【感想・ネタバレ】パンとスープとネコ日和のレビュー

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Posted by ブクログ

嬉しい!
作者さんの本、れんげ荘シリーズだけではなく、こちらもシリーズがあったとは。
こちらも自分と同じ年頃の主人公に、もう共感出来るところが沢山あって。
サンドイッチとスープのお店を始める事になり、彼女は新しい学びや出会いお別れをしながら日々自身の気持に向き合います。
そうだよね、そうなんだよねと、思いながら読み終えました。
読み終えてしまった、、、と思ってから気がついたシリーズである事。
続きをすぐに買いに行ってしまいました。

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2023年11月30日

Posted by ブクログ

8月に最新刊出たので、また読み直す。忘れかけた場面も思い出すとほろっと来る。人間不信の仕事場を辞めるのは本当に葛藤だと思うし、お母さんの欲望で家を買いお父さんが働かされて、体裁だけで生きるって、家を出るとか辛かったろう、実際れんげ荘の生活大変で、よく笑うしかない境地に出来たのかな、それも人間性だ。帰り道お母さんとすれ違う無視されたとか、薄い人間のお母さんだな、何度もこれで良いのか考えて吹っ切れて、その繰り返しで。それだけで尊敬する、8桁の預金なんか充分働いた証拠だよ、下北沢も素敵だ

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2023年11月03日

Posted by ブクログ

あー!わたしこの話好きだなあ!!!

ハッピーエンドじゃないかもしれない。だけど、これからも続いていく日常が、きっと小さな幸せに溢れているような予感を感じさせてくれる。

わたしもアキコまでとはいかないかもしれないけれど、どこか似た節がある分、あぁわかるわかる、なんか損してるのかなあとか考えちゃうよね、って共感できた。

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2023年03月31日

Posted by ブクログ

ドラマからこちらに。こんなに登場猫物が愛らしくて魅力的なのは三毛猫ホームズ以来。シリーズも読みたい。

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2023年02月02日

Posted by ブクログ

ドラマ化はまだ未視聴です。れんげ荘シリーズの様に好きなテイストのお話しに続編がある喜びを感じます。ネコ&脱サラは群ようこさん作品であるあるなのでしょうか?終盤の悲しい出来事は約2ヶ月前に愛犬を亡くした身にはこたえます…

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2023年06月10日

Posted by ブクログ

そういえば、群ようこさんの本を読んだのは初めてのような・・・。
ほっこり系、ナチュラル系(ありのまま系、気取らない系)の本を書かれたり、最近は老後のあれこれの本を多く出されてる印象がある。
で、今回は「パンとスープとネコ日和」シリーズの一冊目。
タイトルからして、ネコはちょこっと出演だと勝手に思い込んでいたけど、後半ではけっこうメインになり、涙なしには読めませんでした。
主人公のアキコさんは、聡明な人だなぁと思い、まっすぐで、冷静で、真の通った女性。私もあと10年でアキコさん世代になるのだけど、すごく感情的だし、よくしゃべるし、接客業には向かない人間なので、ロールモデル的には厳しいです。
それでも、年だから無理~とかいうのではなく、自分の信じた道を、思いを大切にしながら生きていくことは素晴らしいと思うし、たった一度の人生なんやから、これだ!と思ったら動ける自分でありたいなと思いました。
単発で読んでも楽しい。でも続きがあるなら間違いなく読むでしょー!そして、もっと群さんの本、他のものも読んでみよう。

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2022年05月05日

Posted by ブクログ

母を亡くし、やっていた居酒屋をおしゃれなカフェに替えて再開する。商店街の人たちとの交流や、飼い猫との日常、父との関係がより明らかになるなど、波瀾万丈までいかないが、日々起こる出来事がおもしろかった。
後半の猫の話は、猫飼いにとってはなかなか読むのがしんどかった。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

唯一の身内である母を亡くしたアキコが、
母の食堂を改装し、自分のお店を再オープンした。
スタッフのしまちゃん、ネコのたろちゃん、
料理学校時代の恩師、食べにきてくれるお客さん達との日常を淡々と描いている小説です。

