19世紀英国の伯爵邸が舞台。「冬の物語」は謎の死を遂げた伯爵の愛人の死の真相を、彼女の息子・ライナスが追う話、「春の物語」以降は伯爵邸へ家庭教師としてやってきた牧師の娘、レイチェルを中心として物語は進んでいきます。
厳格なレイチェルは当初、愛人を多数抱えるロウランド伯爵を嫌悪するものの、息子たちへ深い愛情をそそいでいるのを知り、子供たちのため、更なる家庭円満を目指すべく奮闘しますが、実はそれは伯爵邸の歪で美しい世界に光を差し込むがごとき行為であり、何度も傷つけられ、絶望を味わうこととなります。
レイチェルのがんばり具合と報われなさ(報われることもありますが)には読者としても何度も打ちのめされますが、構成や心理描写の巧みさ、抜群の絵の上手さに魅せられ、読む手が止まりません。
※同著者の『Honey Rose』は『Under the Rose』から数年後の伯爵邸が舞台ですので、ぜひ本作を先にお楽しみください。
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このお話ってまさに「陰謀渦巻く」って形容がぴったしなんですが……最初なんてもう陰惨すぎて怖かったですよー。そんな中でもおチビちゃんたちには癒されます。可愛すぎるんだ、あのコら!ライナスくんもすっかり丸くなりましたねー(にこにこ)1巻ではどうしようかってくらい怖いコだったのに。
あんな風になっちゃったのはきっと誰が悪いとかそういうのはないんだと思うのです、が・・やっぱロウランドがムカつくのですよっ!頭では彼だって悪くないって思うのですが気持ちがそうは思ってくれません。悲劇だよなぁ。
それにしてもやはし美しい絵です。表現とか何とか、すごいなぁと感嘆のため息です。
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レイチェル先生奮闘するの巻。
ぞっとするような描写(冒頭の影絵とか)で、レイチェルの絶望がくっきりと伝わってきます。
並行して伯爵とアンナさんの過去も明らかに。
あとがき漫画、全部ライナスくんにしてくれないかなあ(笑)
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とてもうまい漫画家さんだと思います。もう台詞から表情から背景・心理描写から一分の隙もない。ヴィクトリア朝特有の、古く重苦しい伝統とそして確かな変革の息吹。先が本当に楽しみな漫画の一つ。
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ついに行動を起こしました。ウィリアム君・・・。
表紙の先生色っぽすぎます・・・!先生の行く末が気になります。アンナの過去も明らかになる第四巻です。
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19世紀末の英国貴族モノ。貴族社会の陰湿でドロドロした感じがすごく上手い。表面上は平和を装っているのに、水面下は重く暗く閉鎖的。絵も綺麗なので、ヴィクトリア期のイギリスの雰囲気に浸れます。個人的にライナスが好きです可愛いです。「エマ」と同じ19世紀末英国モノだけど、質が真逆なので要注意です。
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船戸明里はすごいとおもう。圧倒的な波に飲まれていく感じ。心理描写の秀逸さ、画面の緻密さ、どこをとっても上等です。氷を突きつけられてヒヤっとしたら、実はドライアイスで火傷した、ような感覚に陥る。気分の沈んだ時に読むと病気になりそう・・・
アルバート好きだな。
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どんどん黒くなってきますが。
ストーリーの展開もゆっくりなのですが、必要な描写ばかりだと思うので苦にはなりません。
作画のクオリティも落ちることなく素晴らしいです。
Posted by ブクログ
森薫「エマ」が健全なイギリス上級社会とすれば、
この作品は正反対の、陰鬱で抑圧された社会。
同じ時代にありながら、こうも異なることがあり得るのかと感心してしまう。
Posted by ブクログ
生徒の魔の手に絡め取られるガヴァネス(女家庭教師)。中世ヨーロッパを舞台にしているということもあって、妖しい雰囲気がプンプンです。
誰か先生を助けてあげてー(笑
Posted by ブクログ
19世紀末貴族世界が舞台…というよりロウランド家が舞台。当時の貴族の家の世界観みたいなものが自然伝わってるのがスゴイです。
絵のディティール・完成度にも圧巻。女性作家・CG作品でこんなハイクオリティのも珍しい。