阿満利麿のレビュー一覧

  • 法然入門
    末世の時代に日本に今までの仏教からすると革命的な教えを広めた法然の行動を解りやすく説いた本。

    法然を善き人と仰ぐ親鸞との関係もわかり易い。

    後世において、浄土宗と浄土真宗と分かれてしまったが、法然・親鸞の説いた浄土の教えが一本であることが理解できる。

    文章嫌いであった法然にかかる真実は後世の人...続きを読む
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか
    『日本人はなぜ無宗教なのか』の続編。日本人は一般的に、無宗教とは言いながら、立派に宗教的な精神生活を送ってきた歴史を検証しながら、丹羽文雄さん、夏目漱石さん、兼好法師などの綴ってきた文書を分析し、日本人の宗教観を抉り出している。

    フットルース的な資本主義が進行し、日本人もニヒリズムに陥ってしまうリ...続きを読む
  • 親鸞
    南無阿弥陀仏と称えることにより、人は、浄土に迎えてもらえるというシンプルな教義の浄土教。

    親鸞が善き人として教えを請うた法然との出会い、その後の宗教生活を綴った作品である。

    作者があとがきに書いているように、親鸞に関する伝記ではない。

    親鸞が手にした「信心」(まことのこころ)の世界を、作者も追...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    日本人は、もともと神仏とともに生きた長い伝統があることについて著者は論述する。

    近代の明治政府が行った国民国家つくりの過程で、その伝統が破壊されたという。

    本来、自然主教を愛してきた日本人が、近年痩せた宗教観しかもちあせなくなった。

    資本主義の伸展が根無し草市民を作ってしまう。

    そこから、豊...続きを読む
  • 無宗教からの『歎異抄』読解
    日本人に最も親しまれてきた宗教書『歎異抄」を、無宗教者にも解りやすく解説してくれているのが、本書である。

    阿弥陀仏が万人を救うべく「南無阿弥陀仏」と念仏をとなえなさいとおっしゃった。

    心虚しゅうして「他力本願」にすがれるか。

    宗教と常識の違いなど、宗教に親しみを覚えることができる平明な解説書が...続きを読む
  • 親鸞
    人間とは、限界状況に近づくほど意味を求める存在であり、だからこそ人々にはひとつの主観的事実としての宗教が求められると著書に述べられています。日本では無宗教の方がむしろ普通であることのように思われますが、大切な人を亡くし、死後の世界を考えるにつけ、今をどう生きるべきかを深く考えさせられます。それを宗教...続きを読む
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか
    「無宗教」と表現される日本人の宗教観を分析した本です。日本という精神風土は、決して宗教から離れたものではないことが分かります。

    「宗教学通論」という授業に対する期待の2~3割はこの本で満たすことができると感じました。
  • 無宗教からの『歎異抄』読解
    [ 内容 ]
    私たち日本人は、宗教について浅薄な知識しかもたぬままに「無宗教」を自認しがちだ。
    だが、信仰を得ることで精神的に豊かな暮らしを営む人びとも少なくない。
    はたして真の宗教心とはどんな生き方をひらくものだろうか?
    本書は、日本人に最も親しまれてきた宗教書『歎異抄』を、無宗教者の視点から読み...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    なるほどね。なるほどね。なるほどね。
    そう思っていたら読み終えてしまった本。
    日本人は無宗教だと言われたり、自分たちもそう感じたりしてるけど、それって本当なのかな。だって、御盆とかほら正月とか、何気に宗教と関連しているような気がするでしょ。そんな疑問にも答えてくれる一冊。
    きっと、読み終えた後に自分...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    読みやすくてよかった。
    日本人の宗教感について、違和感なく読めました。あんまり偏見もない感じ。

    大雑把には、
    日本人の無宗教は、過去の政策が無茶した歴史が絡んでるよ、
    って話でした。
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    一般的に日本人は無宗教であると言われるが、本書では筆者がこれに対して無宗教の指す宗教とは所謂創唱宗教のことであって、何故私たちは創唱宗教を生理的に避けるのかということについて論じている。
    比較的読みやすい本なので、無宗教とは?と疑問に感じた人が自分たちの宗教観を改めて見直すのに適した良書だと思う。
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    [ 内容 ]
    いまや日本人は自分たちを「無宗教」と規定してなんら怪しむことがない。
    しかしほんとうに無宗教なのだろうか?
    日本人には神仏とともに生きた長い伝統がある。
    それなのになぜ「無宗教」を標榜し、特定宗派を怖れるのか?
    著者は民族の心性の歴史にその由来を尋ね、また近代化の過程にその理由を探る。...続きを読む
  • 宗教は国家を超えられるか ──近代日本の検証
    1994年に出版された『国家主義を超える』が原題でそれを文庫本の形式で再販したのがこの作品。

    明治維新から始まる天皇を中心とした国家構造に神道が「非宗教」という宣伝を伴って国民に対して教化・強制されたことを通じて、昔から土着的に存在していた日本人の宗教観を破壊したという点を根本に置きながら、信教...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    著者の指摘どおり、「よくわからないけど(から)怖い」と、ただ宗教を避けているだけでは無知・思想の放棄につながり、さらには危ない宗教にころっとだまされる危険性がある、と反省。
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
     創唱宗教と自然宗教という概念はとても勉強になり、無宗教という言葉に対しても味方が変わった。
     天皇制という言葉がたびたび出てきたのは気になったが、、
  • 法然入門
    「専修念仏」の立場を説いた法然の思想について、著者がみずからの解釈を提示している本です。

    著者は、親鸞にくらべて徹底性を欠くと評価されることのある法然のことばを検討し、「対機説法」という観点からその解釈を試みています。また、武内義範や田村圓澄らの解釈を参照しつつ、法然が世俗的倫理とは異なる立場にお...続きを読む
  • 仏教と日本人
    日本の仏教が、伝統的な自然信仰とのかかわりのなかで、どのように変容し、現在のかたちになっていったのかということを論じている本です。

    民俗学における「異界」の観念にもとづいて地蔵信仰の意味を読み解き、僧侶の肉食妻帯において日本人の宗教へのかかわりを考察します。また、地獄の観念や葬式仏教などのテーマに...続きを読む
  • 法然入門
    親鸞よりも史料が少ないから、いろいろと書きづらいんだろうね。
    法然の言語の一貫性のなさあたりの記述は、「いやいやそれちょっと無理があるのでは?」という解釈が多かった。
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか
    ○一方、「自然宗教」とは、「自然発生的」な宗教という意味です。自然を崇拝するという意味ではありません。「自然宗教の特色は、「創唱宗教」と比べるとはっきりします。つまり、教祖とよばれるような人はいないし、聖典にまとめられるような明確な教義もありません。たとえば、日本の「自然宗教」では、人は死ねば、一定...続きを読む
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    日本人の「無宗教」の意味を、歴史的経緯をたどりながら明らかにしています。

    著者は、「創唱宗教」と「自然宗教」を区別します。「創唱宗教」とは、特定の人物が特定の教義を唱え、それを信じる人たちによって構成される宗教のことを意味し、キリスト教や仏教、イスラム教などが該当します。他方「自然宗教」とは、特定...続きを読む