あらすじ
研究助手、スプーン曲げの青年、大生部の長男、そしてテレビ局のスタッフ6名を引き連れて、大生部はアフリカへと旅立つ。目指すはスワヒリ語で「13」を表わすケニアとウガンダの国境近くの町クミナタトゥ。そこで大魔術師バキリの面会に成功するが、最大のタブーを犯してしまう。バキリの呪具(キジーツ)である少女を攫ったのだ。バキリの手下たちに追われ、危機一髪、ケニアを後にするのだ。
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Posted by ブクログ
テレビの企画で大生部一行はケニアへ。
そこは呪術が生活の一部として存在する社会。
住民全員が呪術師の村クミナタトゥで一行は強力な呪術師バキリと遭遇する。
現代ホラー小説を知るための100冊の一つだがホラーのジャンルに収まらないジャンルミックス的なエンタメ大作。しかしかつて村に住んでいたスコット神父の日記の箇所は紛うことなくホラー。登場人物たちのやり取りの多くがユーモラスなだけにこのシーンの怖さが際立つ。
タイトルの意味を忘れていたがこの巻に記述がある。聖書からの引用。イエスが人に取り憑いた悪霊に出ていけと命じ、悪霊たちは人から豚へと移動したあと崖から海へ飛び込んで死んだ。その出来事があった土地がガダラだった。
Posted by ブクログ
ここから、話がどんどん展開していき
出てくるキャラクターも一人一人個性的で面白く、
ハラハラドキドキな要素もあり、
どんどん引き込まれて一気読みしました。
中島らもさんの独特の言い回しも本当にセンスが良くて笑ってしまうほどでした。
わたしはⅡが一番好きかもです。
Posted by ブクログ
おもしろい!!
すぐ3にとりかかる!!
前半なんて舞台がアフリカに移って
アフリカとは何ぞやという話をしてるだけなのに
わくわくが止まらないのとテンポの良さ
テレビを見ているように映像が脳内にポンポン入ってくる。
最後はバタバタと物語が動くし死人も出てくる。
新興宗教から呪術最後はどうなる!!
Posted by ブクログ
まさかの急展開で、3巻をすぐに読みたくなりました。
シオリが生きていたとは想像していなかった。
マジックにトリックがあるように、呪術にも裏が
あるということ。
呪われたという人間の思い込みで衰弱することも
なきにしもあらず。
病は気からという言葉もあるので気の持ちようって
大事というか、生命すら左右してしまうのかと。
Posted by ブクログ
シリーズ第2作となる本作では、舞台を日本からアフリカ・ケニアへと移し、呪術師取材の旅が描かれます。前半はほとんど観光紀行のような趣で、食事、治安、宗教観、経済格差など、日本とはまったく異なる価値観や生活様式が、コミカルな登場人物たちを通して丁寧に語られていきます。その情報量は圧倒的で、読みながら自然と「異文化を理解していく楽しさ」に引き込まれていきました。
後半から物語は本格的に動き出し、呪術師への取材が核心に迫っていきます。特に印象的なのは、呪術が人々の生活に深く根付いている点です。
日本的な感覚では呪術は禍々しいものに映りますが、ケニアでは攻撃だけでなく、魔除けや治療、さらには犯罪への抑止・処罰といった役割も担っています。抽象的でありながら、医療と警察の両面を内包した社会システムとして機能しており、直接的な報復ではなく、呪術師を介した調停によって流血を避ける構造が成立している。この社会の在り方は非常に興味深かったです。
もしかしたら平安時代もこんな感じだったのかもしれませんね。
そんな呪術社会の歪みを最大限に利用するのが、本作の悪役・バキリです。
面白かったエピソードとして、バキリに対して挑戦してきた青年の飼牛が無残に死ぬと呪いを掛け、その通りとなりました。実際は呪殺ではなく、嵐の夜にヘリで牛を吊り上げて殺すという身も蓋も無いオチでしたが、しかし、採算度外視で突飛な凶行であるがゆえに、誰もその可能性に思い至らず、「得体の知れない力による奇跡」が肯定されてしまう。
文明の利器と信仰によって育まれた“魂の力”を同時に操り、理屈では太刀打ちできない恐怖を生み出すバキリの存在は、純粋に恐ろしく、そして非常に面白い悪役でした。
バキリから見れば、人間は湖へ追い立てられる豚の群れであり、落ちるその瞬間まで自分の運命に気づかない存在なのでしょう。一方で、他者から見た彼は、湖に沈んだ悪霊の群れのような存在——人を死へ引きずり込む悪意の総体として映る。
タイトルである「ガダラの豚」は聖書由来の言葉ですが、本作では、水面は「この世とあの世の境」という形で例えられています。その為、「"死"と生者」、すなわち「バキリとそれ以外の人間たち」の関係を示しているように感じられました。
奇跡とエンターテインメントを、圧倒的な知識量で融合させた本作は、舞台をケニアに移すことで、宗教と人生が密接に結びついた新たな宗教観を描き切っています。ケニアという土地に呼応するかのように活力を増していく清川や道満、そしてアルコール中毒に苦しむ大宇部といった人物描写も見応えがあり、シリーズとしての厚みを確実に増しています。
第1作を楽しめた読者なら、スケールもテーマも大きく広がった本作を、間違いなく堪能できる一冊だと思います。