あらすじ
【あらすじ】
中学時代にいじめられた経験を持つ赤木加奈子はある日、小学5年生の娘・愛が同級生の馬場小春をいじめていることを知り、家族で馬場家に謝罪に向かう。
加奈子たちの謝罪はその場では受け入れてもらえたものの、小春はその後、不登校になってしまう。
小春の母・千春は苦しむ娘を見て知り合いに相談するが、SNS上での匿名の告発をきっかけに、思いもよらない事態へと発展してしまうのだった──。
我が子への不信感、夫との意見の相違、SNSで巻き起こる炎上…様々な問題に翻弄される二つの家族。
自分の子供がいじめの当事者と知った時、「正しい対応」とは果たして何なのか?
いじめ問題を加害者家族、被害者家族双方の視点から描く、意欲的セミフィクション。
【「シリーズ 立ち行かないわたしたち」について】
「シリーズ 立ち行かないわたしたち」は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部による、コミックエッセイとセミフィクションのシリーズです。本シリーズでは、思いもよらない出来事を経験したり、困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品を刊行します。見知らぬ誰かの日常であると同時に、いつか自分にも起こるかもしれない日常の物語を、ぜひお楽しみください。 分冊版第14弾。※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
面白かった
いじめられる側を描く作品が多い中でどちらも描くというのはなかなか面白かった。
絵柄のシンプルさもすごく不穏さが出てて味がありました。
いじめに関しては子供なら仕方がないことだと思うので、迅速に対応しないといけないとは思うが周りのその他の親はほとんどが傍観者の親の可能性が高いので被害者ヅラはしないでほしい。
ネットに晒していて、拡散やコメント実害が出た時点で大人ですら人のことを平気でいじめるのだから子供にはそんなことしてはいけないなんて言っても無駄。
被害者に加害者を許せとも言わなくていい。
ただそこの加害者を透明人間のように扱えるようにする術を大人が教えてあげたらいいと思う。
大人になったらそんな場面結構あるし、嫌な奴でも付き合わなきゃいけない時もくる。
クラス全員が許せないなら転校。
費用は加害者側に出してもらおう。
加害者側にダメージを与えるのであれば金も有力な手だと思う。
いじめをいじめで解決するのは本末転倒だから、これを読んで親の人たちは冷静になってくれると嬉しい。
考えさせられる。。
自分も、子を持つ親として思うのは、完璧な親など、どこにもいないということです。
子供、子供以下の精神年齢で子供を育てる親が多すぎるので。
このような子供が生まれている現実です。
子供が1番の被害者です。加害者も、被害者も。
加害者の傷を見なくては、いじめなんてなくなるわけがない。
親が原因なことが多々あります。
まさにそれを教えてくれている。
子供に気持ち悪いと言う言葉を吐く、最悪に気持ち悪いことですね。
それがわからず、イライラすると、今の大人は、自分の子供に対しても
死ねだの馬鹿だのクズだの、平気で言う親がたくさんいます。
現代日本が生み出した害悪です。
そんな親に育てられた子供がどうなるでしょうね。
何のイメージ力も想像力もない、アメリカの生み出した、
日本を滅亡させるシナリオに
乗っかる馬鹿な親どもばかりです。
いじめられた人を今度はいじめる、
地獄のような世の中です。
いかに、外側で起こる事象が幻想であり、
平静でいられる精神力を保てるか
愛を持った人間に育てられるかどうか。。
因果応報、弱肉強食、先祖供養、相性、古事記、神仏習合
神仏を大事にすること。これを教えず、
フォートナイトやら人を殺したり露出した人の踊りやら
ゲームやらばかり蔓延していて、そんなのばかりに触れさせるのは、ほんとに恐ろしいこと。
2、30年前より加速度的にそういう事態になっていて
神々を忘れてしまっている人間のなんと多いこと。
世期末映画でよく出てくる、人間を馬鹿にさせて、栄養ドリンクだけ飲ませて、家畜にさせて
食べちゃうやつね、そんなふうにされないように、
みんな意識変えてかなきゃだよ。
お金持ってりゃ偉いみたいになってる世紀末な世の中だけど、偉くもなんともないよ。
魂の価値は、全く、お金と=ではないことを叩き込むのは親の役目だよ。
じゃないと、こういう事態にあったときに、何を持ってどう生きるか?