淡々と描いていますが、
どのシーンも淡く温かい雰囲気が漂っています。
アキコは意識してないのかもしれないけれど、
日々のちょっとした出来事に、微笑んで丁寧な暮らしをしているのが感じ取れました。

最後まで温かい気持ちで読んでいられた本です。
自分の生活も丁寧に生きていきたいな。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

小林聡美さん出演作品をよく観ていたのでオススメに出てきて、最初は映像化されたものを観ました。
本でも読みたいなと思い書店で手に取り、出演者を頭に浮かべながら楽しく読めました。パンとスープの組み合わせが良いですね^ - ^観終わったらサンドイッチを作りたくなります。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

読んでいて心和んだ。そして、身体に優しい美味しいものを食べたいし、家族にも食べてもらいたいと思った。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

とても共感できることが多く、うんうん、そうだよね。と思いながら読んでいました。
アキコさんのようなお店をすることに憧れていた時期もあったことを思い出し、丁寧にコーヒーを入れてサンドイッチとスープを作りたくなりました。

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2024年01月13日

Posted by ブクログ

あなたは、イヌとネコのどちらが好きですか?

はい、これはよくある質問ですね。イヌ派とネコ派と呼ばれるくらいにどちらが好きかはハッキリ分かれると思います。2021年の統計では、イヌの飼育頭数が約710万頭に対して、ネコは894万頭と、なんとネコの方が多く飼育されているというのがこの国の現状のようです。この数には予想外という方もいらっしゃるかもしれませんが、基本、家の中からあまり出ることのないネコが実はたくさん愛でられている現実があることを改めて思い知らせてもくれます。

私はイヌもネコも飼育したことはありませんが、それらが嫌いというわけではありません。人から聞く飼育の様子、『抱っこして体を撫でてやると、素直に体をあずけて、「くおおお、くおおお」とうれしそうに小さな声で鳴く』といった人と動物との間に交わされる心の有り様に微笑ましい感情を抱きもします。愛し、愛されるという感情は生物の種の垣根を超えていくものである、そんな風にも思います。

さてここに、主人公が食堂を『開店した直後、店の横の隙間にうずくまっていた』というネコを『招きネコ』だと思う中に飼育を始めた主人公の日常を描いた物語があります。『素材の味のみで勝負』する主人公の料理への思いにハッとさせられるこの作品。全編に渡るネコの描写にネコ好きには至福の時間を味わえるこの作品。そしてそれは、『五十三歳のアキコの身内は、三歳のたろしかいない』という主人公の日常をほっこりと描く物語です。

『お父さんは、お坊さんだよ』、『あっちにはちゃんと奥さんがいたからね』と中学の『入学式の直後に』母親のカヨの説明に驚くのは主人公のアキコ。『そのときの母は三十三歳』にして『父は六十三歳。立派なじいさんではないか』とその年齢差を聞いてさらに驚きます。そんなカヨに『お父さんって、生きてるの?』と訊くアキコに『二年前に心臓発作で亡くなったんだって。お母さんも知らなかったんだよね』と母は涙を拭きます。『自分の名前をつけた「お食事処 カヨ」という食堂を経営』するカヨから、『いつ帰ったか知りたいから』と『店の入り口から出入り』するようアキコは指示を受けていますが、『昼も夜も入り浸』る『酒が入った常連のおじさんたち』に囲まれ『左手に煙草を持ったまま、母が酒を飲んではしゃぐ姿を見るの』が大嫌いでした。そんな母の姿は『アキコが大学生になっても』変わらないどころか、今度は『ボーイフレンドについても、ものすごくうるさくな』ります。『自分に男の子を会わせてから、デートに行け』と言う母と喧嘩するようになったアキコは、『母のいうなりにはならず、七時の門限も無視』するようになります。そして、出版社に就職したアキコは、『料理はね、何時間、何分っていう時間では測れないの』と語る『料理専門学校を経営している先生』と出会い料理本を担当します。『自分が試しに作ってみたのと、同じ材料を使っても、味に雲泥の差があるのにも驚』き、『本作りの面白さと同時に、料理の面白さにも惹かれてい』くアキコ。そんな『アキコが家で料理を作るのを、母は嫌が』ります。『味が濃すぎる』『母の食堂の料理は、家庭料理の延長ではないか』と思う『アキコの舌には』母の料理は次第に合わなくなっていきました。一方で、『あっという間に四十五歳になっていた』というある日、『会社で仕事をしていたアキコは』母が倒れたとの連絡を受け病院に駆けつけるもそのまま亡くなってしまいます。そんな母の遺品の整理を進める中で『お父さんよりアキコへ』という通帳を見つけたアキコは、『父から渡された通帳を、母が引き継いで残高を増やしてくれたのだろう』と『まじまじと眺め』ます。一方で、『食堂は閉めたまま』になっていることが気がかりでもあるアキコは先生に相談しました。それに『あなたがやればいいじゃないの』、『あなたはセンスがあるし、食べ物の大切さをわかってくれる人だと思うの』と語る先生の言葉に、『お世辞でいってくれたのだろうけれど、自分にはできそうにない』と思うアキコ。そんな半年後、人事異動で『なんと経理部に異動に』なってしまったアキコは、『再び編集部に戻れるチャンスは皆無』だと認識する中に退職を決意します。そして、『私は私のやりたい店をやるだけなのだ』と決意し、自分の店を開く準備をスタートします。そして、『すっきりとシンプルにというアキコの要望』通りに出来上がった食堂で働くアキコと、二階で飼う『グレーのキジトラ柄のネコ』『たろ』との日常が穏やかに描かれていきます。

