二木麻里のレビュー一覧

  • 夜間飛行

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    裏を書いてサン=テグジュペリです
    何に対しての裏やねんっていうね

    サン=テグジュペリと言えばもちろん『星の王子さま』なんですが、あえての『夜間飛行』
    まぁ、こちらも代表作っちゃあ代表作なんですけどね

    うーん、まぁ色々あるんだけどね
    色々あるんだけどめんどくさいんで1個だけ

    物語の筋としてはなんてことはないんですよ(いや実際はほんと色んなふうに読み取れてなんてことなくはないんだが)
    割と簡単な話なんです

    郵便配達する飛行機が『夜間飛行』するんですが、嵐に遭遇して結局行方不明、地上でその会社の社長がヤキモキするっていう話です
    冒涜レベルで短くまとめましたが、まぁだいたいそんな感じ

    そんな

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    2024年12月13日
  • 夜間飛行

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    <その夜を、越えられるか>

    サン=テグジュペリの名を世に知らしめた作。1931年原著初版刊行。アンドレ・ジッドの序文が添えられている。

    南米大陸で、新事業である夜間郵便飛行に挑む男たちの物語。
    南米各地からブエノスアイレスへと荷物を運び、それを各地へ、また欧州へと運ぶ。
    黎明期の事業の存続は綱渡りだった。民間の商業航空が生き延びるには、夜間の定期便を飛ばすよりほかなかった。
    一方で、当時の飛行機の性能はさほど安定しておらず、通信も万全ではなかった。暗黒の中に飛び立つには危険が大きい。
    しかし。
    夜を越えねば未来はない。

    物語の舞台は主に、空を飛ぶ若きパイロットの飛行機と、地上支援を行う老

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    2024年01月08日
  • フランス革命についての省察

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     「保守」とはなにか、そんな疑問に答えてくれる名著が本書である。著者エドマンド・バークはイギリス出身で、ホイッグ党所属の政治家として長年政治に携わった。ちなみにホイッグ党とは、議会を重視する政党であり、ゆえに昨今の議会政治のあり方を考えるうえで重要な本である。
     エドマンド・バークは「保守主義」としてあるべき条件として、①壊さないこと②今あるものをうまく活かす、この2つが大切である。つまり、「革新」のように、全てを一気に変えるわけではないが、かといって、全てのものを変えないわけではない。重要なのは、変えていくべき箇所は適宜修正すべきであり、もし修正した箇所がある場合、慎重に検討を重ねて実行しな

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    2023年07月02日
  • 夜間飛行

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    「夜間飛行」というタイトルにひかれて手に取った。夜間に広い南米大陸を飛行機で郵便配達する話ということで、静かでロマンチックな話かと思いきや、まったく違った。
    20世紀前半は飛行機の性能、無線通信技術、運行管理などが当然ながら現在ほどではなくて、天候の急変が襲ったり、パタゴニアやアンデス山脈の暴風が吹けば、途端に命の危険に晒されるという状況が前半で提示される。
    そして後半で...という展開。
    一見非情とも思える運行管理者の言動にも考えさせられる。航空機輸送が鉄道や船舶に劣後していた時代、ルーチンワークの中で重大トラブルが発生したとして、管理者はその業務を止められるのか。自分ならどうするかみたいな

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    2023年04月08日
  • フランス革命についての省察

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    革命勃発後わずか半年の段階で、その後の革命の進展をほぼ正確に予言している洞察力にまず大きく驚く。フランス革命のような世界史出来事を同時代で経験すると、まず熱に浮かされたような興奮に包まれてしまって、冷静にモノゴトを見れなくなりそうなものだが、イングランドの老政治家の人間世界に対する眼力の凄さには敬服しかない。

    本は、フランスの青年貴族に当てた書簡の形で進む。(実際に出された手紙が元になって出版されている。)従い、章番号や小見出しは原著にはないが、翻訳版では理解を助けるために追加されている。その見出しから。