子供さえ守れず、導けないよ。
偉そうなこと言って、自分もたくさん子供に対し間違いをしてきた。
でも、子供なんて間違いだらけだよ、完璧な子供なんていたら怖いわ、
もし、自分の子供がいじめちゃったらさぁ、その背後に、子供の寂しさ辛さ、
自分がそういう気持ちにさせてしまってさぁ、1番泣いてんのその子だと思うよ。
いじめられた側の人は、心に余裕があるから、いじめないんだもん。
誰が被害者なのか、罰を与えるとかじゃなく、大事なのは相互理解と思いやり。
戦前の日本だ。
匿名
歪む心
きれいごとでは終わらなかった、だけど全く救いがないわけじゃない、誠実にいじめと向き合った作品という印象です。
小春ちゃんのような大人しい子の言い分は、ともすればスルーされがちです。動画がなければ、愛ちゃんのいじめがいかに酷く許されないものか周知されることはなかっただろうと思い、晒された時スッキリした気分になった私は元苛められっ子です。歪んでる自覚はあります。
苛められっ子だった愛ちゃん母の、いじめに手を染めた娘を許せずしばしば愛ちゃんに感情的に接する姿に、自分を見るようでいたたまれませんでした。
小春ちゃんの母は、娘を守りたい気持ちや愛ちゃん親子を断罪したい気持ちなどと葛藤しつつ、最終的に愛ちゃんひとりの話に終わらせなかったことや愛ちゃんからの娘への(おそらく子どもなりの真剣さや覚悟を持って書いた)手紙を捨てずにおいたあたりにまっすぐな性格を感じました。
いじめ・いじめられた記憶、とりわけいじめられた側の主張がスルーされる形で終わった記憶は確実にその人を歪ませます。救いは、愛ちゃんも小春ちゃんもその歪みを自覚してより正しい方法を模索する生き方ができるのでは?と少しだけ期待が持てること。
動揺することしかできなかった他の親御さんの子は…歪みに気づかずこれからも人を傷つける子が多いんだろうな。
自分の子はしないと言えますか?
常識を持ってる親になら共感しちゃうだろうなーって話
正直モンペ虐待放置親だったら自業自得やろって思ってしまうと思う。
私もいじめられていた人間なので将来家庭を持った時に娘が同じことになったらどうしようかと考えさせられました。
自業自得だからといっていじめられて良いのか。それって新たな加害者と被害者を増やしているだけでいじめは解決していないんですよね。被害者と加害者間に第三者(の生徒)を介入させる必要は全くなく、学校内で問題解決させ加害者を転校させるなどし、生徒内では新たないじめが起きないようにする必要があると思いました。
将来、自分の子がいじめをしないと自信を持って言えますか?
