あらすじ
地方の屋敷に疎開したペベンシー家の4人兄弟が、ある日、大きな衣装だんすにはいると、雪のつもる別世界ナルニアへとつづいていました。子どもたちは、正義のライオンとともに、白い魔女の軍と戦い、永遠の冬を打ち破ります。
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Posted by ブクログ
大昔に映画を観た記憶はあった。4人の子どもたちが衣装ダンスから転げでてきて、おじいちゃんにナルニアの話をしようとすると、「続きを詳しく聞かせてくれ」みたいな感じのこと言われるシーンが印象的だった。子どもの幻想的な話を誠実に取り合ってくれる大人が素敵に思えていた。
作者は自分のために子どものための話を書いている節があるっぽいことが解説に書いてあり、実際読んでみると確かに大人でも確かに楽しめるよねと思った。読みやすかった。
アイルランドの自然はこんなに緑うるわしく生命が豊かなところなのかと絶句するほど情景描写の筆致が瑞々しかった。いつか行ってみたい。
簡単な言葉で書かれているが、子どもたちの心情変化や彼らの目を通して見るものがわかりやすく描かれていて、忘れていた心の動きや言い回しが思い出された。翻訳本だから原文によるのかもしれないが、こういう表現方法あるんだな〜という勉強にもなった。
また、男子が成長したり活躍したりすると、尊敬すべき人から騎士の称号を与えられるくだりがいかにもイギリスっぽくて喜んでしまった。
裏切り者エドマンドがいろいろあって誰より真面目で会議と裁判に秀でた正義王と称されるまでになるのアツかったです。児童書だし子どもの成長話だからそのへんは教訓めいているが、人には本来善の心があり、悪さをしても改心して人の役に立てるはずみたいな道徳心を呼び起こされる感覚が懐かしかったです。
大人が読んでもずっと楽しかった。続きも読みます。
解説を読むと、作者は神学者?としての名声も高く、今回の『ライオンと魔女』ではキリスト者として福音書にあるキリストの救いのことを書いたらしいが、自分がキリスト教に詳しくないのでさっぱりわからなかった。しかし、説教臭くなくとにかく楽しく描かれているので、キリスト教がわからなくても別に構わないんだろうなと思った。多分読むうちに作者が伝えたかったことは漠然と入ってきてるのだと思う。入ってきてないかもしれないがそれでもいいのだと思う。
作者の作品には『悪魔の手紙』という、「人間の心のすみずみを信仰の立場からくっきりと照らし出した」、悪魔が人間を悪に誘い込む手口を教える手紙形式の本があるらしい。他にも『沈黙の惑星より』火星への旅の空想科学小説、『ペレランドラ』金星を扱ったSFを書いてるらしい。これらは「神学者の態度を持って、空間というものを天界の神の調和に結びつけた独特な空想小説」らしい。よくわからないが気になるので読みたい。その他にはホーソンデン賞『愛とアレゴリー』も気になる。
Posted by ブクログ
時は戦争中のイギリス。疎開先のお屋敷の置くの洋服ダンスの中を抜けると、一面雪に覆われた別世界。もうこのつかみだけでわくわくします。
後に「ナルニア」物語の柱となっていくピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの4人兄弟は、魔女によって永遠に続く冬(ただし、クリスマスは決して来ない)に変えられたナルニアを救うために戦います。
気の小さいフォーンのタムナスさんや、お人よしのビーバー夫婦、意地悪な小人たち。キャラクターがみんな生き生きしていて、まるで主人公たちと一緒に旅をしているような心もlちで楽しめる。極めつけはナルニアの創造主アスラン。どこまでも深く優しくそして気高いまなざしを感じるかのライオンの正体は、最終巻の巻末でわかります。
また、この巻で主人公となるペペンシー兄弟がとてもいいキャラクター。巻ごとにさまざまな主役が登場するナルニアですが、この4人兄弟が1番自然に書かれていて、個人的に一番大好き。特に末っ子ルーシーはかわいすぎです。
Posted by ブクログ
中盤からどんどん急展開に。
ラストはまさに夢から覚めたような、あれっ!という感じ。まさにファンタジー、しかしそれだけ私がナルニアに浸っていて、それだけの力が作品にあったってことかな。
何の変哲もない衣装ダンスの奥に、世界が広がっているというのはとても夢がある。エドマンドが活躍してくれて嬉しかったー!
子供向けだからそりゃそうだ!だけど、平仮名が多くてちょーっと読みにくかったので星4!
Posted by ブクログ
ナルニア国物語1
30年ほど前に読んだのだけれど、
すっかり忘れている。
アスランという名前ぐらいか、憶えていたのは。
言葉が素敵。
女の子がごっこ遊びをする時のような、言い回しとか。
Posted by ブクログ
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地方の古い屋敷にやってきた4人きょうだいが、ある日大きな衣装ダンスに入ると、雪の降り積もる別世界へとつづいていました。このナルニア国で、子どもたちのは正義のライオンとともに、悪い魔女の軍と戦います。
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宗教観が嫌味なく入っていて、最近の異世界モノとかのベースにもなっている気がします。たとえば、きょうだいの3番目の子が、魔女側へ裏切ってしまう。その責任をとって正義のライオンは、殺されてしまう。そして復活、、、というような、キリストを思わせる描写がたくさんあります。
いい本でした。
Posted by ブクログ
再読。
『ナルニア国物語』シリーズ第1巻。人間界の少年少女がファンタジー的世界に迷い込み、そこで大きな役割が与えられるという筋は、昨今の異世界転移ものの走りと言えるかもしれない。
勧善懲悪がはっきりし過ぎているところに物足りなさもあるものの、語りや描写の巧みさで面白く読み進められる。また、瀬田貞二の訳文がやはり美しい。
Posted by ブクログ
アスラン=キリスト
大帝=神
白い魔女=罪・悪
古い魔法=律法
もっと古い魔法=真理・愛
エドマンドの裏切りが罪だということ。その罪は、もともと彼の中にあり、魔女が唆して実現させた。古い魔法により彼は死なねばならないが、もっと古い魔法により救われ、変わる。
老学者のキャラクターがいい。あり得そうにないことでも、論理的に考えてそれしか考えられないなら、それが正しい。ナルニアを知っている人は見れば分かる。「最近の学校では何を教えてるんだ」が口癖。
ターキッシュ・デライトをプリンに置き換えたり、巨人の名前が「ごろごろ八郎太」だったりする訳はちょっと違和感が。最後の兄弟姉妹の貴族のような口調の会話は滑稽でよかった。