阿満利麿のレビュー一覧

  • 宗教は国家を超えられるか ──近代日本の検証
    光文社新書の「国歌と宗教」に比べ、現実の天皇制をちゃんと扱っている点で遥かに優れている。無論その分通史的な興味は失せているが、しかし「国家と宗教」の問題を扱う以上網羅的であるというのはそれだけ焦点のぼけたものでもあるだろう。とりわけ現実に天皇制や国歌、靖国などの問題が取りざたされる時に近代の天皇制に...続きを読む
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか
    人は生きてる限り仕事や恋愛、学業、それに親の介護や子育てなど何らか悩みを抱えながら生きている。それらに一切の悩みなく、全てが順調、経済的にも全く問題なし、というのはどこか石油でも掘り起こしたような遠い国の王族ぐらいであろう。そういった人たちでさえお金の使い道で悩んでいるかもしれないが。人は悩んだり困...続きを読む
  • 『歎異抄』入門 無宗教からひもとく
    うちは浄土真宗。歎異抄はまだ読んだことはないけど。
    南無阿弥陀仏と称えはするけれどそれがどういうことなのかは、今一つピンときておらず。この本を読んでわかったのは、念仏とは「必ず救う。浄土に救う。だから安心して今しかない生を生きろ」という阿弥陀様からのメッセージだったのだなと。星4つなのは時々難しいな...続きを読む
  • 歎異抄
    現代語訳と解説のおかげで、興味を持って読めた。書かれている内容には、説得力があると感じた。当時、他の宗派から圧力があったとのことだが、他の宗派がどのように考えていたのか知りたくなった。
  • 『歎異抄』入門 無宗教からひもとく
    歎異抄は築地本願寺で知った仏教であるが、この本のサブタイトルのように私も無宗教であるが故これからが始まりであると考えるています。

    法然の弟子である親鸞が教えた「南無阿弥陀」のについてそれが歎異抄のようだ。
    親鸞の教えを、間違った解釈をしたりアップデートする人たちが出るので、唯円が歎異抄として記した...続きを読む
  • 柳宗悦 ──美の菩薩
    なぜ柳宗悦が民芸の方に足を向けたのか。その歴史がよくわかる。また同時に宗教の言葉がわかる。
    美しいとは。直感とは。自然とは。簡単にわかるのではなくて、頭をぐるぐるとさせるのにはもってこい。早く民芸館に行きたい。
  • 『歎異抄』入門 無宗教からひもとく
    分かりやすく歎異抄を解説してくれている。

    人生を100年として、死んだら無になるという考え方ではあまりに寂しいとは同感だ。

    世の中では科学的根拠のない宗教とか輪廻転生、前世などはオカルトとして信憑性にかけるものとされているけれども、自分でもコントロール出来ない自我はどこから来ているのかもまた説明...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    日本人は無宗教だとはよく聞くが、それはよく考えてみればありえない言説だということを、分かりやすく説明している。
    宗教学では、宗教が「創唱宗教」と「自然宗教」に分かれるのかということにも議論があるらしいが、創唱宗教と自然宗教の違いについてイメージを掴むにはもってこいな1冊だと思った。
  • 歎異抄
    唯円「 歎異抄 」

