【感想・ネタバレ】氷の城壁 単行本版【フルカラー】 14のレビュー

あらすじ

ミナトと一緒に自宅で誕生日を過ごしていた小雪。夜になって、家に一人でいることに急に寂しさを感じ、小雪は思わずミナトを引き留めてしまった。そこで小雪は、これまで秘めていた想いを吐露する。一方、美姫もヨータの家を訪れて…? 時は流れ、新しい季節へ。青春混線ストーリー、ついに完結!

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人と接するのが苦手で、他人との間を壁で隔ててしまう氷川 小雪(ひかわ こゆき)。
中学時代のトラウマのせいで高校では誰ともつるまずに1人でいることを貫き、無表情さと目つきの悪さから周りからはクールなちょっと怖い人と思われています。
彼女の唯一の友達は幼馴染でクラスでは女神のようなアイドル的存在の安曇 美姫(あずみ みき)。
それ以外の人間に対しては壁を作って関わらないようにしてきましたが、グイグイ距離を詰めてくる雨宮 湊(あまみや ミナト)や、のんびり優しい雰囲気の日野 陽太(ひの ヨータ)と次第に仲を深めてゆきますが…。

メインで登場する4人は、タイプは異なりますがそれぞれ心に複雑な思いを抱えています。

周りの人のちょっとした行動や発言に対する不快感が積み重なって心の奥底に溜まっていくことありませんか?
小雪はその積み重ねに耐えられなくなり人との間に壁を作ってしまっています。

ミナトは誰とでも仲良くなれ1人でいる人に積極的に関わるタイプですが、ある日美姫から「可哀そうだからと話しかけるのは傲慢だ」と指摘されハッとします。

美姫も本来の自分とクラスメイトが抱いている自分とのギャップに悩んでいます。
更に大切な友達の小雪が辛い時に力になってあげられなかったという思いも…。

一番人当りの良いヨータも、親の再婚により家庭に自分の居場所のなさを感じています。

高校生の青春ストーリーかと思いきや、それぞれの心の機微が丁寧に描かれており、どの登場人物にも「わかる…」と思うシーンがあります。
あの時のあの感情はこういいうことだったのか!!と気づきを得る方も多いのではないでしょうか。
どの年齢の方が読んでも共感すること間違いなしです!

元々タテヨミマンガとして描かれた作品ですが、単行本版として再構成されております。
描くのは『正反対な君と僕』の阿賀沢紅茶先生。
“今らしさ”と“普遍的”を描くバランスが秀逸です。

恋愛部分も展開が気になるところ。
気付きと共感の物語をお楽しみください。

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ネタバレ 購入済み

終わってしまった…

大学編とか社会人とか結婚とか伸ばさず終わるのが寂しいけど、潔くていいです。
氷の城壁を乗り越えるまでなので、これでよかったかな…
でもやっぱ寂しい!!
みんな可愛くて大好き!!

#胸キュン #ほのぼの #癒やされる

0
2025年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

待ってました。終わるのは寂しいけど…
こゆんがミナトを引き止めるところから、もらい泣
きしてしまって、我が家のツンデレ猫に心配されて
しまった。
ミナトの気持ちに寄り添いながら、こゆん自身はこ
ういう思いを抱えていたんだね。
まだ付き合いは浅いけど、こういう気持ちを話せる
ミナトとの関係っていいね。こゆんの話を聞いてる
時だけじゃなく、家にいた時のミナトの反応は完璧。
優しいし、こゆんの事を大切に思って気持ちを尊重
してるのがよく伝わってくる。
こゆんのこと本当に大好きなんだね。(知ってた)
お母さんともちゃんと話せて良かった。
年齢・関係性・性別は関係なく、皆が少しだけで
も歩み寄れば、多くの事は解決してしまうのかもし
れない。
うーん やっぱりこゆんとミナトの関係性って羨ま
しい。 この二人は、この先何があっても相手への気
持ちは揺るがないんじゃないかと思うほど安定してる。

つい最近知った作品だけど、出会えて良かった。
数日前に無料お試しで読んだ「正反対な君と僕」も
良かったので購入予定。
どちらもアニメ化されるようだけど、少女漫画のアニ
メ化には思うところがあり、手放しで喜べない自分が
いる。 どうなるか静観です。

0
2025年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

完結。

小雪の家庭環境が明らかになる。父親との関係。母親との関係。

小雪の家にミナトが遊びにきて、楽しい時間を過ごしたからこそ、ミナトが帰って家に1人になった時に
「あれ、この家、こんなに広かったっけ…?」
と思う小雪。
初めて寂しいと思う。
そして語られる小雪の家庭が壊れた瞬間のこと。
父親と母親の言い合い。母親の言葉。母親の表情。祖母が言った言葉。
良い大学を出て良い所に就職をしたのに、小雪が出来たから辞めた。辞めたことを祖母に責められた。小さい頃は言葉の意味なんて分からなくても、言葉を覚えるのは得意だった小雪はそれを覚えていて、その言葉の意味を知った時小雪は思う。

(あれ? 私、 いる ?)

何かを諦めた表情をする母親。何も聞いてこない母親。深い話をしない、親子なのに浅い関係。

ふとした瞬間、消えたくなるんだよね
死にたいとか、そうじゃなくて
最初から、ここに居なかったら、と、そういう

その気持ちが分かる。
辛い。でも誰にも言えなくて、母親に聞いてみたいけど、聞くことなんて出来なくて。
そんな小雪の気持ちを軽くしたのはミナトだった。
ミナトも色々と家族の問題を持っていて、でもそれは小雪のお陰で解消出来て、だから自分の気持ちを吐露出来た。

最終的には母親とちゃんと話が出来て、良好な関係になることが出来て良かった。
これで完結かーと思うと寂しい。
みきとヨータの話ももっと読みたかったし、ユーキの話も読みたかったし。
でも、先生の新しい物語がまた始まるかと思うと楽しみになった。

0
2025年02月05日

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