あらすじ
毛布にくるまって読みふけった
あの頃のあなたへ――
家を抜け出して、少女は銀霧が舞う森へと旅に出た。
こんなファンタジーを待っていた!
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異なる世界、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国。
母を失った領主の娘・ユリアは、結婚と淑やかさのみを求める親族から逃げ出すように冒険の旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタン。
空を舞う泡虫、琥珀色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。ユリアはレーエンデに魅了され、森の民と暮らし始める。はじめての友達をつくり、はじめて仕事をし、はじめての恋を経て、親族の駒でしかなかった少女は、やがて帰るべき場所を得た。
時を同じくして、建国の始祖の予言書が争乱を引き起こす。レーエンデを守るため、ユリアは帝国の存立を揺るがす戦いの渦中へと足を踏み入れる。
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Posted by ブクログ
この物語を読んでる時は本物の冒険みたいでした。始まりはのんびりと過ごしたのに最後のチャプターにたどり着いながらどんどん面白くなりました。次の本を読んで楽しみですけどトリスタンなしで進んでるのが悲しいです。
1つの好きじゃないことをあげるとすれば、多分最後のチャプターの終わりにあります。理由が分かりますが、ユリアとヘクトルが逃げられたことはよかったですけどトリスタンとそんなに早く別れたことがびっくりしました。ヘクトルの友達と戦いたいという気持ちが分かりますがユリアはちょっと諦めるのが早すぎたと思いました。
Posted by ブクログ
最初から最後まで面白かった。
これまで何度かオーディオブックでファンタジー小説を聴いてみたが、いつも途中で挫折していた。
だが本作は、かなり長く物事があまり進展しないところもあったにもかかわらず、不思議と最後まで飽きることなく聴くことができた。
世界設定や登場人物が魅力的でリアリティを感じることができたからかもしれない。
ビクトル・シュライヴァや法王アルゴ三世といった権力者は、名前は頻繁に出てくるものの直接登場はせず、背景のように描かれる。
そのような権力者たちの思惑や銀呪病の呪いが渦巻くレーエンデで、必死に前を向いて生きるユリア、ヘクトル、トリスタンの姿には心を打たれる。
トリスタンの最期のシーンは感動的だった。
彼が敵ながらあっぱれと認めた帝国兵オプタスが、彼の最期を敬意をもって書き残したというのはいい話だ。
終章では登場人物のその後が後世の視点で歴史として断片的に語られる。
困難や叶わぬ願いもあったようで切ない。
リリスとホルトが困難な時代を幸せに生きたことを願わずにはいられない。
ユリアは本当にレーエンデ再訪を果たせなかったのだろうか。
神の子エールデはどうなったのだろうか。
そもそも、 銀呪病や幻の海とは一体何なのか。
これらの謎は続巻で明かされるのだろうか。
続巻も長そうだが読み(聴き)たくなった。
Posted by ブクログ
私が、ファンタジー小説が好きになったきっかけとなった作品です。
2024年本屋大賞ノミネートとのことで、表紙に惹かれて購入した作品でした。
読み始めると、レーエンデの世界観に魅了されました。
作品としては、かなり分厚いものの読み始めると止まらない。
時間のある日に読むことをおすすめします!
トリスタンがいい男すぎる。
これは、読者も惚れてしまうよな。
(これは、ただのファンタジー小説ではない。究極のラブストーリーでもあると感じた。)
しかし、こんな終わり方あるのかと思い、驚き、涙が溢れて止まらなくなった。
この登場人物たちの物語はもう読めないのかと思うと、喪失感でいっぱいになった。
これから革命がどう進むのかか…。
レーエンデが今後どうなっていくのか…。
続きがかなり気になってしまった。
とても、面白いシリーズが始まった。
続編も再読していきたい。
この作品は、私の宝物になった作品です!
大人も楽しめるファンタジー作品です。
ぜひ、おすすめの1冊です!
恐ろしきレーエンデ国物語
ちょっっっっとまって!!!!!!!
2回目読了後に気づいてしまった。
冒頭に現れて、ユリアの目の前でキスをするように弾けた泡虫、これきっとトリスタンだったのではだったのではと………!!!!
