増田直紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は「ネットワーク」の概念について解説しているが、TCP/IPに代表されるインターネット等について書かれているわけではない。古来からの「グラフ理論」、「複雑ネットワーク」の学問で研究されてきた『人的ネットワーク』についてだ。
ある意味、mixiやfacebook、その他SNSのみで完結するような希薄なネットワークに警鐘を鳴らしている一冊といえるかもしれない。
スモールワールド(6次の隔たり)、クラスター、スケールフリー・ネットワークについての概念がよく分かる。
クラスターとは分かりやすく言えば、自分が属する組織、コミュニティ、人間関係のことを指す。自分が携わる仕事で満足のいく成果 -
Posted by ブクログ
ネットワークについての研究は、単純化されすぎたモデルが現実に即さない場合が多々あるが、複雑ネットワークの挙動はより現実のものに近い。ワッツとストロガッツによるスモールワールド、バラバシによるスケールフリーネットワークの説明とその応用についてよくまとまっている。ネットワークの経路数/ノード数を「距離」という。スモールワールドネットワークはショートカットを入れることでこの距離が大幅に短くなっている。ノードあたりの経路数(枝の数)がべき乗則にそったものがスケールフリーネットワーク。これはWEBなどのように富める者はますます富む形になる(有名なサイトはより多くのリンクが張られる)。このモデルは感染症対
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Posted by ブクログ
人のネットワークの仕組みが簡潔にわかりやすく解説してあり、奥深さは各ネットワークの専門の書籍に及ばないかもしれないが、「人と人のネットワーク」として知るべきことの多くを知ることができたと感じた。
自身も含め、多くの人は組織の中で働き、知らず知らずのうちに本書で紹介されているネットワークを活かしている「つもり」なだけで、その見えない鎖のようなものが理解できていないことがよくわかった。
こうしたネットワークに関する知識は、明日から使える知識をうたうビジネス書で得るか、本書のような専門家の著書を読むかになるのだが、個人的には本書を読み、それを明日から使えるのが最良な気もする。
間違いのない良書