清野由美のレビュー一覧

  • 変われ! 東京 自由で、ゆるくて、閉じない都市

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    ネタバレ

    グローバルからワールドワイド、効率と拡大から自由と小さなものの多様性にこそ魅了がある。小さいからこそ、外を上手く取り込もうと目が向かう。

    東京の街の多くが魅了を失ったのは既存のシステムにもたれ掛かり、変わろうとしなかったから、また既得権益を守るために変えさせなかったことが大きい。

    ローンによる土地・家屋の私有は足かせになる。ローンを組んだサラリーマンはそんな自分たちを肯定するためにサラリーマンの価値観を正義として世の中全体に押し付けてきた。その気持ち悪さとそれがまだ続いているのを感じる。住宅ローン減税は既存のシステムの延命にすぎない。

    住宅、特にマンションの一階のつくられ方がまちの魅了を

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    2020年08月15日
  • 新・都市論TOKYO

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    東京の都市論。街をどう見るのか?
    隈研吾と清野由美が対談し、歩きながら感じたままを話す。
    こうやって都市を見るかと、面白い視点が与えられた気がした。もっと、都市には、物語が埋め込まれていると思った。
    汐留、丸の内、六本木ヒルズ、代官山、町田。
    都会に立つ高層ビルは、オフィイスビルが多い。
    汐留のダメダメ感は、なんとなくわかるものがある。
    統一性やコンセプトがなさすぎると思う。
    それは、ある意味では、機能的で、味気ない空間と言える。
    とりわけ、東京駅から丸の内の界隈は、息が詰まりそうな空間である。ビジネスの戦場という殺伐感があるかなのか。
    街並みに感じる「風情」を削ぎ落としたというか、喪失した空

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    2020年03月18日
  • 人生の諸問題 五十路越え

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    両氏は僕よりちょっと上ですが、生きてきた時代感はほぼほぼ同じで共感できるエピソード、センテンスが多くありました。「やっぱ、そうだよな〜」と思えて、なんとなく勇気をもらえたような気がします。一方、東京出身者や、さらには早稲田OBの方が読んだらもっと面白いんだろうな、とも。

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    2019年10月10日
  • 観光亡国論

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    インバウンドが2000万人を突破、今年は3000万人を上回る、2020年には4000万人だと、浮かれている間に、国内の観光名所は大変なことになっているようです。
    たとえば京都。
    既に清水寺や二条城といった超の付く名所だけでなく、京都駅南側のお寺や神社でも、今は人で溢れ返っています。
    伏見稲荷大社は、鳥居が「インスタ映えする」として、いつ行っても鳥居の下に人がびっしりいて参拝もままならない。
    美しい禅庭のある東福寺も紅葉の季節になると開門からすぐに、庭を一望できる通天橋の上に人が連なり、立ち止まることも出来ないのだとか。
    他の有名観光地でも、「観光公害」とでも呼ぶべき事態が起きています。
    これで

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    2019年04月10日
  • 観光亡国論

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    観光におけるオーバーツーリズム等に警鐘を鳴らす良書。
    大型バスによる量的なものではなく、質が高く地元に金を落とす観光の在り方というのはごもっとも。
    政府は2020年に、年間4千万人の訪日旅行客を目指すというが、それだけの数が来日しても対応できるのか。既に都内では外国人観光客でごった返しているのに、これ以上物理的にも“おもてなし”的にも対応できるかは疑問がある。
    また、本書に書かれていた、島しょ部での場所に合った港の在り方では小笠原諸島が思い浮かんだ。小笠原では現在、おがさわら丸などの「船」でしか行くことができない。島を離れる際の出航風景(フェリーに併走してダイブしてくれる)は、船だからこその旅

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    2019年04月08日
  • 観光亡国論

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに
    第1章  テッィピング・ポイント~「立国」が「亡国」になるとき
    第2章  宿泊
    第3章  オーバーキャパシティ
    第4章  交通・公共工事
    第5章  マナー
    第6章  文化
    第7章  理念
    おわりに

