二木麻里のレビュー一覧

  • オンディーヌ
    戯曲は初めて読んだ。会話文ばかりの文章なんて果たして本当に楽しく読みこなせるのか不安だったのだが、この作品に限ってそんな心配は不要だったのだと思い知った。小説のように視点が固定された地の文がないため、台詞の一つ一つが切実で、素直で、情熱的、そしてそれらの掛け合いはまるで音楽のようにリズミカルに私たち...続きを読む
  • 夜間飛行
    飛行シーンに関してはさすがの元パイロットが描く臨場感。
    職場の人間模様もすごいうまく書けている。


    一重に評価が低いのは時代背景かなと。
    墜落して、次の日も通常運行って凄いよなぁと笑。
    社長であるだけで、ほぼ人殺しみたいな業務を依頼してしたり顔してるリヴィエールに胸糞。
  • 夜間飛行
    私が読んだのは正確には山崎庸一郎訳のほう。一文一文が短く、ところどころで抽象論を入れつつも、端的にまとめられた物語という印象。物事に動じずただひたすらに前へ進むことをテーマとしていると感じた。
  • 夜間飛行
    肌合いあわなかった。夜間飛行をする話かと思いきや、むしろその業界を開拓するために大きな苦痛をも甘受せねばならない社長リヴィエールの営業日誌というか、まあ企業小説のようなものなのか。リヴィエールの鋼のような意志と部下たちに対する圧倒的な厳しさ、そして優しさには父性が感じられて好きだし、その信条も好感も...続きを読む
  • オンディーヌ
    先日読んだ或る小説で言及されていて、その引用文がひどく印象的だったので読んでみた。
    訳の違いで随分ライトな感じになってはいたけど、最後の展開は凄くドラマチックでロマンチックで、わりと好きです。

    愛した人のことをすっかり忘れて生き続けるのと、
    何もかも覚えているまま、その記憶とともに死ぬことは、
    ...続きを読む
  • オンディーヌ
    恋に落ちた水の精のお話。 新幹線の中で読む本を持っていき忘れたので慌てて選んだこの本。 最初は「この娘あかんわ!」と叫んでしまったくらいだったけど、読み進めるうちに夢中になった。