【感想・ネタバレ】夏の塩 魚住くんシリーズIのレビュー

あらすじ

普通のサラリーマン、久留米充の頭痛の種は、同居中の友人・魚住真澄だ。
誰もが羨む美貌で、男女問わず虜にしてしまう男だが、生活力は皆無。
久留米にとっては、ただの迷惑な居候である。
けれど、狭くて暑いアパートの一室で顔を合わせているうち、どうも調子が狂いだし……。
不幸な生い立ちを背負い、けれど飄々と生きている。そんな魚住真澄に起きる小さな奇跡。
生と死、喪失と再生、そして恋を描いた青春群像劇、第一巻。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

以前から気になっていて購入。
長野まゆみ三浦しをん作品よりあからさまな書き方だけれど、ザ商業BL!って感じのむちゃくちゃ感と詰め込み感と下ネタ感があまりなくて、恋愛要素以外の話も個性があって面白い。テンポもよくて私好みでした。
あと、出てくるキャラクターが平和的。
大抵嫌なキャラというものが当て馬的に出てくるんだけどね、重くなくドロドロしすぎず、でも考えるところもあり、な程よい心地よさでした。
恋愛ものテッパンの、次々起こる恋愛トラブルとか苦手なので……ほんと( ̄▽ ̄;)安心して読んでいいのかなと2巻に入り背中を預けました。

二巻まで読み、個人的には濱田さんが好きです。ああいう茶々入れキャラたまらない……!完全に魚住に惚れてないかあれは

濱田さんのゲイの友だち やら
サリームの願掛け やらは三巻以降出てくるんだろうか。

少しずれた話だけど、2巻の日下部弟の襲来が、凛一シリーズを彷彿とさせた。名前度忘れしたけど。あのカメラ少年。

早く三巻読みたいなあ……
ドラマ化かDVD化とかしないだろうか
しないか

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2016年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感情表現が乏しく不安定さをもつ美少年大学院生・魚住と
ガサツで短気でヘビースモーカーのサラリーマン・久留米との
恋愛を軸にしたBL作品。
一般文芸レーベルで再販されたということもあり、
男目線で読んでも面白かった。
(男とは言っても、僕はかなりの草食系でございます)


魚住くんは、泣かない、笑わない、怒らない。
「トレーシングペーパーをかけたようにあやふやな存在」である。
そんな彼が周りの人間たちとのふれあいを通じて、
少しずつ色鮮やかな世界を生きていくようになる姿をみていると、
心が温かくなってくる。
我が子(いないけど)の成長を見守っているかのよう。
隣人の留学生・サリームから教わって初めて料理をしたときに見せた静かな笑顔などは、読んでいて特に微笑ましい。「真澄(魚住くんの下の名前)が笑ったよ!おかーさーん!!」と叫びだしたくなる感じ。
そして最も大きな変化は、彼が「人を好きになっていく経験」をすること。
あまりにも遅いのかもしれないが、27歳の彼にとっての初恋。
恋という気持ちの正体が分からず慌てる姿がとてもかわいらしい。
初恋相手である久留米のほうも少しずつ魚住を好きになっていくが、
自らの恋心に無自覚であろうと努力する姿が、こちらもかわいらしい。
言うに事欠いて魚住くんに対して「バーカ」としか言えなくなっちゃうあたり。ニヤニヤがとまらない(・∀・)
互いが互いへの恋心に無自覚である瞬間はとても美しい。まさに青春!
大人キャラクターでこの美しき青春を描けるのは、BLならでは。


魚住くんも久留米も共に同性愛者というわけではない(ノンケというやつ)
ので、「自分は異性愛者なのだから」という葛藤がある。
BLではテッパンの展開だけれど、人を好きになることの普遍性は
こういう"言い訳"を超越したところにあると思う。
BLだからどうこうという話ではない。

ただ、最初の方は、男性読者(というか草食系?)的に若干辛いものがあった。
魚住くんは過去、飲み会のたびに彼女を取っ替え引っ替えしていた
という事実があり、それでいて男から強姦された経験があり、
インポであることを平然と言ってのける。
性に対する"オープンさ"を表すような設定に少し圧倒されてしまうというか、
いけ好かなさを感じてしまった。
でもここを超えるとステキな境地に連れて行ってくれる。
もし冒頭で同じような印象を受けた人も、少し我慢すると幸せになれる。

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2015年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一般レーベルからでたBL本の新装版。2人をくっつけるための話になってしまうこともあるBL小説だけど、これは全然そうじゃなかった。良かった。

ふたりとも別にもともと男性が好きなわけではない。女の子と付き合ってたこともある。何人も。

同性愛なのが必然というよりも、
この2人だから恋になったのだ、というかんじがした。

すごく面白かった。

誰かを想うということ、誰かを赦すこと、そんな小説だった気がする。
登場人物に違和感がなかった。悪意なく人々が自分を生きている気がした。



BLが一般レーベルで出される、というのは皆引っかかるのに
一般小説を書く作家がBLを書くのに皆抵抗がないのは何なんだろう。
長野まゆみ、三浦しをん、恩田陸、坂木司、畠中恵とか?三浦しおんは少し違うかな。結構たくさん居るよね。

最近はBLっぽいラノベの一般レーベル化もありますしね

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2014年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Twitterでおすすめしていただいたシリーズ。
ずっと読みたくて、でもなかなか本屋さんで見つからなくて、ようやく本棚にお迎えできた!すぐさま読み始める。

淡々とした日常やキャラクター達のやり取りの中で突然、思わず絶句してしまうような爆弾が投下される。
魚住くんがあまりにも不幸過ぎて哀しい。
まだまだ不穏な予感が見え隠れしているし、この先の展開が気になって、すぐに残りの巻も一気に購入した。

今のところマリちゃんがお気に入りのキャラクター。

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2023年09月22日

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