そして私も
子どもは親とともに生きていくんだなと思った。子どもは親に叱られたことも怒られたことも覚えている。今回は最初にいじめをした子が引っ越した。これで本当に解決したのだろうか?していないと思う。いじめられたのは、彼女も同じだ。安心できる学級は作られていない。きっとまだ次は私かもしれないと怯えながら生きている子どもがそこにいる。いじめを根本的になくしていくには、教員と子ども同士の信頼関係、子ども同士の信頼関係が必要だ。教員が普段、子どもを否定するような声掛けをしていないか。ある子どもが他の子と違った言動や行動をしていると気づいた時、その子の背景を知ろうと、聴こうとしているか。子どもの話を普段から深く聴いているか。上辺だけの良い子ちゃんを作りあげていないか。直接全員と一人一人と対話することが大切だが、子どもは話しにくいと思っていたり、言いたくないと思っていたりするかもしれない。その場合は、紙に書いてもらうか、話しやすい大人や先生を訊く。子どもが孤独感を感じる前に。
今回は誰が悪くて誰が可哀想でという役を決めつけて保護者たちのほとんどが保護者会に参加していた。だれも真実を知らない無法地帯。こんなになるまで、子どもと話していないのかと思った。自分が正しいと思っている親たち。自分の子どもは悪いことをするわけがないと信じたい親たち。こんな親にはなりたくない。やはりどの大人も子どもの話を聴こうとしていなさすぎだ。それだけ保護者たちは子どもの安全地帯になっていないのだろうか。子どもは塾に行って競走させられているのがストレスなのかもしれない。あるいは日常が退屈で何か変化を起こしたいのかもしれない。子どもがいじめをする理由はさまざま考えられるが、心が安定していないのは確実だ。誰かを貶めていないと、自分が安心できないからいじめをするのだと思う。それは自分本位に考える、偏ったものの見方だ。子どもがどういうことがあって、その考えに至ったのか、大人は聴く必要がある。過去を無かったことにはできない。加害者を許せないのも分かるし、加害者が許して欲しいと思う気持ちも分かる。だれもが安心できる学級を作るにはどうすればよいか考えていく必要がある。例えば授業中に担任は、ある子が他の子と意見が違っていることに気がついたら、どうやって考えたか理由を訊ねるように、一人一人と対話していかなくてはならない。そして私たちもだ。
イジメはダメと言うが・・・
親目線の話しで、どんなイジメが合ったのかとかほんとにそれはイジメだったのかとか、原因とかは語られません。読み手にとっては事実なのかも分かりません。
確かにイジメは悪い。これは確定。
花瓶の件はアウトだし加害者の子は悪い。
しかし、動画を撮った子(冒頭の詩織ちゃんって子かな?)が断罪されなかったり、愛ちゃんが母親に問い詰められてる時にふいに言った、それは小春ちゃんがしつこいからって言った言葉やその後に泣き出したことがどうにも引っかかりました。作者のみが知ることかなとは思いますが。
ここからは私の考察です。
通常この歳の子供が泣くのは、ほんとに怖かった時か、思い通りにならなかった時にそのストレスを発散する手段がないために泣くという行動に結びつきます。この時の愛ちゃんの母親は確かに怖かったようには思いますが、どちらかというと子供目線では正当だと思われる理由を聞いてもらえず、一方的に悪者にされた悔しさからの泣きに感じました。
小春ちゃんがしつこいと言っていた言葉が事実なのだとすると、小春ちゃんに無視されていた相手にしつこく食い下がるような事案なんかあるだろうか?というのもおかしな話です。
ということは、日頃小春ちゃんと愛ちゃんは仲良い、仲良くないにせよ、交流はあったんじゃないかと思いました。
小春ちゃん目線からしたら昔仲が良かった子がいきなり無視や花瓶の件があったら真意を聞き出そうとしたのかもしれません。
更に愛ちゃん側の所作を見てみると、素直に謝ったり、手紙を書いてみたり、ほんとに『相手を傷つけようとしたイジメ』の主犯の行動としてはあまりにも無垢だと思いました。イジメた自覚があって正当性がないような子は不貞腐れたり、むしろ更に悪化したりと救いようがない行動をとっても良さそうなものです。そして、花瓶の件のような行動はもっと陰湿な思考でなければ思い付かないのではないか?
とも思います。
そうすると、愛ちゃんはあくまでもイジメに参加した側であって主犯ではないのかもしれません。
主犯は、炎上を恐れて、自身の持つ動画を拡散し愛ちゃんをスケープゴートにした冒頭の詩織でしょうか。
そう考えていくと、愛ちゃんは加害者の1人ではあるけど全ての業を押し付けられて気の毒だとは思いました。
考えすぎか?単に描写不足なだけか、その辺りがモヤモヤしました。長々と失礼しました。