あらすじ
宝島社『このマンガがすごい!2023』オンナ編にランクイン!
33歳になった星置みなみ。
仕事は順調…に見えるようだが、実際は経済的に豊かになったわけではなく、毎日を生きるのに必死だ。
女は「結婚」「出産」「仕事」「ビジュアル」どれかひとつうまくいっていればOK、と思わせてもらえないのは何故なんだろう……。
一方みなみの友人・うずらちゃんは、モラハラ夫との生活に限界を感じ、ある行動に出る――。
「人には人の、男には男の、女には女の、地獄」
「言えなかった『おめでとう』の数だけ、自分への『おめでとう』も減る」
「上手に『恋愛』やって『人並み』でいることに意味も価値も一切ない」
「女だけがそこまで背負う必要なんてない」
――現代を生きている登場人物たちの肉声が刺さる!
今の「あるある」と「こうなったらいいな…」を『臨死!! 江古田ちゃん』『モトカレマニア』の瀧波ユカリが描く。
令和のコミュニケーション&フェミニズム漫画!
「無痛恋愛」とは、男女間の不均衡により生じる痛みがない恋愛のこと。
厄介な男に振り回されても鍵垢で呟くだけで何も言い返せなかったみなみは、友人の由仁や、「フェミおじさん」こと月寒さんとの出会いがきっかけとなり、恋愛への向き合い方や自分を大切にする方法を学んでいく。
女性であること、男性であることは、自分で決めることのできない事がらだからこそ、人はいつしかその性別に順応して生きている。しかし、それは男性と女性の溝を深めることには繋がらない。それを「フェミおじさん」の存在が証明してくれた。男性だからこそ思ったことを言えるのだという側面はありつつも、男性がフェミニストを名乗ってくれるという事実は、何よりも明るいものに思える。
しかし、だからといって「男性でも女性でもダメな人がダメなのであって、性別のせいではない」という結論に至るのもまた性急である。実は私も、以前まで性別でくくること、くくられることが苦手故にこの論調に賛成していたのだが、本作を読んで考え方が変わった。
本作では、「この性別だったからこそ経験せざるを得なかったこと」に、男女共に気づかせてくれる。男性ならば、無理矢理下駄を履かされて「男なら当たり前だ」とすべてを任されること。女性ならば、「男を立てろ」と、時には人格までも無視させられること。よくよく考えてみればおかしなことなのに、考えることが多すぎる日常の中では、あまりにも根深いこの問題に立ち向かうことすらいつしか諦めてしまう。傷ついた自分をなんとかなだめすかして毎日を生きている、そんなみんなの隣に「フェミおじさん」はいつも寄り添ってくれるのである。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どのプラットフォームでも在庫なくてデジタル版で買うしかなかった幻の4巻。いつか手に入れたい…
よかった。
のんちゃんさんすごい。この人がたくさんの言葉、知識を得た背景に痛みがあるのが苦しいけど、その経験が人(うずらちゃん)のために活きていてすばらしい。
第19話のおわりの
「作戦を練る
自分を殺してしまわないために」
「絶対に 妥協しない」
がかっこよかった。
そうだよ、女だからという理由で妥協させられるのは違う。
「寂しさや満たされなさに対してはいろんな対処の仕方があるはずなのに
安直に「恋愛」で埋め合わせるなってことなんだよね?」
→上段すべてわかってるのにこれをやってしまってるんだよなあわたしも、とみなみと自分をすごく重なる。いつかみなみみたいに強くなって(私にもそこそこ言葉を知識もあるはずなのにできてない…足りないのを強さというのは違う気もする、覚悟?決意?なに?)、この状況から離れたいな。