あらすじ
『臨死!! 江古田ちゃん』『モトカレマニア』の瀧波ユカリが描く、令和のコミュニケーション&フェミニズム漫画!
鍵をかけたSNS=鍵垢でしか本音を吐露できない主人公・みなみ。セクハラ美容師のところへ、女友達・由仁と“フェミおじさん”こと月寒さんを連れて乗り込んだ! が、そこに意外な人物が現れて……。
「自分らしく生きたい女ほどクズに引っかかる法則」
「背負いすぎの民」
「ラブホテル割り勘問題」
などなどトピックス盛りだくさんの第2巻。
瀧波ユカリが本領発揮!
今の「あるある」と「こうなったらいいな…」が詰まった物語です!
「無痛恋愛」とは、男女間の不均衡により生じる痛みがない恋愛のこと。
厄介な男に振り回されても鍵垢で呟くだけで何も言い返せなかったみなみは、友人の由仁や、「フェミおじさん」こと月寒さんとの出会いがきっかけとなり、恋愛への向き合い方や自分を大切にする方法を学んでいく。
女性であること、男性であることは、自分で決めることのできない事がらだからこそ、人はいつしかその性別に順応して生きている。しかし、それは男性と女性の溝を深めることには繋がらない。それを「フェミおじさん」の存在が証明してくれた。男性だからこそ思ったことを言えるのだという側面はありつつも、男性がフェミニストを名乗ってくれるという事実は、何よりも明るいものに思える。
しかし、だからといって「男性でも女性でもダメな人がダメなのであって、性別のせいではない」という結論に至るのもまた性急である。実は私も、以前まで性別でくくること、くくられることが苦手故にこの論調に賛成していたのだが、本作を読んで考え方が変わった。
本作では、「この性別だったからこそ経験せざるを得なかったこと」に、男女共に気づかせてくれる。男性ならば、無理矢理下駄を履かされて「男なら当たり前だ」とすべてを任されること。女性ならば、「男を立てろ」と、時には人格までも無視させられること。よくよく考えてみればおかしなことなのに、考えることが多すぎる日常の中では、あまりにも根深いこの問題に立ち向かうことすらいつしか諦めてしまう。傷ついた自分をなんとかなだめすかして毎日を生きている、そんなみんなの隣に「フェミおじさん」はいつも寄り添ってくれるのである。
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Posted by ブクログ
はい、最高ーーーー。まじでわたしのアナザーバイブルが誕生しました。
今回のよかったところ:
・10年を経て、みなみが言葉を得たこと!
・由仁が、赤井川さんと距離を縮めたこと(敵でもダサい人でもなく、その時代をそうすることでしか越えられず頑張ってそうしてきた人だと認識した上で尊敬していること→なかなかできることじゃないよこれ)
悲しかったorこわかったこと:
・由仁と離れてしまったこと(でも由仁は由仁でみなみのことで消耗してほしくなかったから仕方ないんだよね…)
・10年経つのがあっという間すぎたこと→「え、はや…」と一瞬置いてかれた感覚になったけど、「リアルライフも絶対このペースじゃん…」と自覚→「こわ…」