    <内容>
    40年来、日本で日本文化を研究し、徳島県の祖谷の古民家や京都の古い町家を改造して、宿泊施設を作り、運営している著者の本。彼の視点は、日本を客観的に見れるし、実際に高度成長期で固まってしまった(成功体験にしがみ付いている)日本人と渡り合ってきた経験値で語られているので、適確だと思う。また出されている提案も、無難なものが多く「規制緩和」と「古い固定観念」を崩せれば、すぐに

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    2019年03月26日
  • 新・都市論TOKYO

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    古い本だけど、著者がそれぞれの街をよく知っている感じが良かった。知っている場所について書くべし。と改めて思った。
    まぁ知ってると思ってはいけない、みたいな話に最後なるのだけれど。パラダイスなき今、ストレンジャーを気取ってもいられない気がする。

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    2018年08月05日
  • 葉山からはじまるシフトチェンジ 住む場所を選べば、生き方が変わる

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    そりゃあ、住む場所次第で生き方はかわるよ…
    本のタイトルがやや誇張されてる気が…

    でも共感できるところは多々あった

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    2015年07月11日
  • 新・都市論TOKYO

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    都市計画という分野はなじみがなかったが、具体的な地名をあげながら、隈研吾の講義が聞けるというお得な内容。実際に自分で汐留を歩いた時の違和感は、この本を読んで納得した。注文点は2点。対象の地図を書いてほしい。その方がより理解が深まる。もう一点は隈研吾の聞き手のおばさんが何かと偉そうなこと。逆にそれをうまく受容している隈健吾のふところの深さが感じられた。

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    2015年08月08日
  • 新・都市論TOKYO

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    ネタバレ

    タイトルの通り、現在の都市、都市開発について論じた本。
    納得感のある話がたくさんあった。
    <メモ>
    ・都市の巨大化は資金獲得の手法を激変させ、資金調達のテクノロジーが飛躍的に発展した。複数の主体から調達しなければならなくなった。一人のクライアントが建築家のデザインを評価して設計を依頼するという古典的関係性は過去のものとなった。顔の見えない複数の投資家から集金するために必要とされるのは、創造性の芸術家ではなく、すでにブランドとしてエスタブリッシュされた建築家。投資家は芸術品に対しては投資しないが、ブランドに対してならば割高でも安心して投資する。都市のイメージを決定するほどに重要な大プロジェクトで

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    2014年12月02日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    建築家・隈研吾さんとジャーナリスト・清野由美さんが、TOKYOに残る個性的な街を歩いて、新たにできつつある”ムラ”について論じている。ムラとして登場するのは、下北沢、高円寺、秋葉原、そして小布施。

    個性的な街が生まれたのは、歴史的経緯と周辺地域とのバランス、あるいはそこに街を形成するようなキーパーソンが存在していたから。現代の都市再開発はそのような個性や独自性をなるべく見出さない形で、経済効果や効率性を突き詰めてつくられているので面白くないのは当たり前です。

    それでもムラというコミュニティが根強く存在しているのは、日本人の精神性にフィットした粘着質な考え方が根強いからであり、宗教観や社会論

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    2013年09月16日
  • 新・都市論TOKYO

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    <汐留> 誰もリスクを負えないので分譲してコマギレとなった再開発

    邪魔な電通本社ビルによって海風が通らないなど悪評高い


    <丸の内> 働くだけの街ではなく住んだり遊んだりできるよう三菱が仕切った再開発

    復元される三菱一号館
    古いビルを壊して古いビルを作る矛盾


    <六本木ヒルズ> 400人にも及ぶ地主を説得し用地を確保  貸しビル業の限界を強行突破した森ビルによる再開発

    天才が発想した円環構造の街


    <代官山> 大地主朝倉家と建築家槇文彦のタッグによる「余裕」の再開発

    猿楽塚やHIGASGIYA 裏通りも魅力


    <町田> リアリティのJRとファンタジーの交錯する街の再開発

    郊外

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    2012年09月03日
  • 新・都市論TOKYO

