸元に小さな傷を作っていかれたような、そんな気持ち。
そうでありたくないけど、どこかで自らもそう(=西園寺さんと同類)であるという自覚があるからとっさに自衛の構えをとって最小限の傷で済んだ、でもその傷は小さいながらも鋭利で深くて、なかなか治りそうもない。
表現するのがかなり難しいけれど、そんな読後の余韻をかかえています。