    P397 予言 — 君主政が復活すれば専制になる可能性がたかい。

    P453

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    2022年10月30日
  • 夜間飛行

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    星の王子様があまりにも有名なのでこちらも読んでみた。

    4人の飛行士たちの物語。2時間のフライトの出来事がそれぞれ組み合わさっていて、情報量が多い。
    薄い本だからと軽い気持ちで手にとったら内容の濃さに驚いた。

    自分の読書量では時系列がよく掴めなくて今誰の話なんだろうとところどころ戻りながら読んだ。

    星の王子様を読んだときも感じたのだが、サン=テグジュペリの本は言葉のニュアンスがふわふわしていて夢心地で読んでいる感じ。

     

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    2022年03月19日
  • 夜間飛行

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    描かれた夜空の情景。飛行機の黎明期の話なので、パイロットと空の距離の近さに恐れも抱きつつ、サン=テグジュペリも同じような感慨を抱いて夜空を飛んでいたと思うと、彼の追体験を味わうようで、不思議な浮遊感を覚えた。

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    2022年01月19日
  • 夜間飛行

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    ネタバレ

    時代を思わせる夜間郵便配達の過酷な状態とそれに従事する人々の矜持と心理。
    部下に危険を回避するのは臆病で懲罰ものだ、と鼓舞する指導は、現在における日本の雇用の考え方では、亡くなられた遺族の訴訟や再演防止策の策定などで仕事が確実に滞ることもあり、危険なことはさせない。それに対し、ありえないくらい危機管理が希薄だが、現代に置いても戦争をしている当事国なら今もこんな考え方に至ることもあるのかと考える。
    後半、郵便配達パイロットのファビアンの消息について、緊迫した情景描写とともに描かれ、最後まではらはらさせる読ませ方は上手い。
    郵便配達パイロットの目線での人々の営みを観察し、思いを馳せるところは、皆が

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    2021年10月23日
  • 夜間飛行

    A

    購入済み

    じわじわ来る

    クローズアップされる人物が場面ごとに入れ替わって
    それぞれの立場で考えさせられる
    良い小説だと思います。
    人類の自然に対する挑戦の物語なのかな。
    そう言ってしまうと古くさくなってしまうけど。
    それでもその挑戦する精神は色褪せないのだと思います。

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    2021年07月31日
  • 夜間飛行

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    航空郵便の黎明期。夜間飛行するにはまだ装備、施設は貧弱で観測所と無線や電信でやりとりする程度。今ほど管制塔のようなものもない時代。

    暗闇の中を飛び立ち、夜間飛行で安全に郵便を届けることは飛行士にとって危険な旅路…

    ストーリーが時系列になっていないため、混乱。解説で理解。それを踏まえて再読したい本。

    表現が綺麗で飛行機に乗っているかのような景色が目に浮かぶ文体が好き。



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    2021年01月19日
  • 夜間飛行

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    新航路開拓と同様、航空便が主役に躍り出るには、スピードの優勢を生かさねばならず、そのためには夜間飛行が必須である。その目的のために犠牲があっても勇気を持って前に進む。そこに人間の尊厳と健気さを感じる。コンパクトに纏まった小編であるが、中身は濃い。2020.9.29

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    2020年09月29日
  • フランス革命についての省察

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     保守思想の古典との評価の高い本書について、バークの思想といった形では良く取り沙汰されているので、何となく知識はあるといった状況ではあったが、漸く完読することができた。

     まずもって、本書がフランス革命勃発の一年後、1790年に発表されていることに驚かされた。革命が急進化して、国王一家の処刑、反対派の粛清といった恐怖政治に至ったところを批判していたのであろうと勝手に思っていたのだが、そうではなく、かなり初期の段階から、革命に潜む問題状況を洞察していたことを知った。
     国民議会の性格や、宗教、司法、財政、軍事に渡る改革について、その問題点を一つひとつ具体的に解き明かしていく各論も鮮やかであるが

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    2020年08月10日
  • 夜間飛行

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    こちらは南米へ向かう飛行機の中で読んだ(昼間だったけれど客室内は暗かったし)。

