あらすじ
宦官・高力士が、死の直前に安倍仲麻呂へ遺した手紙には、楊貴妃の出自にまつわる、さらなる驚愕の事実が記されていた。黄鶴、白龍、丹翁……さまざまな人の想いと呪いが交錯した果てに、いま、順宗皇帝は呪法によって瀕死の状態に陥っていた。呪法の正体を暴くよう依頼された空海は、逸勢や白楽天、大勢の楽士や料理人を率い、玄宗皇帝と楊貴妃ゆかりの地──驪山の華清宮へと向かった。中国伝奇小説の傑作、ついに完結。
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Posted by ブクログ
これは……ど傑作と作者が言うだけのことはある。
実は買うの迷ったのだけど……買って良かった。ど傑作だ。
空海が好きになる。歴史上には数々の天才、偉人がいると思うけど、間違いなく空海みたいな才が欲しい、と思う。
どちらかがきっと黄鶴の……と思いながら読み進めていったけど、やはり、という感じ。
黄鶴の企みは深みを感じたけど、弟子たち2人のやったことはあまりに短絡で、方術士のすることかと思ってしまうんだけど若さ故かな、と。
大猴があんな風にこの件に関わってくるとは意外だった。
Posted by ブクログ
面白かったです!完結までに18年って…
残っている書物、史実にある程度基づき、伝説や逸話を掛け合わせ、作者の想像力を盛り込みこんなにおもしろい作品に仕上げたということに改めてすごいなと…
楊貴妃も黄鶴も白龍も丹龍も、玄宗も高力士も…みんな可哀そうでした。白龍が可哀そう過ぎる…きっかけは黄鶴の過去にあるにせよ、一連の悲劇は誰が悪いわけでもないから余計やるせない気持ちになりました。あえて言うなら国の、時代の風潮がそれぞれの心の隙間に闇を生みだしてしまったせいという感じでしょうか…
最後に見せた黄鶴の父親としての顔…泣けました。
空海は最後まで安定の空海でした。逸勢も(笑)
空海の日本時代のお話も読みたいなと思いました。
それにしても夢枕さんは空海が大好きなんだなぁ。