あらすじ
“閃きの小悪魔”と観光業界に名を馳せる浅倉絢奈に1人のニートが恋をした。男は有力ヤクザが手を結ぶ一大シンジケート、そのトップの御曹司だった!! 金と暴力の罠を、職場で孤立した絢奈は破れるか?
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
特等添乗員シリーズの第五弾。
今までよりも何でもあり感が強くなってきた印象だが、暴力団排除法が施行され苦しくなったリアリティのある姿になっていたのが面白かった。今回は組長のどら息子の嫁探しにつきあわされる周りのヤクザ達がとてもコミカルチックに描かれていて、クオンタム側で起きた女性同士のドロドロなシーンと上手い具合に対比になっていたので辛くならずに読むことが出来た。
今回のテーマは「空気」との闘いであると考えられる。
ヤクザのシンジケートを解散したいが、その他のヤクザに忖度し関係を引きずってしまう鮫吹や、絢奈と那沖の関係性に嫉妬した浜宮が陰湿な嫌がらせをその他の女子社員を使ってアンチな空気感を創り出していった所に、そのような物を打ち砕く絢奈の精神力が素晴らしいと思いました。しかし、それを壊せたのは決して彼女の力だけではなく、那沖を始めとした能登や姉の乃愛の力もあったのかなと思うと今までの話から過ごした時間が凄く有意義な物になっているのかなと感じました。
次の6巻目でこのシリーズは最後になるのでどんな物語が展開されていくのかが楽しみです。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
浅倉絢奈:花澤香菜
壱条那沖:小野賢章
能登廈人:銀河万丈
浅倉乃愛:悠木碧
壱条凌真:田中秀幸
壱条真尋:島本須美
泉谷:若本規夫
鮫吹俊学:磯部勉
鮫吹基成:KENN
塚森利行:安原義人
浜宮絵梨子:工藤晴香
藤崎聡美:大橋彩香
Posted by ブクログ
〇 評価
サプライズ ★★★★☆
熱中度 ★★★★☆
インパクト ★★☆☆☆
キャラクター ★★★☆☆
読後感 ★★★★★
希少価値 ★☆☆☆☆
総合評価 ★★★★☆
浜宮絵梨子による社内でのいじめと鮫島親子による恋愛工作の2つのエピソードがメイン。それ以外にもラテラル・シンキングについてのエピソードやちょっとした雑学がちりばめられている。αシリーズの最終巻として読者サービスがびっしりという印象。熱中度は高く、最後まで楽しく読める。
鮫島親子の企みがコミカルに描かれており、ラストの作品としては謎がやや小粒かな…と思っていると最後にひっくり返される。鮫島基成は単なるバカ息子ではなく、恋愛工作の全てが暴力団から鮫島俊学が愛想をつかされるためにやっていた行為だったとは…。これは全く予想できず。サプライズ感は十分。
とはいえ、それでもやや小粒という印象はぬぐえない。そもそもαシリーズ全般がQシリーズより「人の死なないミステリ」として軽めの要素が強い印象。そのため、インパクトは弱い。キャラクターも、絢奈、能登厦人といった主要キャラクターこそ十分に生き生きしているが、壱条那沖はイマイチ活躍できず。鮫島親子や浜宮絵梨子はそこまで魅力的に描かれていない。
総合的に見るとギリギリ★4というところ。さて、これで松岡圭佑の「人の死なないミステリ」シリーズは全て読破。しばらくは松岡圭佑から離れる予定。
〇 メモ
プロローグは浅倉絢奈のラテラル・シンキングの冴えの紹介のため、能登厦人の指導シーン。それから武蔵小杉での自動車泥棒事件。絢奈はラテラル・シンキングにより、寒い日にキーをつけっぱなしにしているクルマを狙うという犯行方法を看過。鋭い観察眼でキーの隠し場所を見付け、自動車泥棒事件を解決する。
自動車泥棒事件は、塚本組という暴力団のシノギの一つだった。ここから暴力団のシンジケートの話へ。暴力団のシンジケートのボス鮫島俊学は、息子の基成から絢奈と交際できるような工作をするように頼まれる。俊学は塚本組に依頼し、塚本組の幹部である芹沢は、絢奈のツアー中にツアー客の財布がすられるという事件を起こし、これを基成に解決させることで出会いのきっかけを作ろうと計画する。絢奈はラテラル・シンキングにより犯行方法を見抜き、すられた財布の在りかも見つけ出す(犯行方法→リバーシブルのセーターを使ったトリック。財布の隠し場所→窓の開かない特急の中から、連結部のジャバラを切り裂き、車外に財布を出した。共犯者が拾いに行く)。
