あらすじ
宝島社『このマンガがすごい!2023』オンナ編にランクイン!
赤井川都はずっと走り続けたきた。
弟ばかりが大切にされる実家を出て、東京でがむしゃらに働いて――。
それでも、振りほどけない「呪い」が、彼女をどん底に落としてしまう。
令和の時代でも「生理」と言えない、ミッドライフクライシスなわたしでも幸せになれますか?
今の「あるある」と「こうなったらいいな…」を『臨死!! 江古田ちゃん』『モトカレマニア』の瀧波ユカリが描く。
令和のコミュニケーション&フェミニズム漫画、第7巻!
「無痛恋愛」とは、男女間の不均衡により生じる痛みがない恋愛のこと。
厄介な男に振り回されても鍵垢で呟くだけで何も言い返せなかったみなみは、友人の由仁や、「フェミおじさん」こと月寒さんとの出会いがきっかけとなり、恋愛への向き合い方や自分を大切にする方法を学んでいく。
女性であること、男性であることは、自分で決めることのできない事がらだからこそ、人はいつしかその性別に順応して生きている。しかし、それは男性と女性の溝を深めることには繋がらない。それを「フェミおじさん」の存在が証明してくれた。男性だからこそ思ったことを言えるのだという側面はありつつも、男性がフェミニストを名乗ってくれるという事実は、何よりも明るいものに思える。
しかし、だからといって「男性でも女性でもダメな人がダメなのであって、性別のせいではない」という結論に至るのもまた性急である。実は私も、以前まで性別でくくること、くくられることが苦手故にこの論調に賛成していたのだが、本作を読んで考え方が変わった。
本作では、「この性別だったからこそ経験せざるを得なかったこと」に、男女共に気づかせてくれる。男性ならば、無理矢理下駄を履かされて「男なら当たり前だ」とすべてを任されること。女性ならば、「男を立てろ」と、時には人格までも無視させられること。よくよく考えてみればおかしなことなのに、考えることが多すぎる日常の中では、あまりにも根深いこの問題に立ち向かうことすらいつしか諦めてしまう。傷ついた自分をなんとかなだめすかして毎日を生きている、そんなみんなの隣に「フェミおじさん」はいつも寄り添ってくれるのである。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
7巻待ってた!泣
みなみが月寒さんと友人として再会を果たしてほしいのにできずじまいだったので星は4個として記録したけど本当にいい漫画だ…
赤井川さんしんどいこと多すぎる泣
母ひどいなと思ってしまったけど、記憶の中の自分の母しか自分を名前を呼んでくれないこととかその母の思想(というか呪縛)に取り憑かれて、赤井川さんにもああいう態度で振る舞うしかなくなってる、そうプログラムされちゃってて、娘の気持ちをわかってあげたい、わかりたいとかもなとんだろうと思うと、この人にはこの人なりのつらさがあって悲しい。
7巻全体を通して赤井川さんがじぶんはじぶんの選択を、じぶんのペースを認めようとしていたのが印象的だった。そんな姿が見れてよかった。今の私の年ですら、この人には家に帰ったら夫がいるんだもんな、わたしは家も遠いしシングルで惨めだな…とか悲しいけど思ってしまってるんだから、赤井川さんの立場にいて自分の最後の砦的な身体に不調が来るとつらいだろうな。
由仁、赤井川さんに踏み込んでいでてくれてありがとう。
由仁が局長と話して感じた「先駆者が相当大変な思いをして今スムーズに生きられていると考えることを忘れて、目の前にある誰かによって獲得された便利さにフリーライドしたくなってるだけじゃん私は…」の気持ち、わかる。すごく苦しい。
「嘘つかれたり下に見られたりって
そんなのは必要な痛みじゃない
当たり前に人として尊重し合って対等に付き合う
「無痛恋愛」ってただそれだけのことなのにね・・・」
→ほんとうに。ありがたいことにこういう痛さを恋愛で経験してこなかったけどこの漫画を読んでてそういう痛みを経験している人がたくさんいるであろうことが想像できて、てことはいつかの自分の恋愛もそうなり得る可能性があってしんどい。
裁判傍聴行くことを決めて終わったりどんどんアカデミックになってる気がする。