あらすじ
ナルニア全盛期の話。カロールメン国の少年シャスタは、奴隷として売られそうになり、愛馬ブレーとともにナルニアめざして逃げだします。途中、貴族の娘とその馬と道連れになりますが、旅には思わぬ展開が……。
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Posted by ブクログ
再読。
『ナルニア国物語』第5巻。第4巻からは数百年前に遡り、第1巻『ライオンと魔女』と同時代におけるひとつのエピソードを描く。第4巻において、古くから歌い継がれてきた歌として「馬と少年」の名は現れていたが、今巻はその内容(少年と少女と、2頭のものいう馬による新天地への旅路)が語られる。
次巻でナルニア国の始まりが、次々巻の最終巻ではナルニア国の消失が描かれ、物語が終局へ向かっていくからか、この巻は明るく伸び伸びとした冒険物語といった印象。
Posted by ブクログ
ナルニア国ものがたりの中で唯一、異世界の子どもたちが直接登場しないおはなし。時系列で並べるとちょうど1巻と2巻の間にあたり、1巻で異世界からやってきた子どもたちがナルニアで王と女王になっている時代にあたります。(したがって、子どもたちが異世界からやってくる描写はありませんが、異世界からやってきた子どもたち自体は登場します)
この巻あたりから作者の好みが出てくるのか、「おしゃべり好きでパーティや服やぜいたくなことにしか興味のない女の子」をばかにするような描写が数々でてきます。その良し悪しはともかく、自分の好みを押し付けるような描写がちょっぴり気になりました。
お話しとしては典型的な貴種流離譚(王家や貴族のこどもが何らかの理由で遠方で育てられ、ふとしたきっかけで自分がその血筋であることをしる)です。ちょっと都合がよすぎやしないか、という展開もあり、4巻の壮大な冒険に比べると、個人的にはすこし見劣りするかな、というところでした。