あらすじ
南部藩を脱藩し、新選組隊士となった吉村貫一郎は鳥羽伏見の戦いで敗れ、切腹して果てた。その子、嘉一郎も脱藩者という父の汚名を雪ぐべく戊辰の役に参戦するが、南部藩は降伏。嘉一郎は、箱館へと走る。五稜郭に霧がたちこめる晩、若侍は参陣した――義士・吉村の一生と、命に替えても守りたかった子供たちの物語が、関係者の“語り”で紡ぎだされる。吉村の真摯な一生に関わった人々の人生が結実する壮大なクライマックス。第13回柴田錬三郎賞受賞の傑作長篇小説。
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Posted by ブクログ
下巻は、吉村や息子の嘉一郎と彼らに近しかった者たちを中心に話しが進んでいく。
武士として、男としてそれぞれ守るべき者を定めて命を燃やしていく姿は涙なしで読めなかった。
生き方を考えされる作品
Posted by ブクログ
壬生義士伝上下巻。下巻では吉村貫一郎の息子喜一郎の最期が印象的だが、それ以上に貫一郎と大野次郎右衛門の関係性に感動した。上巻では冷血漢に感じた次郎右衛門の貫一郎に対する絆が最後の手紙に凝縮されており、感無量でした。
Posted by ブクログ
電車の中で涙を堪えながら読み終えた。これ以上読んだら泣いてしまう、そんな瞬間が何度もあった。それほどまでに魂を揺さぶられる物語だった。
吉村貫一郎は、家族を飢えさせぬために脱藩し、命を削って生きた男だった。
本来なら生きて家族の元に帰ることが、彼にとっての“誠”だったはず。
それでも最後は、武士としての“義”に殉じて命を絶つ。
「武士道って、なんなんだろうね」
佐助の問いが、今も胸に刺さる。
嘉一郎、中島三郎助、南部藩の武士たち
短くも筋を通して生きた彼らの姿に、心の声と真っ直ぐ向き合うことの尊さを教えられた。
今の時代、自分さえ良ければいいという風潮があるけれど、そんな自分勝手を無理に肯定するかのような個人主義にどこか違和感を覚える人にこそ、この物語は刺さると思う。自分の心の声と真っ直ぐ向き合い、誰かのために命を使い切った男たちの生き様は、“つながり”の中でこそ人は本当の幸せを感じられるのだと、静かに、でも確かに教えてくれる。
Posted by ブクログ
森岡藩士、新選組隊士吉村寛一郎を題材にした小説の下巻。
壬生義士「伝」というタイトルからわかる通り、かつての仲間が吉村寛一郎について語ることで物語は進む。
身分の差を超えた友情、友の死を止めることができない立場・くやしさ、それでもできるだけ苦しみを減らしてあげたいと想う心。
現代では考えられない当時の常識・社会概念で人が死んでいた事実は考えさせられる。
現代も性差別や格差社会が人に不幸をもたらすことはあるにせよ、けじめで死ぬことを強要される世界ではなくなった時点で、世の中は少しは良い方向に進んではいるのではないだろうか。。
Posted by ブクログ
やるせ無さと切なさを感じて、泣く事は出来なかったけど読んでよかった。
はじめは吉村貫一郎と長男に惹かれたが、二人があまりの人格者、無双すぎて、むしろ大野次郎右衛門の方に惹かれた。吉村貫一郎とは違う、如何ともしがたい立場が悲しくて、切ない。。