“唯一の身内である母を突然亡くしたアキコは、長年勤めていた出版社を辞め、母親がやっていた食堂を改装し再オープンさせた…安心できる食材で手間ひまをかける。それがアキコのこだわりだ。そんな彼女の元に、ネコのたろがやって来た ー 。泣いたり笑ったり…アキコの愛おしい日々を描く傑作長編”という内容紹介が、如何にもほっこりとした物語を予想させるこの作品。そんな内容紹介通りの穏やかな物語が展開していきます。

作者の群ようこさんと言えば映画化もされた代表作「かもめ食堂」が有名です。「かもめ食堂」は、フィンランドを舞台とした物語なのに対して、この作品の舞台は『狭い店舗が建ち並ぶ商店街』というだけで場所こそはっきりしませんが、間違いなく国内の下町っぽい場所です。とは言え、それまで会社員だった一人の女性がゼロから食堂を開いていくという展開が共通することもあって、どことなく「かもめ食堂」の雰囲気感に近いものも感じます。一方でこの作品ならではの色合いを出す存在があります。それこそが「パンとスープとネコ日和」という書名にも登場し、表紙にもその四分の一ほどの大きさをもって描かれているネコです。『グレーのキジトラ柄のネコ』は名前が『たろ』であることが冒頭に紹介されるなど間違いなくこの作品の準主役といって良いほどの存在感をもって登場します。このレビューを読んでくださっている方の中にもネコが好きという方は多々いらっしゃると思います。小説家さんの中にもネコがお好きな方は多々いらっしゃいます。そして、ネコを最前面に出された小説群もあります。すぐに思い浮かぶのは有川ひろさん「旅猫レポート」でしょうか?ネコ視点の描写も登場し、ネコ自身も活躍を見せる同作に対して、この群さんの作品は、ネコの可愛さに”でれでれ”な主人公が描かれるという違いがあります。ネコ好きな方には、そんなネコの描写を読むだけで幸せになれるのではないか?それくらいネコを愛でる表現に満ち溢れています。二つほどご紹介しておきましょう。まずは、アキコがこれから出かけようという場面です。

・『忙しい朝、たろはアキコに甘えたい気持ちをぐっと抑えているように見える』という『たろ』が『ぶつぶつと文句をいいながら、室内をぐるぐると回っている』様を見るアキコ
→ 『抱っこして体を撫でてやると、素直に体をあずけて、「くおおお、くおおお」とうれしそうに小さな声で鳴く。しばらくすると自分から、たっと床に飛び降り、アキコの顔を見上げて、「にゃあ」と鳴く』
→ 『アキコにはそれが、たろが、「もういいから、いってらっしゃい」といっているように思える。たろも我慢してくれているのだ』
→ 『そんなたろがとてもいじらしくなって、アキコは、部屋に戻ると、「たろちゃーん」といいながら、頰ずりをする』

