【感想・ネタバレ】永遠の詩08 八木重吉のレビュー

あらすじ

言葉のひとつひとつに悲しみと愛があふれる詩人。

●今日的に意義のある詩人を採り上げ、その代表作を厳選。
●現代仮名遣いによる本文、振り仮名付きで読みやすく。
●各詩には詩人(高橋順子・矢崎節夫・井川博年)による解説をつけ、作者の生い立ち、作詩の背景、詩のもつ魅力がよくわかる。
●各詩人の人生と詩集が一目でわかるビジュアル年譜(写真とイラスト入り)。
●巻末には魅力的な執筆陣によるエッセイを収録。

癒しに満ちた傑作詩を鑑賞解説付きで収録。

本シリーズの最後、第八巻を飾るのは、今の時代にこそ読んでほしい、〈かなしみ〉の詩人、八木重吉。みじかく、とつとつとしたことばで、泣きたくなるようなさびしい感情を詩につづった。すべての詩に鑑賞解説付き。

永遠の詩シリーズは、今日的に意義のある詩人をとりあげ、代表作を厳選しました。わかりやすい解説で、詩があなたにもっと近くなります。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

八木重吉の名前を知ったのは最近なのですが、どこで知ったか忘れましたが(アンソロジーかなにか?)とにかく、この人の詩集をもっと読んでみたいと思わされました。
それで、探したらこの『永遠の詩』のシリーズが一番入手しやすいとわかり、このシリーズを集めだしました。はじめに八木重吉ありきでした。
とても透明感があって、とってもピュアで美しい詩ばかりでした。
私のレビューより、ご存知ない方の為に、短い詩が多いので何篇かまとめてご紹介します。


「素朴な家」
この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかねて
琴はしずかに鳴りいだすだろう

<解説より>
八木重吉の詩で一番好きな詩に「素朴な琴」をあげる人が多い。言葉のリズム、選び方や配置、すべてが完璧。よぶんなものがまったくない、みごとな四行詩である。
題名については諸説あるが、次の郷原宏の解釈が優れていると思う。
「素朴な琴」は詩人その人の象徴であろう。自然の美しさに耐えかねて鳴るのは、詩人の心が美しいからである。
なお<琴>といえば西洋楽器のリラ(竪琴)のようなものと思われがちだが、結婚前に夫人が習っていたという日本の琴から発想したのではないかと思う。この詩は現在、八木家の墓地の一画に建てられた重吉像の傍らにある詩碑に刻まれている。


「花になりたい」
えんぜるになりたい
花になりたい


「ほそい がらす」
ほそい
がらすが
ぴいん と
われました


「虹」
この虹をみる わたしと ちさい妻
やすやすと この虹を讃めうる
わたしら二人 きょうさいわいのおおいさ


「花」
おとなしくして居ると
花花がさくのねって 桃子が言う


他の詩にも好きなものがたくさんありすぎて困るのですが「おおぞらの こころ」「白い 雲」「春」「母をおもう」「涙」「光」などもよかったです。


八木重吉(やぎ・じゅうきち)
1898年(明治31)~1927(昭和2)
東京都町田市相原の農家に生まれ、師範学校時代に、キリスト教の洗礼を受ける。その後、英語教師となってからは、最愛の夫人との暮らしの中で、人間存在のかなしみを問う、奇蹟の詩を生んだ。わずか29歳で夭折。没後、詩集が次々に出版され、そのピュアな精神に心うたれる読者は増え続けている。

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2019年11月10日

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