野口雅弘のレビュー一覧

  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    『プロ倫』の助走として久々に読んだ
    現実主義に対する熱の入り方
    女性問題的なところを切り上げるところで詳しく扱わないって念押しするの好き
    結局バランス感覚みたいなところあるな言うのは簡単だけど
    「価値自由」というキーワードがあるからウェーバーの受容のされ方っていうトピックが面白い
    「普遍的なもの」に...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    ウェーバー没後100年に合わせて刊行された中公新書。ウェーバーの人生や学説を順に追っていくスタイルではなく、関連する学説・思想や事項を縦横無尽に挟むスタイルになっている。登場するのは、たとえば、ロールズ、カフカ、丸山眞男。忖度、公文書公開、自民党総裁選、など。「天職」や「鉄の檻」といった有名な概念に...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    『プロ倫』の著者であって官僚制についての定義などをしている社会学者マックスウェーバー、つまり著作があって著者がいるという程度の認識であった私のイメージを転換させ、著者である人間マックスウェーバーが様々な家庭内不和などを経験する中で『プロ倫』などの著作を生み出していったのだという、いってみれば当たり前...続きを読む
  • 仕事としての学問 仕事としての政治
    「指導者による体験の伝達を望む学生」に対して「教師による事実の伝達を通した思考こそが学生の仕事である」という説教は、同時に大学と教師の腐敗にも一石を投じており、新自由主義による大学の競争主義・暗記型の教育・人文科学軽視などの教育問題が見られる現代にも示唆的であった。
  • 官僚制批判の論理と心理 デモクラシーの友と敵
    名前からして丸山真男の『超国家主義の論理と心理』をもじっているのは明らかであり、内容も大変な良書だと思う。

    近代官僚制に対する批判的言説は、その制度が確立されて以来一貫してして存在する普遍的なものであることを政治思想史的に確認するところ始まり、昨今、なされている官僚制批判=脱官僚に孕まれる問題を批...続きを読む
  • 官僚制批判の論理と心理 デモクラシーの友と敵
    マックス・ウェーバーの官僚制論を軸に現代の官僚制批判の問題に迫る良書。結語において議論の内容がテーゼの形で要約されているので、示しておこう。

    【テーゼ1】官僚制に対する批判的な情念は普遍的である。(日本における1990年代以降の官僚批判がもっともわかりやすい例示だが、最近になってはじまったことでは...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    頻繁に目にする名前ではあるけれど、何をした人なのか、いつの時代の人なのか、わかりませんでした。この本では、彼の多分野にわたる活動がまとめてあり、人物像を掴むにはよいと思います。
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    ウェーバーの思想と生涯を、主に宗教社会学と政治理論に重点を置いて紹介している本です。

    ウェーバーの宗教に対する態度や、彼の政治的心情の根幹に存在していたナショナリズム、官僚制とカリスマにまつわる問題の指摘など、ウェーバーの思想のなかから重要な論点をとりだしてわかりやすく解説しながら、それらの論点が...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    本書は、ドイツの法学者・経済学者・社会学者のマックス・ウェーバーの「哲学的・政治的プロフィール」を描くことを意図しており、マックス・ウェーバーの生きた時代、重要著作、基礎概念などに言及しつつ、基本的に年代順にウェーバーの生涯を解説している。日本におけるウェーバー受容についても触れている。
    本書は、マ...続きを読む
  • 仕事としての学問 仕事としての政治
    二つの講演1917年「職業としての学問」
    1919年「職業として政治」を邦題変更新訳版。
    支配三類は合法的支配、伝統型支配、カリスマ的支配。
    10年後再び会おうと締めくくりも1920年没
    ドイツは第一次世界大戦敗北で多額の賠償金で苦しみ1929年10月世界大恐慌後扇動的演説と暴力装置を用いた
    カリ...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    とてもわかりやすく時代の流れとともにウェーバーがどのように在ったのか、という内容。
    丸山眞男とかでもう少し詳しく読む必要ありそう。

    ちょうどカフカの本も並行して読んでいたので、時代背景からの思想の移行についてもなんとなる察せられるところもあったり。

    ティモシー・スナイダーも併せて読み解いていく必...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    テクスト、概念、生き様ではなく、各地での受容、思想的関連に重きを置いた記述。
    ヴェーバーを読むということは、極端を排するということか。今もう一度、テクストを読みたくなった。
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    思想家マックス・ウェーバーの生涯を追いながら彼の思想に迫った本。終章には日本におけるマックス・ウェーバー研究の内容にも触れている。
    正直、自分の実力不足できちんと読み込めていない部分が多かったが、近代についての議論としては特に現代社会を考えるうえで大いに参考になる内容が多くの箇所で読み取れた。もっと...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    マックス・ウェーバーを扱った本。

    ウェーバーは日本で社会学を学ぶ上で避けて通れない人。私は大学は社会学部だったが、中退したのでウェーバーの本をちゃんと読んでない。有名な「プロ倫」も。なので、入門書としてこの本を手に取った。

    この本ではウェーバーの生まれや育ちから入っているが、私にはそれが理解しや...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家

    簡潔さがいいです。

    個別のものを読もうと思えば、好きな人は読み始めるかもしれないが、本書は、簡潔に要約・時代背景も書いてあって、素早くエッセンスを取り込めるところがいい。いつからできるかわからないが、インテリぶった同僚と、飲み屋で語るのもいい。
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    高校生の時、『職業としての政治』というタイトルに馴染めなかった。実際、中身もタイトルに合ったものではなかった。馴染めなかったわけがこの本を読んで分かった。著者は「仕事としての政治」と書いている。これなら分かる。もやもやが解けた。
    新書ながら内容は濃い。日本のウェーバー受容の仕方、ドイツでの理解のされ...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    没後100年の記念出版だという。前提知識などほとんどない。名前は知っている。社会の授業で習ったはずだ。「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を略して「プロ倫」と呼ぶことなど勿論知らない。主専攻が法学であることも初めて知った。展覧会への公的支援は手続きが間違ってなければよいのか、中身もみるのか...続きを読む
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    「ヨーロッパ近代」と格闘したマックス・ウェーバー(1864-1920)について、その生涯と研究、政治への関わりなどをコンパクトにまとめた好著。とくに日本への影響については、独自の1章「マックス・ウェーバーの日本」(「マックス・ウェーバーと日本」ではなくて「の日本」)を立てて論じられており、面白かった...続きを読む
  • 官僚制批判の論理と心理 デモクラシーの友と敵
    日本では最近の流行だが、官僚制批判は西洋における官僚制の登場当時からある点、行きすぎた官僚制は民主主義と対立するが、官僚制がなければ民主主義が維持出来ない点、官僚制は人のいかんによって業務の処理の仕方に偏差が出ないように規則で規定されている、つまり、『「脱官僚」とは人の決断やその決断をもたらした根拠...続きを読む
  • 官僚制批判の論理と心理 デモクラシーの友と敵
    ウェーバーの思想の再検討を軸に、政治思想史というアプローチにより、官僚制批判の論理と真理を考察。官僚制批判という世の風潮から一歩引いて、官僚制のあり方を考えることができる好著。
    官僚制がデモクラシーと不即不離の関係にあるこということや「正当性の危機」は新自由主義に絡め取られやすいという指摘が印象に残...続きを読む