仕事もあれば学校もあるという私たちの日常においては、愛でる存在であるネコと離れ離れになることは避けられません。そんなネコとの感情の交流を見る一コマです。どうでしょう。ネコ好きなあなたにはたまらない描写ではないでしょうか?次は、『掃除機をかける』という場面です。

・『掃除機の音が大嫌いなたろは、掃除機を出したとたんに、ぴゅーっとすっとんでいき、室内でいちばん安心できる、クローゼットの奥の奥に避難した』
→ 『「ちょっと我慢しててね」と声をかけた』アキコに、『「にい~」たろは情けない小さな声で返事をして、横を向』きます
→ 『掃除機をかけ終わると雑巾で床を拭いた。音がしなくなったので、たろが出てきて』、『「わああ、わああ」と何やら訴えはじめ』ます。『お掃除をしてるからね。これが終わったら遊ぼうね』と言う『アキコの手元をじーっと見』る『たろ』は、『ぱっと雑巾にとびつ』きます。
→ 『こら、邪魔しないの』とアキコが言うも『尻尾をぱたぱた振って』『雑巾を両手でしっかりと押さえ』ています。それに『しょうがないわねえ』と『先に毛皮のついたネコじゃらしを出して』、『たろをじゃれさせながら、拭き掃除をするはめになった』アキコ

アキコと『たろ』のなんとも微笑ましい場面です。掃除をしたいアキコと遊んで欲しい『たろ』。そんな『たろ』を叱らないで『たろ』との時間も大切にするアキコの幸せそうな顔が目に浮かびます。とは言え、私はネコを飼ったことがないのでその本当の喜びは残念ながらわかりません。恐らくこれは読み味にも響いてくるのだとも思います。そういう意味でも”ネコ好き!”な方には是非ともお勧めしたい作品だと改めて思います。そして、ネタバレになるので書くことは控えますが物語後半に向かってアキコが『たろ』のことを深く思う展開が繰り広げられていきます。この辺りネコ好きな方には深く感情移入ができる物語だと思います。一方で”ネコ嫌い!”の方にはページを捲ることさえ嫌になるのではないか、それくらいにネコの描写に満ち溢れた作品だという言い方でもお伝えしておきたいと思います。

さて、そんなこの作品のもう一つの読みどころが、主人公アキコが営みを始めた食堂です。母が経営していた酒と煙草の匂いに満ち溢れた『お食事処 カヨ』。そんな店にアキコはこんな思いを抱いています。

『私は、母のあの茶の間のような店を受け継ぎたくはなかったんです』

そして、『すっきりとシンプルに』という方針のもとに店を作っていくアキコは、『食器も乳白色や淡いベージュに揃えて、生花以外の無駄な飾りは一切なし』と店のイメージを作り上げいきます。そんなお店のメニューをアキコは以下のように決めます。

『お食事 千円(税込み) ◎サンドイッチ、スープ、サラダ、小さなフルーツ(パンは全粒粉か天然酵母。二種類から選べます)』

アキコは、店の準備が進むにつれてこんな思いも抱いていきます。

『人が口にするものを作るのは、大変な責任がある。それを考えると、自分などがそのような仕事に手を出していいのかという、怖れもわいてきた』。

この作品では店を開店させるまでの日々にも十分なページ数を割いた物語展開がなされていきます。私はお店を持ったことはありませんが、そんな私にもお店を持つ、食べ物を提供する店を持つということの意味合いがひしひしと伝わってきます。書名前半の『パンとスープ』という部分に深い読み味を感じさせてくれるこの作品。この辺りはネコにはあまり興味がないという方にも十分楽しめる物語になっていると思います。

そんな物語は、母親が死んでしまったことで、この世に一人ぼっちになってしまった五十代を生きるアキコという一人の女性が人生を諦観する物語としての魅力も秘めています。

『アキコは父の顔を知らない』。

という中に母親に育てられてきたアキコ。ある日突然に、『お父さんは、お坊さんだよ』と母親に言われたものの、唯一の写真も『引っ越しのときにゴミにまぎれれ捨てちゃったようだ』いう説明に納得できるようなできないようなモヤモヤとした思いを抱いていくアキコは、物語後半になってそんな父親への興味も抱いていきます。上記した『たろ』への深い思いが描かれていく物語後半には、この父親への想いを描く部分、そしてもう一つ物語の根幹に触れていく部分がしっとりと描かれてもいきます。それこそがアキコのこんな想いに集約されるものです。

