【感想・ネタバレ】2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義のレビュー

あらすじ

戦争、疫病、貧困と分断、テクノロジーと資本の暴走――歴史はかつてなく不確実性を増している。「転換点」を迎えた世界をどうとらえるのか。縮みゆく日本で、私たちがなしうることは何か。人類最高の知性の目が見据える「2035年」の未来予想図。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

4名の著名な知識人へのインタビューと、それを踏まえた日本の知識人による論評という構成。日本の知識人の方々は、確り自身の意見を述べていて好感が持てた。


また4名のインタビューの中では、ミラノビッチ氏の話が面白かった。

曰く、エレファントカーブを見ると、程度の差こそあれ、あらゆる人々がグローバリゼーションを通じて所得が増加していることがわかる。また、グローバリゼーションに反発するのは、相対的に恩恵の少ない先進国の中産階級だけで、国内政策での対応が可能である。
そう考えると、保護貿易的な政策で中産階級を保護するより、再配分や成長産業への労働力移動を通じた、グローバリゼーションに抗わない政策の方が効果的ということなのだろう。

また、無道徳的な資本主義と道徳的な共同体は両立しない/経済成長しないと絶対的貧困は減らせないとも述べている。
つまり、無道徳的でも資本主義を通じて経済成長を続けるしか道はないということで、現実的な意見だと感じた。(因みに無道徳とは、”道徳・倫理について、内なる規範ではなく、法律などの外部規定に依存する”ことらしく、必ずしも悪いことではない)

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2023年03月28日

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