    阿満利麿 の現代語訳と解説がわかりやすい。宿業についての解説は 悪人正機説の疑問を解決してくれる

    全体を読んで 気付いたのは、歎異抄は 大衆向けの啓蒙書というより、法然 や 親鸞 のカリスマ性をベースにして「ここに書かれたことは 時代が変化しても 変えるな」という弟子への行...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    日本人は無宗教といいながら、信仰を持つことは大切だと考えている人が多い!この矛盾の意味が的確に説明されている。自然宗教を信じているから。日本の仏教・神道の歴史に始まり。明治以降の天皇崇拝などの分析が興味深い。葬式仏教の良い点。江戸時代の儒学者が仏教を馬鹿にしたのは葬式仏教だからではない!目が開かれる...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    日本人は無宗教、この言葉に多少の後ろめたさと違和感を感じていたが、本書を読んでこういう感情がすっきり整理できた。自分は無宗教だという人は、キリスト教やイスラム教のような「創唱宗教」ではなく、「八百万の神々」「山岳や巨石、大樹への畏怖の念」「お天道様が見ている」といった観念を基盤とした「自然宗教」の信...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    日本人は無宗教ではなく「自然宗教」の信者である。しかし、明治政府による「天皇崇拝」や「日常主義」の考えが自然宗教を慣習に貶め、日本人の宗教観を痩せ細らせているという。前半部は特に実感に重ね合わせながら読み進められる。
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか
    本の題名と内容は一致していない。
    第四章あたりで、宗教を必要としないで「納得」していく人もいる、という結論が出ているし、「なぜ宗教を必要とするのか」は中心的な議題ではなさそうと感じた。

    五章六章は、「どのようにすれば宗教と出会えるか」について。

    「はじめに」で書いてあるけれど
    ムラの消失や「自然...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    宗教について深く考えたことがなかったので
    良い足がかりになると感じました。
    以下メモがわり。

    著者は自然発生した民間信仰,民俗宗教とも呼ばれる「自然宗教」と
    教団,教祖,経典を有する(キリスト教,仏教のような)「創唱宗教」と
    を分けて考えている。
    日本人のいう「無宗教」は自然宗教のことをさし、
    ...続きを読む
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか
    宗教への批判を分類し、各批判に答えている3章が
    個人的に得るものが多かった。
    宗教への批判は的外れなものが多い。

    日常では遭遇しない、
    常識では対処できない事柄に遭遇した人は、
    その意味を求めざるおえない。
    宗教とはそれに「納得」する説明を与えるものである。

    著者は「自然宗教」において大切である...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    宗教には「自然宗教」「創唱宗教」とに分かれる。あなたの宗教は何かと聞かれ無宗教と答えると人間であることを否定することになる。無宗教という言葉は実は自然宗教をさしており、日本列島に属しているので無宗教という言葉で済ますことができる。初詣に80百万人も出かけるのは日本人の多くが自然宗教の信者であるから。...続きを読む
  • 無宗教からの『歎異抄』読解
    自分の家が浄土真宗だけど、自分がどんな宗教なのかを聞かれても答えに困る。歴史の授業で習った程度で漠然とは知っていても、浄土真宗がどんな宗教なのかをあまり考えたことがなかった。歎異抄にどんなことが書かれているのか、また親鸞がどんなことを説いていたのかが分かりやすい説明で書かれており、理解しやすかった。
  • 法然入門
     法然の説く浄土宗の入門書であるが、宗教そのものにあまり関わる機会がなかった人向けに書かれている。阿満氏は冒頭で、「あの世」の実在を信じなくて久しい現代の文明社会においてなお、なぜ宗教が必要かを述べる。
     曰く、人は物事に「意味」づけを求めるものであり、それは親しい人の死や自らの不治の病という「納得...続きを読む
  • 行動する仏教 ──法然・親鸞の教えを受けつぐ
    2014年99冊目。(再読)

    「絶望」は「自己愛」から生まれる。
    自己主張が叶わないところに生まれる。
    完全に独立した自己「エゴ・セルフ」から、見えない繋がりも含めた無数の因・縁を感じる「エコ・セルフ」にシフトする必要があると説く。
    私たちは「凡夫」であるという謙虚さが、末世の時代でも絶望を乗り越...続きを読む
  • 宗教は国家を超えられるか ──近代日本の検証
    「宗教は国家を超えられるか」副題は近代日本の検証という本である。
    第1章 古式とタブー、第2章 つくられた「ナショナル・アイデンティティー」、第3章 現世主義と云う内容で、明治国家が日本人を臣民化するのに腐心してきたかという意図、プロセスが解明されている。
    また、第4章は「国家を超える」ということで...続きを読む