阿満利麿のレビュー一覧

  • 仏教と日本人

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    日本の仏教が、伝統的な自然信仰とのかかわりのなかで、どのように変容し、現在のかたちになっていったのかということを論じている本です。

    民俗学における「異界」の観念にもとづいて地蔵信仰の意味を読み解き、僧侶の肉食妻帯において日本人の宗教へのかかわりを考察します。また、地獄の観念や葬式仏教などのテーマにかんしても、仏教の本来の思想からの逸脱と思える日本の信仰のありかたをしりぞけるのではなく、日本に土着の宗教的関心とつながっていることを明らかにしています。

    おおむね本書の議論は、五来重や高取正男の宗教民俗学の成果に依拠しているようですが、単にそれらの研究を紹介するのではなく、現代の日本人の信仰のあ

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    2019年03月10日
  • 法然入門

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    親鸞よりも史料が少ないから、いろいろと書きづらいんだろうね。
    法然の言語の一貫性のなさあたりの記述は、「いやいやそれちょっと無理があるのでは?」という解釈が多かった。

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    2017年12月23日
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか

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    ネタバレ

    ○一方、「自然宗教」とは、「自然発生的」な宗教という意味です。自然を崇拝するという意味ではありません。「自然宗教の特色は、「創唱宗教」と比べるとはっきりします。つまり、教祖とよばれるような人はいないし、聖典にまとめられるような明確な教義もありません。たとえば、日本の「自然宗教」では、人は死ねば、一定期間子孫の祭祀を受けることによって「ご先祖」になることができるし、その「ご先祖」は、やがて孫や子となって生まれ変わってくるとか。このように、人は死んでも「ご先祖」になることができる、そして年中行事を通じて子孫と交流することが出来る、と信じられている所では、人は死後に大きな不安を抱くこともなく生きてい

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    2017年02月26日
  • 日本人はなぜ無宗教なのか

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    日本人の「無宗教」の意味を、歴史的経緯をたどりながら明らかにしています。

    著者は、「創唱宗教」と「自然宗教」を区別します。「創唱宗教」とは、特定の人物が特定の教義を唱え、それを信じる人たちによって構成される宗教のことを意味し、キリスト教や仏教、イスラム教などが該当します。他方「自然宗教」とは、特定の教祖をもたず、無意識に先祖たちによって受け継がれて現在にまでつづいている宗教のことを意味します。著者は、日本人が標榜する「無宗教」は、創唱宗教に対する無関心を意味していると考えます。

    そのうえで著者は、日本人の宗教意識の低さを象徴する「葬式仏教」という形態がどのように生まれたのかを明らかにし、そ

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    2017年12月03日
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか

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    『日本人はなぜ無宗教なのか』(ちくま新書)の姉妹編ということですが、前著が日本人の「無宗教」的宗教観の歴史的経緯をくわしく解説しているのに対して、本書は著者自身が考える「無宗教からの宗教」がストレートに語られているように思います。

    著者はとくに浄土宗・浄土真宗の「凡夫」という発想に共感を寄せており、その考えを現代の信仰をもたない人びとにもわかりやすく説明しようと試みています。

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    2017年12月03日
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか

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    「日本人はなぜ無宗教なのか」に続く本。

    タイトルとは違い「なぜ宗教を必要とするのか」では
    なく、「無宗教と言われる日本人の宗教観」と「宗教心
    を持っているであろう日本人がこれから既存の宗教と
    どのように関わり合うか」について書かれた本と言える
    のではないか。

    「宗教」への道のりを示すガイドブック的内容でもある
    のだが、その役割を果たすには新書というボリューム
    では、圧倒的に足りないという気がする。

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    2015年01月05日
  • 親鸞

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    「信心」(まことのこころ)を中心に、親鸞の生涯と思想をわかりやすく解説している本です。

    本書では、親鸞の「信心」を唯識思想によって解釈した曾我量深の考えにしたがって解説がおこなわれています。唯識思想では、「迷い」の原因である「識」(心)について精緻な理論が展開されています。そこでは、法界から流れ出る教えを聞くことで「識」が「智慧」に転じる「聞薫習」が説かれます。そして著者は、阿弥陀仏の本願を「聞く」ことがまさに凡夫にとって「信心」を開発することにほかならないというのが、親鸞の教えだったと解しています。

    さらに、「信心」を獲得することで、自分の心のなかに生じてくる善悪を引き受けながら阿弥陀仏

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    2017年12月03日
  • 日本人はなぜ無宗教なのか

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    新書というボリュームの関係もあってか、やや食い足りない印象は
    否めないが、日本人の宗教観について実に示唆に富む内容の本で
    あった。

