【感想・ネタバレ】ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

解説とか好きだからもう「はじめに」から面白かった!
ホラージャンルを5W1Hに分類しようなんて思わないでしょ。楽しい。
それで言うと全部の項目に好きなジャンルがあったから、自分って案外ホラー好きなんだな、と思った。
この本は全章怖くなかった。入門書扱いだからかな?ホラー苦手でも読めそう。

[特に良かったやつ↓]
終わった町 芦花公園
とざし念仏 五味弘文
一一分間 瀬名秀明
民法第961条 梨

最近モキュメンタリー(っていうジャンルだって初めて知った)系の小説多いよねって前話してたけど、好きなジャンルはどれだけ増えてくれても有難いな。
梨先生の、「折り目をつけてください」でワクワクしながらページ折りたくなっちゃった。本のページを折るなんて絶対しないけど、こういう趣向は結構好き。

出版された時期もあるんだろうけど、パンデミックに言及してたりメインのテーマにしてる小説が結構入ってた。
今はかなり緩和されてるけど、当時はやっぱりこの状況がずっと続くのかってメディアも煽ってたのを思い出した。
あと何年かしたら自粛してたいろいろも「あー当時は大変だったよねー」くらいになるかな。
因みにウイルス系はパニックホラー(what型)になるのかな?

あと芦花公園先生のホラー描写って悪夢を切り取ったみたいで相変わらず気持ち悪い!(好き)
意味わからない事をニヤニヤした奴にずっと言われ続けるっていう悪夢をよく見るんだけど、まんまそれ!!
お前は人間のフリした宇宙人か?話し方だけコピーしてひたすらランダムに再生してるのか?
そういうのあったな何だっけ…裏世界ピクニックだ!裏世界ピクニックアニメか漫画観て欲しい。面白いから。

シンプルに纏められなかった感想おしまい。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

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気鋭のホラー小説家達による、オムニバスホラー短編集。
ジャンル特化型ホラーということで、各話が5W1Hにジャンル分けされ収録。

・Who「みてるよ」心霊ホラー
学校に出現する、不気味な男子の幽霊。彼に見られた者は恐ろしい目に遭う。
・What「終わった町」オカルトホラー
土地神の怒りを買った主人公が、自分以外が狂った町に閉じ込められる。
・What 「さよならブンブン」モンスターホラー
クラスメイトに虐められている主人公が心の拠り所にしていた猫・ブンブンによる、いじめっ子への復讐劇。
・Why「告発者」サスペンスホラー
動画サイトにアップされていたのは、主人公の過去の罪を糾弾する切り抜き動画。火種を消そうと動いていた主人公は、恐ろしい真実に辿り着く。
・Where「とざし念仏」シチュエーションホラー
文化祭のお化け屋敷でドラム缶に閉じ込められてしまった主人公が体験する恐怖。
・When「十一分間」SFホラー
AIに世界を支配されるか取り戻せるか、瀬戸際を描いた11分間。
・How「学校の怖い話」怪談
学校にまつわる実話怪談4話を収録。
・How「民法第961条」モキュメンタリーホラー
学校の本棚にあるという「読んだら怖くなる本」がもたらす恐怖に、主人公さらには読者までもが巻き込まれていく。

様々な種類のホラーを味わうことができて、読み応えがあった。
特に好きだったのは「終わった町」「とざし念仏」「民法第961条」。
巻末のブックガイドで紹介されているホラー小説も興味をそそられるものばかりで、今後もどんどんホラーを読んでいきたいと思った。

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2024年01月02日

Posted by ブクログ

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地元の全中学校に寄付したくなるぐらいにはホラー入門書として最適だと思う。
解説を読むのがまた楽しくて、一口にホラーといっても「どういう部分に恐怖を抱くのか」を分かりやすく解体してくれていたので初心者の自分には有り難かった。
特に、モンスターホラーの解説項がどう見てもいじめっ子のことを説明しているようにしか感じられず、しかし決してそのことには触れずあくまでモンスターの解説という皮肉めいたスタンスが心地よい。

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・12月14日に読みはじめ、19日に読み終えました。

・たいへんおもしろかった! ホラーはちょこっと読みつつ新しい作家さんを開拓したりなどはしていなかったので、ここからかなり広げられそう。知ってる作家さん、梨さんと雨穴さんだけだし。今回は梨さん目当てで入手しました。

・シリーズがヤングアダルト世代向けなぶん、そのあたりの歳の子が主人公の話だったり学校を舞台にしたものが多くて、ドンピシャで読んでたからもっと怖かっただろうな~と思った。


・『みてるよ』 思い返せば「姿は見えてもそれ自体が何かはわからないまま」っていうホラーばっか読んでたような気がして、こんなにはっきり存在自体や理由がわかる作品はなんかだーいぶ久々だった気持ち。学生のとき読んでたらこの話が一番怖かったかも。多かれ少なかれ、誰もいない廊下を一人で歩くっていうことは経験があると思うし、ちょっと異質な雰囲気だなってたぶんみんな思ったことあると思う。次は誰が標的になるかわからない、もしかしたら自分かもしれない、って思った矢先に怪異の存在理由を知って「次はお前だよ」と言われるのこわすぎるね! 終わり方も好きです。

・『終わった町』 閉鎖的で排他的な町、こわ~。皐のこと、ふつうに女の子だと思ってたからびっくりしたけど、女の子にされてたんだな。閉塞感がただようまま狂っていく町でひとりだけ正気を保っているのが恐ろしいし、それは茜自身が引き起こしたものだとわかって更に怖い!ゾッとする。茜が置かれた状況は自業自得だとひとまとめに言ってしまえるけれども、そもそも皐巫女とか土地神もなんなんだよという話である。そういう理不尽(?)な上位存在がいる話ってどこから学ぶんだろう。いや、学ぶというかそれこそ地域に根づいてきた伝承か…… あと芦花公園っていうペンネームかっこよすぎない? あ、京王線の駅なんだ……