『いったい自分はどういう店を作りたかったのだろうか』。

母親への反発もあって『茶の間のような店』の対極にあるような店作りを心がけてきたアキコ。しかし、店の客層の偏りに気づくようになったアキコ。

『あんなに毎日がただ同じことの繰り返しと呆れていた母の店のほうが、自分の店よりも客層が豊かなのだった』。

そんな現状に動揺もするアキコ。そんなアキコにさまざまな迷いも生じます。しかし、

『いちばん大事なのは、自分がぶれないこと』。

そんな言葉を改めて噛み締める中にアキコは、迷いを振り切ってもいきます。とは言え、物語が深刻になりすぎることはなく、あくまでも「パンとスープとネコ日和」という書名のほっこり感が失われることはありません。そして、そんな物語の結末には、その先へと当たり前のように続いていく日常を思わせながら穏やかに結ばれる物語の姿がありました。

『お腹がふくれて目が半開きになった、たろを抱っこして、ぼんやりするのが、アキコの至福の時間なのである』。

『アキコは父の顔を知らない』という先に、『たった一人の身内だった母』も亡くし、『三歳のたろ』と暮らしつつ、『すっきりとシンプル』にこだわる食堂を切り盛りしていく主人公・アキコの日常が描かれたこの作品。そこには、「パンとスープとネコ日和」という書名そのもののほっこりとした世界観に包まれた物語が描かれていました。『素材の味で十分』と繰り返し語られる物語の中に、料理に対する見方が変わるのを感じるこの作品。そんな料理を提供する食堂にもう一人の店員として働く しまちゃんの存在にも魅せられるこの作品。

日常を丁寧に描写していく群さんの一貫した筆致に、どこまでもほっこりとした気持ちにさせてくれる、そんな作品でした。

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2023年12月18日

Posted by ブクログ

しまちゃんのキャラがいい。
客に真摯に向き合い、丁寧な接客をしている姿がありありと思い描ける。
彼女を描写した一文
P35〜

「生活出来ればいい。できなくなったら都心から離れればいい」
面接に来てそう語る彼女。

上昇志向がなく、一緒にいても心にちくちくと刺さる言葉や態度もない。

これって実社会でも共通していることやな。
変にやる気がありまくりで何事にも全力120パーセントバリバリ完全燃焼!!
のような方だと隣のこちらが疲れてしまうし、かといってやる気のないのも論外。
淡々と自分の身の丈を理解して生きている、そんなしまちゃんがいいなと思った。

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2023年10月21日

Posted by ブクログ

この本を読むとネコが飼えなくなると不吉な言葉を添えて貸してもらった本です。でも私は「やっぱりネコは可愛いよな〜」という方に読み取りました。

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2023年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛人の子であるアキコは、母を反面教師にし、きちんと勉強し、大学を出て、好きな仕事をし、キャリアを重ねているうち母が亡くなり、結婚には恵まれなかったが、脱サラしてパンとスープのお店を立ち上げて、軌道に乗っていた矢先ネコを亡くし、自分が独りであることに嘆く話。
結構山あり谷ありの人生なのに、基本淡々としているのがいい。日常を感じられて、読んでいて安心できた。(たろがしんじゃったところは泣いた)

いつも必死で肩が上がっているように見えないように、お店では落ち着くように心がける、というのを読んで、確かに思い浮かぶ人がいた。必死な人の周りには緊張や不安や焦りを与えてしまう。私も仕事や家庭で心がけたい。

