あらすじ
唯一の身内である母を突然亡くしたアキコは、長年勤めていた出版社を辞め、母親がやっていた食堂を改装し再オープンさせた。しまちゃんという、体育会系で気配りのできる女性が手伝っている。メニューは日替わりの〈サンドイッチとスープ、サラダ、フルーツ〉のみ。安心できる食材で手間ひまをかける。それがアキコのこだわりだ。そんな彼女の元に、ネコのたろがやって来た――。泣いたり笑ったり……アキコの愛おしい日々を描く傑作長編。
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Posted by ブクログ
しまちゃん、お客さんの服の色に合わせてお皿選ぶのがあまりにも可愛くてにやけちゃった。
アキコはいつも心にゆとりがあって凄い。
私なら心が乱れてしまうような事でも平気そうにしている。
たろちゃんの死が呆気なすぎて、少しの間頭が追いつかなかった。それがリアルだった。
Posted by ブクログ
友だちに薦められていて読んだ本。
編集者として働いていた主人公が
とあるきっかけで自分のお店をもつ話。
穏やかなバランスのとれた主人公。
シンプルだけれど素材にこだわったお店。
一緒に暮らすことになったまんまるな猫。
自分で雇った素朴で素敵な店員さん。
迷いながらもお店をつづけていく。
出自のいろいろとも向き合う。
愛してやまない飼い猫との別れ。
淡々とした日常を切り取ったような物語。
いつか猫を飼ってみたい私。
買う前から、ペットロスが怖くなってしまう。
いや。でも。
何かを失って悲しいのは
それ以上にたくさんの想い出が
共にあるからだよね。
なんて考えてしまった…本。
Posted by ブクログ
2024.12.26
アキコの何気ない日々の人生を丁寧に描いた作品だった。
ペットロスのシーンは、本当に経験した人にしかわからない感情の移り変わりをとても上手に表現されていて、自分も昔亡くしたペットを思い出してじーんときてしまった。
とにかく後悔するんだよね、そうそう。と共感した。
何か大きな事件も出来事もなく、淡々と毎日をしまちゃんとお店を営むことですぎていく毎日。
そこにちょこちょことアキコのルーツの話が挟まるので、飽きることなく気づいたら読み終えていた。
群ようこさんの作品はかもめ食堂に続いて2作目だが、こちらの方が断然わたしには刺さった。