野田俊作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アドラー心理学をベースに性格を定義した上で、人間の行動や集団活動を改善するには…というヒントを筆者が享受してくれる。
形がなく形容の難しい性格を「その人固有の問題解決(認知、行動)パターン」とシンプルに定義し、それを前提として、個人の性格に関するよくある悩みや関連する話題に言及している。
問いに対して歪曲して回答になっていなかったり、幻想的、宗教的な話になったり、むず痒い部分があったが、冷酷な主張なのに妙な納得感があるのが面白かった。
また、法律や校則などのルール、夫婦や家族などの集団活動の問題にも、独創的だが説得力のある切り口で言及しており、読者のシチュエーションやライフステージに合わせて何度でも読める一冊に感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
勇気づけと言われたら「褒める」ことをイメージしてしまいがちだけど、
褒めることと勇気づけは全く違うんだなと改めて思った。
褒めるでもなく、叱るでもなく、
伝える、話し合いをする。
子供に対して注意しなきゃと思っていることが、見方を変えたら「ありがとう」になることもある。
伝え方って本当に大切だ。
子供に対し当たり前のように注意していたことでも、
見方を変えて、言い方、伝え方を変えると、
やはり関係性は変わってくる。
子供を上下の関係で見るのではなく、
横の関係性でみて、
1人の人間として尊重して、
対等だと思って接することで、信頼関係ができる。
そしてこちらの思っていることを「意見」として伝えて、
子供の「意見」もしっかりきく。
そうして意見同士を擦り合わせて、お互いの納得のいく落とし所を見つけていく。
この過程こそがとても大切なことだ。
そもそも、信頼関係がちゃんとできていたら、すんなりと伝わるんだなと色々と実践してみて再認識しているところだ。
もちろんこれが思春期突入となると、また変わってくるかもしれない。
だからこそ今の時期にしっかりとした信頼関係の土台を築いておくことが大切なんだろうな。
子供の課題を奪うわけでもなく、
褒めたり叱ったりして子供の意思や行動をコントロールするのではなく、
子供が自立できるように、
自分を信じて乗り越えていけるように、
勇気づけをしていきたいな。 -
Posted by ブクログ
「ありがとう」と「うれしい」が基本語
非主張的な日本人の価値観は、主張しないことで責任から逃れている。依存的な生き方である。
人が不適切な行動(負の注目)を行うのは、勇気がくじかれているから。多くの場合はやってる本人はその行動が不適切と自覚し、かつ適切な行動の方法も知っているのにそれを行っている。 勇気付けによってその行動を正していくしかないのだ。
適切な行動というのは、共同体への貢献に当たる行動
幼児期以降は、命を守る以外のことはあまりしないほうがいい。構えば構うほどダメになる。放っておけばいいというわけではなく、「何かして欲しいことがあったら言ってね」と言っておくだけでいい。(これは子供だけでなく、夫婦とかでも) -
Posted by ブクログ
私が今、一番色々なことを真似させてもらっている尊敬している先生が
「人生の本」として選んだ5冊の中の一冊。
今まで読んだ教育書の中で
一番衝撃と納得をくれた本かもしれません。
(教育に携る人にはぜひ本当に読んでもらいたい)
今までの教育の価値観をアドラー心理学の視点から論じています。
○主な考え方
・人間行動の究極目標は「集団の中で自分の居場所を確保することである」という前提。
適切な行動も不適切な行動も最終的にはこの目標の達成に向かって行われる。
・問題行動を起こす子どもがいる(発生する)のはそうしなければ居場所が確保できないと感じさせるクラス全体の構造に問題がある
そのため、
・教師の役割は、適切なクラスルームマネジメント(構造の組み立て)をすること。
最大限の勇気付けと最小限の子どもの負担の肩代わりをする。
・教師の行為はどんなことも注目になりえる。
不適切な行為は注目せず、適切な行動に注目する。
○目指すもの
子ども
・競争の原理から協力の原理へ
・共同体意識を育てる
・「自己受容感」「集団への貢献」を持つ
・「不完全であることを受け入れる勇気」を育てる
教師
・教師は責任を引き受けるボスからコーディネーターへ(きちんと責任は子どもにとらせる)
・相互の信頼関係を作る(「相互の」ということは「私(教師)が先に」という意味)
・信用(条件付)ではなく信頼(条件無し)する
○具体的
・問題児だけでなくクラスの全員に対して不適切な行動には注目しない。
適切な行動は見つけ、勇気付ける。という方針を持つ。
・考え方は常に「誰が?」「なぜ?」(過去)に焦点を当てるのではなく、「これからどうすれば?」(未来)に焦点を当てる
・罰を用いない
教師と生徒の上下関係が生まれる。叱られなかった子が優越感を持ち、競争原理が働く。「罰を受けないように。」と積極的に動かなくなる。
代わりに
・行為の結末を見届けてもらう(子どもに)
実際にどうなるか体験させる
・お願いする
命令しない。感謝「ありがとう」や「嬉しい」を用いる。
・感謝する
「あたりまえ」のことに感謝の声をかける。
「何もしない」ということでさえ、場を乱さないという協力(貢献)
・クラス会議
問題についてクラス全体で話し合う。
人間は自分に向かって語られるよりも、自分について語られるほうに耳を傾けるもの。
本の主張の本筋とは逸れますが、
○競争原理が支配するクラスの特徴(1から5へと進行していく)
1.賞賛を集める
いい子で誉められよう
2.注目を引く
なんとしても目立とう
3.権力闘争をしかける
勝とう。少なくとも負けないでいよう
4.復讐する
相手(教師)にできるだけダメージを与えよう。(愛されないならせめて憎まれよう)
5.無能力を誇示する
無能力さがバレないよう見捨ててもらおう
○教師の持つ迷信(無意識に持つ悪しき価値観)
1.完璧病
完璧にこなさせようとする。「不完全であること」受け入れる勇気をくじく。
2.反省病
過去に注目させる。これからの適切な行動を知らせることに焦点が向いていない。
3.計画病
計画通りに進むことに優先順位を置く。「計画を立てないと子どもは動かない」と信じていない。
4.努力病
結果ではなく、努力することが目標になっている時がある。
5.習慣化病
習慣としてできることに価値を置く。(これはあまり賛同できなかったですが。)
非常に納得でした。
特に競争原理が支配するクラスの特徴はまさに私の中学時代の状況そのままでした。
理由が分からないまま、悪くなっていった当時の学校生活。ようやく分かりました。
あの無力感、痛みを知っているからこそ、あの再現はしていきたくない。
この本は教師ではなく心理学の先生が書いた本で、100%そのまま再現することはできませんが、今、注目している赤坂先生のアドラー理論、実践を参考にしながら自分なりの形を生み出して生きたいと思います。
クラス会議の
「人間は自分に向かって語られるよりも、自分について語られるほうに耳を傾けるもの」という視点も秀逸だと思います。
クラス会議については、別の機会でも話せそうなのでほとんど書いていませんが、これを学級の仕組みに組み込み、適切に運営していけるかが勝負だと思っています。