    考えてみれば不思議な今の日本人の宗教観について、教わったり
    考えたりする機会が無いのは、実は歴史学において宗教をまともに
    取り扱って来なかったことの表れなのではないか、と思ったりも。

    無宗教と標榜する人でも全く宗教心のない人というのはごくわずか
    だろう。人は何か信仰を持っていないと生きていくことができない。

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    2013年12月14日
  • 日本人はなぜ無宗教なのか

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    なぜ日本人は無宗教なのか?
    その大きな問題について述べている一冊。

    儒教の流入、明治維新後に天皇を神格化するため・・・
    様々な影響で今の日本は”無宗教”となっている。
    しかしその”無宗教”というのは決して真の意味での”無神論者”という”無宗教”とは異なっているのだ。
    無宗教=無神論者と自分の頭の中でおそらく整理されていたことが、違うのかもしれないと考えさせられる一冊。

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    2013年04月30日
  • 日本人はなぜ無宗教なのか

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    宗教を「創唱宗教」と「自然宗教」に分けて考えるところが、ひろさちやの「やまと教」と同じだった。やっぱりいろんな本を読むと理解が深まっていい。日本の歴史、伝統を知れてとても良かった。最後に沖縄の神様が出てきたのもおもしろかった。

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    2012年10月17日
  • 宗教は国家を超えられるか ──近代日本の検証

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    120416父三回忌法要の日に  宗教と政治―相反する二つの精神
    070609念仏法難八百年を考えるつどい
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    国民の統合を前提とする近代国家は、人々の生活や文化のすみずみにまで関与し、そこに国家の意思を貫徹しようとする。しかし私たちは国家を相対化し、対抗する精神を必要とするのではないか―。近代天皇制において日本はどのように国民の「臣民化」をはかったのか。「国家神道」のもとに国民を統合しようとしてきた歴史は、いまの私たちにどんな課題をつきつけているのか。近代日本がつくりあげた文化的枠組みの構造と実態を、宗教という視点から再検討し、国家中心主義を超える道がどこに、どのように用意されていたかを

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    2012年04月16日
  • 行動する仏教 ──法然・親鸞の教えを受けつぐ

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    副題は「法然・親鸞の教えを受けつぐ」
    仏教(浄土仏教)を軸として3.11以後のこの世界での生き方・死生観を説く。
    楽しかったなあ。

    ・南無阿弥陀仏
    ・あの世でなく現実で力を発揮
    ・不如意なことに力を注がない
    ・凡夫という人間観→希望へ

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    2013年09月02日
  • 日本人はなぜ無宗教なのか

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    タイトルの通り、日本人がなぜ無宗教なのか。実際は初詣をし、弔いの行事を行ったりしているにもかかわらず。
    深い回顧などをおこなっているが、古典っぽく、一文一文がさあ過ぎて読みにくかった。
    政治的な背景などさまざまな背景があり、現代の宗教観に至っているとのこと。

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    2011年12月31日
  • 法然入門

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    本人の考えを文字で残さなかった法然には
    多くのひとの法然への思いのこもったものが残されています。
    法然を慕う人との手紙のやり取り
    その思想を受け継いでいった親鸞の言葉。
    ひたむきに念仏のみを薦めた革新家の生き様を探る旅は
    永遠の楽しい旅のように感じられました。

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    2011年10月07日
  • 日本人はなぜ無宗教なのか

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    宗教意識という精神的な面を、史実という事実と絡めて考察したもの。
    宗教を「内」と「外」のものがあるとして、説明されている点はわかりやすい。

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    2011年02月14日
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか

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    [ 内容 ]
    宗教なんてインチキだ、騙されるのは弱い人間だからだ―「無宗教」を標榜する日本人は、たいていそう考える。
    しかし、そんな「無宗教」者も、「本当の生き方」を真剣に模索しはじめたとき、また、人の死など身にあまる不条理を納得したいと願ったとき、無宗教ではいられなくなってくるのではないだろうか。
    宗教に対する誤解にひとつずつ答え、そもそも宗教とはどういうものなのかを説き、「無宗教」から「信仰」へと踏みだす道すじを平易に語っていく一冊。

    [ 目次 ]
    第1章 死ねば「無」になる
    第2章 「無宗教」を支える心
    第3章 「無宗教」者の宗教批判
    第4章 宗教への踏切板
    第5章 「凡夫」という人間

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    2014年10月27日
  • 日本人はなぜ無宗教なのか

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    宗教は?と聞かれると多くの人が答える「無宗教」。その言葉の本当の意味を考えさせられた。自然宗教と創唱宗教という大きな枠で見ることで、日本人にとっての宗教観を学べる良い作品。

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    2010年08月08日