結婚もせず、母にもネコにも先立たれ、実は兄弟かもしれない人たちにも何も言い出せず、天涯孤独になってしまった。
でもアキコは後悔はしていないように思う。
結婚は縁に恵まれなかったからだし、もしあそこで妥協して結婚していたらそれこそ後悔していただろうなと思う。1人が不安で妥協して結婚する人も多いから、アキコは強いし賢いなと思う。
仕事も、会社員として働いていたからこそお店の仕事につながっていて、その時したいことを実現させているから、不安はあれど満足できていると思う。
一見寂しいようでいて、その時その時で自分にとって正しい選択が出来ている。
物語終盤、寂しいという気持ちが強いけど何かを得るには何かを捨てる必要があるということなんだなと思った。

あと、母の店の常連客のおじさんたちや噂好きな母の元同僚のタナカさんや向かいの喫茶店のママや無農薬かを気にするママを始めお店のお客さんなど、本当に色々なことを言ってくる人がいたけど、アキコは来るもの拒まず去るもの追わずで、何を言われても一旦は聞き、それから学び、色々なことを感じているところがすごいと思った。
私なら反発したり、拒絶したりするだろう。
見習いたい。

たろがしんじゃったのは本当に辛かった。それまでのたろの描写が本当に素敵で、たろの可愛さが充分伝わってきていただけに、たろの死後落ち込むアキコの様子を読むのが辛かった。
ネコも飼ってないし子供もいないけど、いたらこんなふうに悲しいんだな…と知れた。

異母兄弟のことが解決しないまま終わってしまったから、少しもやもやしたけど、学びの多い良い小説だった。

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2023年09月12日

Posted by ブクログ

自分にとっての幸せを見つめ直せる本です

仕事の仕方、家族のありかた、猫と好きな食べ物と過ごす毎日。浮き沈みがありながらも日々奮闘する主人公を描いています。シリーズなので続編も読みたいです。

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2023年05月23日

Posted by ブクログ

ー自分のしあわせを見つめて。

〈あらすじ〉
編集者として働いていたアキコは、会社を辞め、亡き母がやっていた食堂を改装し、体にやさしいサンドイッチとスープのお店をはじめることとした。彼女のところには、ネコのたろがやってきて、小さなことを毎日大切にしたくなる日々が始まった。

〈感想〉
ネコのたろちゃんがすごく愛おしくて、かわいいです。アキコさんが大切にしているものたちは、たくさんではないけれど、どれもアキコさんにとってかけがえのないものだということが伝わってきます。じんわり、じっくり、毎日感じる小さな幸せを大切にしていくってなんだかいいなあ。
そう思える本です。

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2023年05月23日

Posted by ブクログ

みんな、それぞれの幸せは違って、別にぶつかり合って理解しなくてもよくて、一人一人で幸せになればいいんだな。

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2023年05月11日

Posted by ブクログ

猫のたろと食堂を手伝っているしまちゃんが魅力的な本でした。
たろの甘えっぷりがとても可愛く、自分でも猫を飼いたいと思うくらいすっかり虜になってしまった。その反動も大きかったけど。
起きたことだけ羅列すれば結構波乱が起きている感じがするけど、読んでる感触はゆったりした時間が流れている感じ。アキコの続きが読みたくなる本です。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

すごくあたたかい気持ちになります、なんてったってたろちゃんの可愛さと、たろちゃんを愛でるアキコさんの様子が、頭の中に鮮明に浮かんでくる!そしてこの本でも、(最後の方はずっと涙だったけど)またある一文にすごく涙が溢れてきました。テンポ感だけ少し気になったけど、自分も こんな人生もありなのかなぁ、と思える、素敵な本でした。

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2023年04月03日

Posted by ブクログ

主人公の女性のほんわかした雰囲気が
とてもよくて、お家の中のネコとの様子を
想像しながら読むと、勝手に癒された。

もしわたしが、彼女の母のような親に
育てられたら、もっとひねくれて育っただろう。

周りの人たちに流されず、自分の気持ちや
こだわりを大切にすることや、がんばり
すぎなくてもいいんだということを
思える作品だった。


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2023年02月24日

Posted by ブクログ

ゆったりとした日常の中に、誰もが経験したことがあるような問題や悩みにうんうんと頷きながら読んだ。人の数だけ生き方や価値観がある。日々の中で、嫌だなあと思うことに出会うかもしれないけど、惑わされずに自分の気持ちを大切にしているアキコさんの性格にとても憧れた。