・『さよならブンブン』 モンスターホラーって読んだことなかったけどよかった! ホラーはホラーだなと思ったけど、SFも感じました。ブンブンつよ。その研修施設もなんなんだよ。 ホラーって結構、主人公が何かしらの怪異によっておぞましい目に遭うようなのが多いと思うんだけど、その怪異が自分を救ってくれるパターンは初めてだったので新鮮でよかったです。解説で、モンスターは恐怖と強さだけでなく「かっこよさ」も兼ね備えているケースもある、と書いてあって、すっごく納得した。例で吸血鬼や狼男が挙げられていたけど、それももちろん怪獣とかもそうだしね。ブンブンもかなりかっこよさを描かれていたように感じた。あとお話がすごいジュブナイルだし。 50音表で話してるときのブンブンの肉球……かわいいだろうな。紙に押し付けられる肉球……

・『告発者』 サスペンスですね~。健太郎が何をしたのか知らないまま話が進むから、個人的には健太郎ほんとに悪いことしたんかなあって終盤までずっと思ってた。ので、落差すごかったな。事故とはいえ隠し通すのは普通に最悪だし真相を知った父母のそれぞれの対応もかなり怖かった。唯一話のわかる人だと思っていた父が告発者だとわかるところ、おそろしくていいですね~。てかまた殺してるぞ!? 真実を受け入れられず、重ねてしまった罪も直視できないまま、母の無償の愛に身を委ねてしまいたいと思ってしまうの、ほんとうにどうしようもなくて、10年前からなんにも変わってないのかという無力感がある。後味悪いねえ!おもしろかった!

・『とざし念仏』 狭くて細くて出られないところってマジで嫌だな。怖いとかいうより嫌だわ。このお話はドラム缶っていう最低限なになのかとか周囲の環境がわかってたしお墓の話といい、ホラーがメインとして描写されてたからよかったけど、そういうのがなかったらけっこう恐怖とかより不快が上回ってたかも。それはそれでホラーとして成功してるわな。分類としてはシチュエーションホラーだし…… お化け屋敷っていう状況と、張り紙一枚で主人公の「死ぬかもしれない」って恐怖が「お化け屋敷のアトラクション/演出」になってたのが恐ろしかった。張り紙にはどんなことが書かれているんだろうと少しワクワクしたのもある!

・『一一分間』 全然怖くなかった……!! たぶん、SFは普段からかなり触れてるからだと思う。ふつうにSF短編としておもしろかった! おそらくオマージュ元であろう『23分間の奇跡』が未読だったので、読んでたらよかったな。 パンデミックとかが出てきて、時代背景は結構近めかな?と思ったら全然未来の話っていうミスリード、何回読んでも好きだなと思う。未来なんかーい!!って人差し指立ててツッコんでます(?) 学校での号令や集団行動、自分がやりたくてやってたかというとそうじゃないので、「あなたたちは本当にいま自分で考えているの?」という言葉はドキっとすると思う。でも本当にすべてを自分で意思決定しなければならなくなったらそれはそれでだいぶきついと思うので、自由とはいえ、ほどほどに縛られてほどほどに流されるのがたぶん一番良いよなと思ったのであった。人間は群れで生きる種族だからね……

・『学校の怖い話』 怪談だ!mp3も聞きました。以前怪談の朗読(何て言うんだ?)を聞いたことがあったんだけど、そっちは対面だけあって体の動きだったり声量や声色を激しく変化させていたりのものだったので、こんな感じに淡々と語られるのはそれはそれで怖いなと思った。そもそも、映像や音声でのホラーコンテンツがあんまり得意じゃないので(ジャンプスケアが大嫌い!)、こういうあんまり激しくないのなら喜んで聞くのになーと思った。『ハマダノゾミちゃん』が一番好きかな。自分だけしか覚えてない、じゃなくてお母さんも覚えてることで、単なる自分の勘違いってだけじゃ説明できない不可思議さ/奇妙さが際立ってて、よい…… 『虫とり』の、ラメ体液触った後に霊感ついて不思議な体験するようになった、って終わり方はちょっとおもしろが勝っちゃった。なんだよその体液。

・『民法第961条』 もう、梨ィ!!!!!ってなりたくて梨さんの話読んでるとこあるな。朝読書と学級文庫は小学生の時にあったけど、その時読んでたらたぶん泣いてたぞ。本書のシリーズ名を怪異に持ってくるの最悪(最高)すぎるし、ただ持ってくるだけじゃなくて「14歳」「世渡り」ということばを使ってしっかり意味を持たせているのがやっぱすごいなーと思った。画像もアリなんですね!!! 梨さんの『かわいそ笑』もそうだったけど、紙媒体の本でしかできない演出を通して、本の物理的存在に対して恐怖を生ませる演出がいいなあ。よくないけど。いい意味でのよくないって話。語り部が穏やかな口調で植田さん側に寄り添ってるっぽいのがまた嫌ですね~。これ、14歳で読んだ人の感想聞きたいよ。


・非常によかったで~す! 開拓もするぞ!

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2023年12月22日

Posted by ブクログ

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澤村伊智「みてるよ」★★
芦花公園「終わった町」★★★
平山夢明「さよならブンブン」★★
雨穴「告発者」★★
五味弘文「とざし念仏」★★★
瀬名秀明「一一分間」★★★
田中俊行「学校の怖い話」★★
梨「民法第961条」★★★★

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2023年12月18日

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