あらすじ
第1巻が発売即重版を皮切りに、重版続々!
耳の不自由な奏音。奏音に惹かれる咲希。
2人の少女の雨の夜の月のように、
目には見えないけど、確かに在るもの。
不自由な耳の代わりに読唇術を駆使して、
周囲とのコミュニケーションをとる奏音だが、
隣の席になった咲希との交流をきっかけに、
高校に自分の居場所を少しずつ増やしていく。
一方、咲希は奏音の妹の凛音と知り合い、
自分も読唇術ができるので表情を読み取ることには長けているという彼女から、
「姉に何か隠し事があるうさんくさい存在」だと見做されてしまう。
そんな中でも、自分の肩を持ち、心を開いてくれる
奏音に対して抱く感情に、咲希が形容したのは…。
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文芸部に入ったり
文芸部の顧問で国語を担当している三浦先生(妻と死別したシングルファーザー)の言う「平等」と「公平」の意味合いが割と重要でした。
奏音さんの妹・凛音(りんね)さんは中3ですが、ちょっと彼女にも面倒な部分はあります。対人関係の偽善的なものもすぐ見抜くというか。
きょうだい児の話が出てくるのも如何にもでした。
奏音さんが私服でスカートを履かない理由も割と切実です。
へそを曲げた凛音さんを探しに街に繰り出し、奏音さんの手を引く咲希さん、赤面していて、どうやら己の恋心を自覚しつつあるようです。
凛音さんが持ち出す綾乃さんの事例も気になります。
現国の三浦先生がこういう展開で物語に絡んでくるとは思わず、上手い!と感じてしまった。
平等と公平の話はとても分かりやすかった。
漠然と違いを意識していたけど、イラストで説明されて腑に落ちた。
奏音さんが映画館で咲希さんとのやり取り、過去のトラウマに苦悩しながら咲希と向き合う姿勢。
一方で咲希さんの報われないと思う感情と自己嫌悪の描写も凄い。
匿名
偶然の出会いから生まれた友情や、ろうしゃとの関係では言い表せないような2人の深い関係性が、とても良かったです。
公平と平等
公平と平等の違いなんて考えたことがなかった。人の感情とかマイノリティとか本当に色々考えさせられる。話が進むにつれて咲希は辛くなるんだろうな