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    建築家によくありがちな抽象的な話もあるけれど、都市開発の経済の面も書いてくれているから建築から遠く離れた私には興味深く読めました。
     都市デザインの話も面白かったけれど、デベロッパーやゼネコンの思惑渦巻くところとかの話が面白かったです。
     汐留、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、代官山、丸の内、そして町田。何故か町田。それぞれの土地の履歴書みたいな感じで。
     町田にビビッと反応している隈さんだけれど、中国への接近を正当化するためのブラフかと。
    建設業界の仕事をわけわけする体質が旧時代的だといわれているけれど、その体質が世界一の施工管理技術を守っているとも言えるので、
    一番売りにできるところをスポ

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    2012年07月30日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    隈さんの考えがちょっぴり鼻につく箇所があって、理解を難しくさせる表現もあるが、こういうのは概して建築家固有の性癖なので、仕方がない。総じて、各ケーススタディを丁寧に論じており、都市におけるムラ的な居場所の重要さが理解できる。特に小布施の取り組みは、超一流を使いこなし、真の意味でのマネジメントを実施した事例として理解した。

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    2012年06月23日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    「村」というものを単に地方の小規模経済圏としてではなく、建築を初め、そこでの生活や社会構造といった観点から考察している。

    そもそも、なぜ「村」を「ムラ」と表記しているのかだが、これは著者が戦前の都市化する社会以前から存在していた村に対し、戦後、村が都市化を経て、再び村化したものをムラと定義している。

    ムラの事例として、
    下北沢
    高円寺
    秋葉原
    小布施
    を挙げている。

    アメリカ型の住宅政策で都市化してしまった日本社会は、未来に対して「再開発」という選択肢しか考えられなくなっているが、このシステムがすでに自壊してきていることに、誰もがうすうす気付いているはずである。
    だが、誰もが見て見ぬふり

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    2012年04月15日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    様々な都市計画のあり方について紹介されていて勉強になった.
    ただ,建築家という職業の人にありがちな偏見みたいなものが少し気になった.

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    2011年11月16日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    吉祥寺、高円寺、秋葉原、小布施を取り扱った珍しい構成。
    大規模の開発が起こる東京に目を向けるのではなく、自然発生的に、小さい塊の連鎖が都市を構成して行くダイナミズムに目を向けた内容。
    大資本がうごめくトップダウンの東京と、カオスと言われる所以のボトムアップがうごめく東京。
    対話形式なので読みやすいと思います。相変わらず隈さんの本質を見抜く所が凄いと思う。

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    2011年11月12日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    「空間の商品化」の限界という視点が共感できる。地縁・血縁など便利な社会になる中で断ち切ってきてしまったつながり・かかわりをどう結びつけるか。場所に密着したムラにはそんな可能性があるのかもしれない。

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    2011年10月05日
  • 新・ムラ論TOKYO

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     シリーズというわけでなないのでしょうが、前書 『新・都市論TOKYO』があります。こちらは大規模開発の町がトピックであったので好みではなくざっと
    目を通しただけでしたが、本書は下北、高円寺、秋葉原、子布施といった、住みやすそうな町ランキングにあがってきそうな町が語られていて好感でした。
     エリートが計画する大規模開発にではなく、地に足が着いている人たちが主役になっている町特集でしょうか。
     隈研吾がいう「ムラ」がどんなものか。成長し続ける町、TOKYOに求められているものは? とか、秋葉原をちょっと知りたい、という興味がある人はぜひ読んでみて。いろんなヒントがありそうです。

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    2011年08月23日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    都市開発は面白いと思う。
    ただ理論と実践を混同させる、という基本的なミスをしてはいけないと思うけれども…。

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    2011年08月04日