清野由美のレビュー一覧
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2020年には年間4000万人の訪日外国人
観光客を目標としている日本。
その目論見はコロナで外れてしまいまし
たが、それを別としてもあちこちで
観光客だらけの状況を見て「このままで
日本は大丈夫なのか?」と感じた人は
多いと思います。
何よりその観光地の受け入れるキャパシ
ティと訪問者数が釣り合っていない「オ
ーバーキャパシティー」状態です。
仮にそのキャパシティーをクリアしたと
しても、それはそもそも一時的なSNSで
の加熱であった場合は、熱が冷めれば誰
も見向きもしなくなる「宴の後」が待っ
ています。
他にもマスコミでもよく見かける、不法
民泊や食べ歩きのマナーの問題など、
挙げ -
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都市化が進み村は衰退したが、しかしその都市の中に新しい形で「ムラ」が形成されていた、というのは面白い。やはり人間には村的なものが欠かせない、あるいは人間の性として形成せずにはいられないものなのだろう。街並みを見る際の建築家の独特の視点が面白い。 ・社会と建築の関係に変化。建築の「動機」に変化。 ・1つは持ち家願望。アメリカ型解決法single-family house。社会主義的解決法、集合住宅。村的な粘っこいつながりは排除された。 ・「空間の商品化」というフィクションが村を破壊した。がそのまやかしも自壊を始めた。サブプライム。 ・311で我々は破壊され尽くした空間になお残る何かを感じた。そ
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Posted by ブクログ
金融手法の発達・外部経済環境の変化と街のデザインとの関係が興味深かった
面白かったくだり
・証券化の発達により、創造性のある芸術家ではなく、リスクの少ないブランドとしてエスタブリッシュされた建築家が求められる
→世界の大プロジェクトは少数のブランド建築家が独占、プロジェクトが大きくなるほどデザインの陳腐化が進む
→とりわけ地価が高い東京の再開発プロジェクトで一番大事なのはリスク分散。創造性よりもリスク分散が建築家には求められる
・歴史的な建物が残されると、その対価として街が超高層化する(容積率緩和のテクニック)ex.丸の内
・代官山(経済的に閉じて空間的に開かれている)と六本木ヒルズ(経済 -
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Posted by ブクログ
日本の景観に詳しく、古民家を改修した宿泊施設経営や地域再生コンサルタントをしているアメリカ人による、日本の観光業に対しての問題点と提言をまとめたもの。著者は、アメリカ人でありながら日本に40年以上も住み、欧米人の視点で日本を評価できる人物である。論評は鋭く、勉強になった。渡辺京二先生の『逝きし世の面影』を読んでいる時と同じような気分になった。
「私は80年代から観光産業の可能性を予見し、京都の町家や、地方の古民家を一棟貸しの宿泊施設に再生する事業を実践してきました。08年には国土交通省から「VISIT JAPAN大使」の任命を受け、その趣旨の通り、外国人旅行者の受け入れ態勢に関する仕組みの構 -
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ネタバレオオバコシステムによる近代化 閉じ込めて効率化
ITで閉じ込めなくても効率的に自由に
建設産業の江戸時代におけるサムライ化
一定の評価を得た芸術家はコラボして違う地平に飛ぶ
世界の中心都市 ジャック・アタリ
=クリエイター階級が新しい発見への情熱を燃やす場所
バブル期の東京はなれなかった
過去の利得の維持保護 1億総サラリーマン化
川沿いのライトインダストリーエリア
スターバックス リザーブ ロースタリー東京
巨大焙煎機のため工業地帯に
建築の流動性 コンピュテーショナルデザイン
長持ちしない建築 流動しながら有限の時間を生きる -
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残念ながら先日亡くなられてしまいました
CMプランナーの岡康道氏と、人気エッセ
イストの小田嶋氏は高校の同級生なのです。
その二人の対談集です。
でも同級生同士の対談なので、思い出話か
らスポーツネタまで、あっちこっちと話が
飛びますが、二人とも世界を見る洞察力が
非常に高いです。
しかも高校生の頃から世間をナナメに見て
いて、流行に流されるわけでもなく、一人
の世界に入り込むのでもなく、歩むべき
人生を歩んできたのだなあと感じます。
当時還暦も越えたお二人ですが、特に小田
嶋氏にはもっともっとこれからも世間を
ナナメ切りしてほしいと願います。 -
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Posted by ブクログ
基幹産業が重厚長大型から観光のようなサービス型に転換するという大きなパラダイムシフトの中で、国、地方がどう対応していくべきかの指針になるような一冊。個人的に、国内外問わず地方への観光客が増えれば、例え爆買い中国人とかであっても、その地方の経済が潤うと思ってたけど全くそうではないことを知って、今までの考え方がいかに短絡的やったんや、、となった。「2020年に4000万人の訪日外国人旅行者」は難しくなったけど、アフターコロナで観光業が盛んになった時には必ず役に立つようなことが書かれてました。
・人口減少と空き家問題という大問題を抱える中で、成長余地が十分に残された観光産業の育成は日本にとって数