あらすじ
関ヶ原の折の屈辱を忘れかねる徳川秀忠は、家康が死去するとただちに信之の真田藩に襲いかかった。秀忠は、信之の側近に送り込んだ隠密を使い、冬の陣の直後に幸村と密会した事実を突いて取潰しに追込もうとするが、ただ一人生き残った草の者お江の活躍で信之は難をまぬがれる。そんなある日、上田城に向井佐助の最期を見とった摂津の農夫が遺品を届けに現れる……。全十二巻完結。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
最終巻。
大坂の陣が終結し、幸村も逝ってしまった後の真田家。
読む前は“おまけ”的な巻なのかと思っていましたが、そんな事全然なく、とても面白く読めました。
幕府の陰謀から家を守ろうと奮闘する、信之以下、真田家の家臣たち。今までの馬場彦四郎の動向にモヤモヤしていただけに、お江の活躍は胸がすっとしました。さすが頼れる忍びですな。
最後は松代に国替えになり、上田を去る場面で幕を閉じますが、後書によると後にまた騒動が起こるとか・・・ですがそれはまた別のお話です。
全巻通して。
武田家滅亡から、徳川政権確立後まで、まさに戦国乱世を真田一族と共に駆け抜けたような感慨があります。
昌幸・信之・そして幸村・・それぞれの生き様がとても素敵でした。
ちなみに、この真田父子をもっとも悩ませたのは、秀吉でも家康でもなく、樋口角兵衛だったと思います。。。
Posted by ブクログ
秀忠の気持ちは想像はできるけど、ちょっと器が小さいのではないかい?と思ってしまう。お江が生きていて本当に良かった。佐助の最後も分かって、皆が旅立つべき所へ旅立ち、信之もまた転地で旅立って最後。すべてを見送る気持ちはどれだけ寂しかっただろう。信之も、書ききった池波さんもお疲れ様でした。12巻、追いかけてきて私も楽しかった。
Posted by ブクログ
幸村が死んだのに、まだ話は続くのかと驚きを持って読んだ。主人公は一人というわけではなく、真田一族と草の者の物語のような印象を受けた。この書き方は珍しい。
作者は9年間もかけてこの本を連載したという。それにしては、物語の繋がりの破綻もなく、伏線もあったりして、よく出来ているなと思った。
Posted by ブクログ
ついに最終巻。
徳川家康さんが亡くなり、関ヶ原に遅延した原因である真田憎しの秀忠さんが、信之くんに難癖をつけて真田家を取り潰そうとするんだ。
草の者で唯一生き残ったお江さんの働きもあって、なんとか徳川サイドの汚い策略をくぐり抜けるんだけど、結局は家康さんから戻してもらえていた上田から松代に国替えさせられちゃうまでのお話でした。
上田から始まり、上田を出るところで終わったよ。
このお話は、上田の歴史でもあるようでした(笑)
弟の幸村さんやお父さんの昌幸さんと袂を分かち、徳川の世で生き抜いた信之さんを悪い人に描くのは簡単だったと思うけど、最初から最後までしっかりと己の考えを持った冷静沈着な人物に描いていたのが良かったです。
だからこそ、真田家の人間がみな高潔であることが際立ったと思う。
真田ファンになっちゃった!
ベタベタな人間ドラマにし過ぎずに、淡々と書かれた文章も良かった。
良い本を読み通しました!