最後はキスをも叶わなかった2人、トリスタンはキスぐらいしておけば…と最期の最期に後悔をしていたけど、命果てててレーエンデの地に還ったトリスタンは時を超え、泡虫となってユリアの元に行けたんだなと、涙を流してしまった。
でもやっぱり、リリス達はあの後どうなってしまったのかとか、ユリアが国に帰った後どう過ごしていたのかとか、想像だけでは補えない箇所がありすぎて…どうか…どうか1巻では描かれなかったヘクトル、ユリア、ウル族のみんなのその後を書いて欲しい………と思ってしまった。終章に淡々と綴られた文字があまりにも心苦しすぎる。
レーエンデで命果てたものは、レーエンデに還るけど、シュライヴァで死んでしまったユリアやヘクトルは死んでも尚レーエンデの地に還れなかったのかな…。 うわ〜〜なかなかにしんどいぞこれは。
軽い気持ちで踏み込むべきではなかった。
恐ろしきレーエンデ国物語
Posted by ブクログ
ファンタジーの世界を堪能できて幸せ。実際には存在しない食べ物や動物、不思議な現象がたくさん出てきてイメージを膨らませながらわくわくして読むことができた。別世界の話ではあるけれど、覇権争いや領土拡大など現実にもあり得る話でもあって、歴史小説を読んでいる気分にもなった。二作目を読んでもユリアやトリスタンと会えないと思うと寂しい。ユリアがレーエンデに帰れたら良かったのにな、死後の世界の描写はなかった気がする?のでこの世界ではどうなるのかわからないけれど、ユリアとトリスタンがまた会えるように願う。ヘクトルはやっぱり銀呪病に罹ったんだろうか。トリスタンの「振り返るな。立ち止まるな。前だけを見て走り抜け。生きていれば奪還の機会は必ず来る」という言葉がユリアを奮い立たせたんじゃないだろうか、ユリアが亡くなったとしてもその志は受け継がれていくはずだから、いつかレーエンデを取り戻せますように。
Posted by ブクログ
ちょっとボリューム多めだから後回しになっていたけど早く読めばよかった。ほんとに読んでよかった。
この方のファンタジーは設定や背景が細かくて、わたしが知らないだけで世界のどこかにはこんな所があるんじゃないかと思わせてくれる。美しい森も食べたことない食事もすっと頭に入ってくるから不思議。
トリスタンとユリアの関係に悶々したり、途中涙が出たり、イラッとしたり感情が忙しく動く。
何かの拍子にトリスタンの病が治り二人は永遠に幸せに暮らしました。めでたしめでたしで終わって欲しかったけど最後の章を見るとそんな風にはいかないみたいで悲しい。
早速次を読もう。
Posted by ブクログ
革命の話をしよう
何物にも縛られることなく自由に生きること
自分が正しいと思う道を進むこと
悔いのない人生を生き抜き満足して死ぬこと
Posted by ブクログ
読むペースがわりと遅い方&久しぶりの長編小説なので、これ読み切れるのか…?とページ数を確認するたびに不安になっていましたが、終盤になるにつれがっつりのめり込むように読みふけっていました。
最初はつかみどころのなかったトリスタンにこんなに感情移入してしまうとは!
死線をくぐり抜けすぎてだいぶと引くレベルですが。
弓兵っていいよね。戦う男たちの信頼関係っていいよね。
花と雨のダブルミーニングに素敵だな……としんみりしていた後の終章でのその後のギュッとしたまとめにちょっと興ざめ、というかスッと冷静になってしまいました。そういうタイプの連作シリーズだと言われればそうなのですが。余韻にひたったまま読み終えたかった。
Posted by ブクログ
王道ファンタジーは久々。なんなら小説も久々。
精霊の守り人シリーズが好きで、昔はよく読んでいた。あの頃と比べて没入してまでは読めなくなったけど、ヒロインの真っ直ぐさ、若さ、終章に訪れる突然の別れ。こんなんでええんか…と思わずにはいられない。大河ドラマの冒頭のようで続きは気になる。
Posted by ブクログ
「神殺しの救世主」があまりにも微妙だったので、ドキドキしながら開いたレーエンデ。
想像していたよりもずっと楽しめた。
「神殺し〜」でハードルがかなり低くなってたせいもあるけど、ちゃんと一つの物語として成り立ってた。
とはいえ、世界観の作り込みが甘い部分があったり、会話が上滑りしてたり、思い込みで突っ走る登場人物に違和感を覚えたり、どっぷり浸って夢中になって読めるほどではなかったなー
一番引っかかったのは、ベクトルがトリスタンだけに頼りきりだったこと。
完全プライベートを装ってユリアを連れて旧友を通してトリスタンに案内役を依頼する。
最初の部分は分かる。
でも途中から交易路を作る公共事業を指揮いているわけだよね?
現地で人材を集めるのも分かる。
で、ベクトルの部下は?
一切描写なし。
騎士団の団長で英雄という設定であるならば、信頼できる部下の一人や二人絡ませるべきだったのでは?
納得できずモヤモヤ。
トリスタンとユリアが安易に触れ合わないところは良かった。
その上での最後の最後に出たトリスタンの気持ち。
ハッピーエンドではないけど、心がぎゅっとなる良いラストだった。
赤子のこととか、謎はまだまだ山積みなので今後が楽しみ。