絢奈は口紅をしていたことから車内にいたシスターが共犯者であることを見抜く。シスターの携帯のメールから黒幕が駿河湾の船上にいることを暴く。絢奈は見事にすられた財布を取り戻した。
絢奈が勤務する派遣会社クオンタムで、エース的存在である浜宮絵梨子は、絢奈が社内でいじめの標的になるように工作を行う。
基成と絢奈を交際させるという計画。昇竜会の最高顧問である磯島の計画も失敗する。クオンタムの職場における絢奈のいじめもエスカレート。基成と絢奈を結びつけるというシンジケートの計画は更に失敗。鮫島俊学自身が乗り込みも失敗する。
絢奈が新人と仲良くなったことなどをきっかけに、浜宮絵梨子の絢奈に対するいじめは失敗に終わる。浜宮は絢奈を泥棒に仕立て上げようとするが失敗。絢奈は浜宮を許す。
シンジケートを構成する各組は鮫島に基成と絢奈の交際に関与することからは手を引くと明言する。
白昼の街中で絢奈は鮫島親子にさらわれる。誘拐され監禁されている場所で絢奈は意外な事実を口にする。「鮫島親子は警察に逮捕されたがっている」と。真相は、基成は絢奈と結婚したいわけではなかった。これらの行為は、鮫島親子がシンジケートを抜けるため、各組に愛想をつかされるためにやっていた行為だった。結婚を目的とする誘拐で逮捕され、前科者になり執行猶予を得る。そうすることでシンジケートを抜けることを計画していた。絢奈はそのことを見抜く。浜宮もラテラル・シンキングで直観的に警察への通報を辞めた。壱条那沖と浜宮が現れる。那沖は、鮫島に、これまでのシンジケートの構成員と悪事をすべて警察にぶちまけるように進言する。そうすることで事実上の司法取引が可能ではないかと伝える。鮫島親子はその選択を決断する。
全国の指定暴力団のうち4分の3が一斉に逮捕されるというニュースが流れる。絢奈と那沖は新居で同居を始める。
エピローグは絢奈の機転でツアー先で窃盗犯を逮捕するというもの。「出会った人を正しい行き先に導くのが、添乗員の仕事だもん。閃きの小悪魔に引退なし」
Posted by ブクログ
特等添乗員シリーズ最終巻。職場でのいじめの件とヤクザの放蕩息子に惚れられて追い回される件が話の流れ。かと思いきや放蕩息子の件の方は最後意外な展開になりちょっと読んでいて「うぇ!?」っとなった。そこが今回の見所かな。結婚後も「閃きの小悪魔」は健在のようで。これでこのシリーズが終わってしまうのはちょっと寂しい気もするが、読んでいてよかったなとも同時に思う。あと「万能鑑定士」シリーズが1冊残っているがそちらも続けて読んで「探偵の探偵」も読んで2シリーズの完結編に備えたいと思う。
Posted by ブクログ
今回もサラっと軽く読めて楽しめた
変な事件に巻き込まれるんだけど、やっぱりそんな簡単なミステリでは無いという感じで最後はちょっと意外なラストでした
恋愛の方もQの莉子よりこちらの方がスムーズに進んで
そろそろ入籍かなうふふ・・・ いや、莉子達が遅すぎるのか
Posted by ブクログ
αシリーズはラテラル・シンキングの話で、
Qシリーズのような問題、その解説(?)の難しさはないので読みやすいです。
Qシリーズの小笠原さんと莉子さんの進展は遅いですが
αシリーズは、テンポが早いですね。
Posted by ブクログ
ラテラルシンキングという言葉よりも閃きという言葉の方が好き。
2方向の戦いをしていたからか、どちらも小物に見える。
最後のどんでん返しは面白いけど、スケールが大きすぎてご都合主義がくさくなってきた。
Posted by ブクログ
Qと同じで話が大きくなると敵も大きくなる。
このくらいで止めておくのが良いんでしょうな。
5巻で止まってますが最終巻ではないのかな?かな?
ちょっと犯人がこの作品にしてはめずらしい感じがするので、
東野圭吾さんとか好きな人なら解いてみるといい。
ちょっと残念なところがあるけど、
おいらは「壱条那沖」推しだし「浅倉絢奈」さん好きよ!
ぜひぜひ幸せになってほしいね。
1番の疑問点ですか?
「閃きの小悪魔」ではなく「閃きの悪魔」じゃないの?
「子」じゃないよね。。。