【感想・ネタバレ】NHKさかのぼり日本史(1)戦後 経済大国の“漂流”のレビュー

あらすじ

現代から過去へ―。私たちが生きる“いま”を出発点に、「なぜこうなったのか」と問いかけながら時代を一つずつ遡っていく。時代と時代の因果関係を浮き彫りにし、歴史の大きな流れを明らかにする、これまでに類をみない“新しい日本通史”。第1巻では、金融グローバル化や新興国の台頭に対応できない「漂流国家・現代日本」―その要因を冷戦終結(1989年)→中曽根内閣発足(1982年)→保守合同(1955年)→講和と安保(1951年)の“日米関係”のなかに見出す。
■著作権上の契約により、印刷版に掲載されている図版は、掲載しておりません。

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Posted by ブクログ

戦後のターニングポイントがわかりやすく書かれている。登場人物の思想、政略がその後の歴史にどう影響したか、興味深く読み進められた。

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

戦後日本史をきっちり論じる。
岸信介や中曽根康弘のような、主義主張をもった人が、どういうスタンスで政策をすすめ、妥協せざるをえなかったのかわかりやすかった。

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2015年09月11日

Posted by ブクログ

NHKで放送されている『さかのぼり日本史』の書籍化第1巻になります。『さかのぼり日本史』とは、歴史を「現代から過去へ」みていくスタイルで語られる、つまり「私たちが生きる“いま”を出発点に、「なぜこうなったのか」と問いかけながら時代を一つずつ遡っていく。時代と時代の因果関係を浮き彫りにし、歴史の大きな流れを明らかにする、これまでに類をみない“新しい日本通史”」(単行本帯より)だそうです。ただ、このように「現代から過去へ」遡って歴史をみていくと理解しやすいという議論は、かつて東大受験を漫画化し、ドラマにもなった三田紀房『ドラゴン桜』の世界史勉強法でも紹介されていました。
本書の内容ですが、戦後の日本を日米関係を軸に4つのターニングポイントを設定して解説しています。つまり
1989年 冷戦終結
1982年 中曽根康弘内閣成立
1955年 自民党が誕生し、55年体制確立
1951年 サンフランシスコ講和条約、日米安全保障条約締結
となります。

まず冷戦終結で、新たな日米関係を模索することとなった日本ですが、湾岸戦争で日本は130億ドルの援助金を出しますが感謝されるどころか非難まで出る始末でした。本書を引用しますと「敗戦後の日本にとって、戦争とは侵略戦争か自衛戦争の二つしかなく、・・・世界の安全を守るための戦争、あるいは国際平和協力、国際貢献のための実力行使という想定自体は、未知のもの」(20頁)で、経済大国となった日本がこのような戦後間もない頃の認識で済むわけがない、と諸外国から見られていたということです(当時は10代前半でしたが、この議論はよく覚えています)。これを反省をふまえて1992年にはカンボジアへPKO部隊の一員として日本は自衛隊を派遣します。また、冷戦後の90年代はアメリカが80年代の「双子の赤字(貿易赤字と財政赤字)」を解消した一方で、日本はバブルが崩壊し平成不況となります。これら湾岸戦争対応での“敗北”と経済的な“敗北”後の日本を著者は「漂流」と表現し、その原因を「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代、つまり80年代に求めます。そして次の章は中曽根内閣の成立、つまり「ロン・ヤス」と形容される日米の蜜月があり、その一方でアメリカが最大の債務国となり、日本が最大の債権国となる、経済の絶頂期を迎えました。冷戦下での日米の蜜月関係やバブル経済など(見た目の)成功で、冷戦崩壊やバブル崩壊への「柔軟に新時代に対処」するための切り替えができなかったということです。
このように、しだいに時代をさかのぼりながら日本史を語っています。確かに分かりやすいスタイルですが、個人的に思うことはこの“さかのぼって歴史をみていく”スタイルは、一度通史を勉強した人間でないと分からないのではないか、と感じます。例えば日本史Aは近代から開始されますが、それ以前を中学校でやっているからまだいいとして、世界史Aを近現代からしたら(実際去年もう一人の先生と話し合ってやってみましたところ)生徒はなかなか内容をつかめません。いきなり産業革命やらフランス革命といわれても、やはりその前段階をある程度知っておかないと分からない、と感じました。もちろん教え方にも問題があったのでしょうが、このスタイルは社会人の教養を目的とするならば非常に有効な方法だと思いますが、同じ方法で授業を展開しろと言われれば、今の私の授業力では無理ですね。情けないことですが・・・。

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2012年01月07日

Posted by ブクログ

こうして読むと、首相らしかったのは中曽根までかなーと。

ここ10年の首相ってどうしようもないからなー。

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2011年09月28日

Posted by ブクログ

戦後史を4ポイントに絞ってさかのぼりながら解説する本。簡易な内容ながら戦後を知らない人達にとっては読みやすい良書と感じました。

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2011年09月19日

Posted by ブクログ

戦後日本史を湾岸戦争→中曽根政権→55年体制→講和条約と遡って考察している本。
読みやすい反面、やや考察が簡潔すぎた感がある。

歴史は繰り返すとはよく言ったものである。
開国を余儀なくされ、不平等条約に苦しんだ明治初期から富国強兵に努め、眠れる獅子と呼ばれた中国に勝利し、列強の一角であったロシアと互角以上の戦果を挙げた明治末期。そして欧米列強に追い付き、それが故に米英に警戒され、戦争に突き進んでいった結果、日本は焦土と化した。
そして戦後。
荒廃した日本において、先人の弛まない努力によって高度経済成長を遂げ、瞬く間に世界2位の経済大国となった昭和中期。だがまたしても戦前と同様に、今度は経済面でジャパン・バッシングが行われた。プラザ合意によってバブル経済が起こり、それが弾けた日本は失われた20年に突入する。
湾岸戦争でも国際協力といった面で世界2位の経済大国としての存在感を全く発揮できず、国際社会での批判を浴びた。
現在GDPでは中国に抜かれ、ODAでも世界1位から5位に転落し、経済面でも存在感が薄らぎつつある。
3度目の危機を、どうやって乗り切っていくか。これからの社会に出る世代として、考えていく必要がある。

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2011年09月02日

Posted by ブクログ

著者の歴史に対する考え方が強く表明されているように感じられたが、初巻ゆえか「さかのぼり」にはまだなじめていない。

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2012年10月21日

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