あらすじ
にんげんさんは、かみさまです?
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は「妖精さん」のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の“調停官(ちょうていかん)”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。
【妖精さんたちの、ちきゅう】
三人の妖精さんを、内緒で事務所に連れ帰ってしまった主人公。彼らに名前をつけたことから、なぜか神様扱いされてしまってとんでもない事態に!
【妖精さんの、あけぼの】
お菓子が好きなのに自分では作れない妖精さん。主人公が渡したキャンディとなにげないひと言が、ペーパークラフトの文明を発達させる……!?
Key所属の原画家・樋上いたる氏が企画原案を担当したPCゲーム『Rewrite』では、竜騎士07氏、都乃河勇人氏とともにシナリオを担当。『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』、『灼熱の小早川さん』で業界の話題をさらった田中ロミオの小説デビュー作!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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Posted by ブクログ
人類最後の学校が閉校するほどに衰退した世界で、「人間」と入れ替わりで大きく繁栄した「妖精さん」を主人公が観察する内容。
妖精さんは人間よりもはるかに高度な技術と能力を持つが、集中力が散漫で物事を長期間継続できない。また、面白いことに集まるなどの習性を持つ。一晩でゴミ山を未来的な都市にしてしまったり、地球の生物史を自律するペーパークラフトで再現する試みをするあたりはもう笑うしかない。
ライトな文体でヘビーな内容を取り扱う差が面白かった。
Posted by ブクログ
面白くなる要素なんて何処にもないと思う。
そのはずなのにとても面白い。
これは、全てキャラクターの効果によるものだというしかない。
世界観としては、かなりガチのSFで理論的にも複雑なものを垣間見ることが出来る。バックボーンに人間の新化の歴史を知識として持っているからこそ描ける世界のはず。
なのに、緩い。メチャ緩い。
人類、いや人間が絶滅しようかという時代なのに、のほほーんと生きているようにしか見えない主人公。この語り口調が妙に独特で、それでいて和ませてくれる。
何処にたどり着くのか見えてこないが、このニュルっとした世界にずっとどっぷりと浸かっていたくなる。そんなこと間違い無しだ。
Posted by ブクログ
ほのぼのとした絵柄とそれにあったのんびりとしたストーリーがとてもおもしろかったです。
あえて、人の名前が出てこない独特の世界観でしたが、妖精さんによるいろいろな出来事と見事にマッチしていました。
また、個性的な登場人物のセリフや行動がとてもおもしろかったです。
特に、主人公のわたしがブラックで。
Posted by ブクログ
audibleで再読 シリーズのラストを知ったうえで改めて読むと、違った視点で楽しく読める。妖精さんの可愛らしさとブラックジョークの掛け合いのテンポが良い。
Posted by ブクログ
アニメから原作に。アニメ10話までは原作は読まなくていいな、と思っていたけどラスト2話でやられた。胸が苦しくなるような甘酸っぱい何かが心の中に響いて原作一巻を手に取っていた。冒頭にいきなり学舎の話が出てきてアニメ組をグっとさせる。妖精さんはアニメとは少し違った感じだけど全体的な雰囲気は同じかな。アニメがうまく再現してたってことか。全編アニメのキャストの声で再生された。1ページまるまるの絵の他に小さな挿絵が多くて絵本のような感じがいい。絵のタッチも絵本みたいだし。まったり長く楽しみたい作品。そしてアニメで味わった甘酸っぱさも2巻以降に期待。