【感想・ネタバレ】永遠の詩04 中原中也のレビュー

あらすじ

孤独な魂、傷つきやすい心。永遠の天才。

●今日的に意義のある詩人を採り上げ、その代表作を厳選。
●現代仮名遣いによる本文、振り仮名付きで読みやすく。
●各詩には詩人(高橋順子・矢崎節夫・井川博年)による解説をつけ、作者の生い立ち、作詩の背景、詩のもつ魅力がよくわかる。
●各詩人の人生と詩集が一目でわかるビジュアル年譜(写真とイラスト入り)。

天才詩人、中原中也の傑作詩を収録。

中原中也は、不安定な時代に生きる傷つきやすいこころを、中也節といわれる独特のリズムにのせてうたった。やさしく、やるせなく、時に残酷に。青春の喪失をうたうことに命をかけた詩人は、わずか30歳でこの世を去った。

永遠の詩シリーズは、今日的に意義のある詩人をとりあげ、代表作を厳選しました。わかりやすい解説で、詩があなたにもっと近くなります。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この永遠の詩シリーズは8人の詩人が取り上げられていますが、最も早熟の天才は中原中也ではないでしょうか。
高橋順子さんの解説によると、幼いころは神童といわれ、17歳で女優と同棲、のちに失恋、愛児文也の死、そして自身の早すぎる死まで短くて波乱に満ちた生涯だったようです。
中也のファンとしても有名な川上未映子さんも巻末のエッセイ「悲しみとはいったい何か」で中也の背負っていた悲しみについて語られています。
その作品は、静かで明るいものから激しさを秘めたもの、七五調までと多岐にわたってその天才ぶりをうかがわせています。

「春と赤ン坊」
菜の花畑で眠っているのは…
菜の花畑で吹かれているのは…
赤ん坊ではないでしょうか?

いいえ、空で鳴るのは、電線です電線です
ひねもす、空で鳴るのは、あれは電線です
菜の花畑に眠っているのは、赤ン坊ですけど

走ってゆくのは、自転車自転車
向こうの道を、走ってゆくのは
薄桃色の、風を切って…

薄桃色の、風を切って…
走ってゆくのは菜の花畑や空の白雲

ー赤ン坊を畑に置いて


<解説より>
1934年(昭和9)10月、長男文也が生まれた。長男の誕生は中也の憂いをはらう出来事だった。
この詩はその翌年に発表された。赤ン坊の誕生を寿ぐもろもろのものたち…。
あまりに明るく透明なので、なにか怖いほど、第三連で自転車は向こうの道を走っているのだが、第四連では風景が走っている。詩人の心が走っているのだ。「妹よ」とともに諸井三郎により歌曲として発表された。


「帰郷」「盲目の秋」「生い立ちの歌」「頑是ない歌」「一つのメルヘン」「月夜の浜辺」もよかったです。


中原中也(なかはら・ちゅうや)
1907年(明治40)~1937(昭和12)
幼時より神童とうたわれ、中也節とよばれる独特のリズムが耳に残る詩を生み出した。
しかし、繊細すぎる心と体は徐々に変調を来たし、30歳の若さで病没。死後、その評価は高まり、いま、もっとも愛唱される詩人の一人である。

0
2019年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「私はその日人生に、椅子を失くした」だと思い、検索したがヒットしませんでした。中原中也で検索しました。

中原中也の繊細な詩集です。
年譜、資料、解説もあります。

邪道かもしれないが、曲をつけたいものがいくつかあった。

0
2011年06月17日

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