あらすじ
文字(スペル)による世界の崩壊は止まらない。そして、アンガスと〈俺〉という語り手によって紡がれたもう一つの「物語」が交錯する時、世界は……。多崎礼の紡ぐ物語これにて終幕!
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Posted by ブクログ
2011/01/09:どこまでも堕ち続けるような「ノルウェイの森」(上巻)を読んだ後だからか余計に絶望の中から希望を見出そうとする登場人物たちを応援したくなりました。
Posted by ブクログ
立ち上がれ、我が兄弟
お前は一人ではない
そうだ、我らは一人ではない――
内容紹介です。
姫とともに文字を回収する旅も終わりが近づく。しかし世界の滅亡を望むレッドはバニストンに災厄の種をまき散らした。懐かしい街、恩ある人々の危機に必死に戦うアンガスに彼は言い残す。「オレを殺す覚悟が出来たら第七聖域まで来い」追い詰められていくアンガスは「希望」を捨ててしまうのか?そして〈俺〉という語り手によって紡がれたもう一つの物語が交錯する時――!多崎礼の手で緻密に織られた世界がここに完結する。
ついに最終巻です。
怒涛のような展開を見せるのですが・・・うーん。なんか、こう、すとんと腑に落ちないというか、なんというか。
物語自体はよく出来ていると思います(なんて偉そう)
でも、あの衝撃のデビュー作のような鳥肌が立つ感覚は皆無。
ふーん。あ、やっぱり?と云える展開でした。
ですが、最後の方にジョニーがアンガスに「こんな状況になってまで世界を救うつもりか」みたいなことを言うんです。
それに心の底から頷きました。
いい加減いろんなもの背負い過ぎなんですよ、アンガスは。
街の人々から「希望」と呼ばれ、けど心の中は嵐が吹き荒れ・・・って辛すぎる。
人は所詮人にしか過ぎないんですから「希望」なんて呼んじゃ駄目だろ。と突っ込んだりしました。
全体的にすっごく切ないいんですが、けれどとても優しい物語です。
誰かの為に、世界を守ろうとするその強さが、弱い私には眩しくて、そして腹立たしかったです。
この物語を通して、世界のあり様、といっては大袈裟ですが、なんかそういったものを考えました。
どうしても読んだ方がいい。とまでは言えない作品です。
けれど、時間があるのであれば読んでみてもいいと思います。
きっと、損はしないでしょう。