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2023年02月13日

Posted by ブクログ

こういったジャンルの本はあまり入りこんで読むことができないものが多い中、パンとスープとネコ日和はこの日常に入り込んで読むことができた。
凄く気持ちが穏やかになれた本。また群ようこさんの違う作品も読んでみたい。

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2022年12月10日

Posted by ブクログ



アキコさんとしまちゃんが2人で切り盛りするパンとスープのお店。
とっても美味しそうだけど、スープやパンの美味しい描写がもっと欲しかったな。
でも、そもそもが、それはこの物語では重要視していないのかな。

たくさんたくさん悩むアキコさん。
誠実で聡明なアキコさんを全力で応援したい。

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

永年勤めた出版社からは自分の存在を否定されるような待遇を受ける。もしこんな扱いを受けずアキコが出版社を辞めなければお店を開くことは無かったのかな。

スタッフも恵まれたいい人だったし、順風満帆じゃないかと思っていたけど、お母さんの頃の食堂に通ってくれていたお客さんがいろいろとケチをつけてくる。

もそれにもめげずにというかアキコさんはそんなものには目もくれずというか自分のやりたいカフェをマイペースにやっていく。

ショックから立ち直って再スタートしたアキコには労いの言葉をかけてあげてほしいなと思った。

スタッフのしまちゃんの励ましもとても心がこもっていて時にはアキコさんの心の声を代弁してくれるような子でアキコさんは良いスタッフを見つけたなと思った。

何気ない日常が流れ、良いことも悪いことも起きる。アキコはそれに身を任せ日々を過ごす。

良い本だったな。こういう人の日常を覗けるような一緒に過ごしているようなそんな本が好きだなあ。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ

ゆったりとした、日常の話
たくさん悩んで、気持ちを行ったり来たりさせながら、少しずつ少しずつ歩んでいく
嬉しいことも悲しいことも、日常の中に溶け込んでいく、そんな小説だった

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2023年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半は主人公の心の動き方や、働き方を変え、お店を始めるために動き始める描写が面白く、飼い猫の可愛さがつぶさに表現されていてとても良かった。
自分もこれまでに猫を飼ってきているので、想像がしやすく笑みがこぼれる感じ。

しかし、物語後半では、飼い猫が予兆なく突然亡くなってしまい…
ペットロスの心情がしっかり描かれ、それがリアルで自分の体験も思い出し辛かった…
物語の最後には飼い猫とよく似た猫がいたことを店の従業員から聞かされ、会いに行きたい、と。

辛さが先立って、どうも納得がいかず。
このお話の中での、飼い猫の死の意味はなんだったのか、死ぬ必要なんてなかったのではないか…と考えてしまう。
まったりと進んできた物語の中で、
まるで子供のように思ってきた、可愛く愛した存在が突如失われた、というのがショッキングすぎてモヤモヤが残ってしまった。

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2023年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

定期的にやってくる群さんの本が読みたい病。そんなわけで、積読になってた本作品を手を取りました。
やっぱり読みやすい。そして女性の視点がすごく伝わるんよなぁ。慎み深く、周囲を意識して内省する姿。美しい。
声の大きい人が強い世界(現実)から少し離れて、群さんの書く世界観に浸っていたい。
ネタバレになるのですが、後半ネコちゃんの死の話で辛くて読み進められなくなりそうやったんですが、最後まで読んでよかったと思えるラストでした。

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2023年05月23日

Posted by ブクログ

世の中にはいろんな人がいて、いろんな考えがあって、いろんな暮らし方があるけど、だれかと一緒に笑ったり泣いたり、くだらないことを話せる人(動物も含む)がいるということが何よりの幸せということ。

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2023年04月22日

Posted by ブクログ

日常の、誰にでも起こりうるような、でも非現実的でもあるお話。
「あぁこんなお店が近くにあったら」いや「もしかしたら気づいていないだけでこんなお店があるのかも」と、色々考えさせられた。
身近に居なくとも、外に出てみると「あぁこういう人いる」という共感できる人物ばかりで、まるでこのお話の世界に自分がいるかのように喜怒哀楽があった。単調すぎない日々が現実的でもあり、非現実的でもあるからこそ、より心温まる物語だったのではなかろうか。

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2023年01月05日

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