    とにかく直球勝負なのがよろしい。無駄をそぎ落としたような文体で、危険をおかしてでも目標に向けて働く気高さをうたっている。

    21世紀日本視点から、リヴィエール社長のマネジメントに「それ違うんじゃないか」と思ってみたり、主人公たちに「そこ無理しないで飛ぶのやめたら」と突っ込みたくなったりするが、そういうことが問題なのではない。ひとつの寓話として読めば、いま自分が失ないかけているものの価値について考えさせられる。

    時間軸での構成の巧みさについては解説で気づかされた。ホントにそんなに複雑なのか?という気はするが、サス

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    2018年11月05日
  • オンディーヌ

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     水妖記の戯曲版としてあまりにも有名であり、ラストシーンは傑作である。

    水の精霊オンディーヌと騎士ハンスの悲劇的な恋愛を描いた物語で、人と人に非ざる者との恋は始まりから破局を予感させる。

     これは東西の異類婚の物語同様、予定調和ともいえる筋書なのであろうか。
     水の精霊といえば人魚姫を思い出すが、オンディーヌのように悲劇的な結末を辿る。人魚姫ばかりでない。日本の昔話で言えば、「鶴女房」「天女の羽衣」「雪女」など、異類婚の行く先は幸せなものではない。
     ハッピーエンドに終わる物語は果たしてあっただろうか?(美女と野獣は元々どちらも人間だし)

     人は異種と結ばれるということにロマンを感じる一

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    2016年01月25日
  • オンディーヌ

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    ネタバレ

    まさに悲劇の体をした作品。
    人間の弱さをとことんまでに
    痛感できる作品でしょう。

    実際にハンスは欲に負けて
    オンディーヌ以外の女性に恋をし
    婚約してしまいます。

    オンディーヌは汚れなき、うそなき
    透明な存在。
    しかしながら人はそう生きることはできないのです。

    別のバージョンも読みたいですね。

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    2015年08月22日
  • オンディーヌ

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    ネタバレ

    なんとなくデジャヴを感じでしまった。何故?
    ラストまで読み終わった時、この二人がまた何処かで出会うことはないのかと一瞬考えてしまった。

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    2012年11月16日
  • オンディーヌ

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    フランスの文人ジロドゥ(1882-1943)の手に為る恋愛悲劇、1939初演。フーケーの「ウンディーネ」を下敷きにしているが、ジロドゥの描く水の精は、この19世紀ドイツの作家のそれよりも、もっと奔放で天真爛漫で、魅力的だ。幾分砕けた躍動感のある訳文が、ジロドゥ作のオンディーヌの性格をうまく表現していると思う。僕はオンディーヌのこの口調が好きだ。

    幼子のように裏表の分裂のない、"永遠の15歳"である精霊の言動は、「みんなの大きな魂を、ほんとうに愚かに、こまぎれにしてしまった」人間社会に在っては、喜劇的に響いてしまう。この、動物的とさえ云える無邪気さ一途さが、オンディーヌだ

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    2011年03月27日
  • 夜間飛行

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    静かな夜空の様子や、突如来る嵐の激しさ、その下で生きる人々の気持ちが淡々と描かれていた。南米は暑くて人々も陽気なイメージだったので、文体が冷たくてギャップがあったが、物語の舞台である夜の感じとマッチしていて、すごく綺麗だと思った。

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    2025年10月15日
  • 夜間飛行

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    文章のリズムが自分とは合わないのか、ちょっと読み辛く…内容がスッとは頭に入ってこなかったせいか、この本の良さを感じ取るに至らず…
    短い本だけど、疲れた…

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    2023年05月21日
  • 夜間飛行

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    表現がいささか難しめで、耳慣れない用語が使われる。
    にもかかわらず想像力を要する小説なので、高校生くらいの年齢から対象、というかんじ。

    感情移入するタイプのストーリーではなく、第三者的な目線から俯瞰して見るような内容の印象を受ける。
    リヴィエールの仕事に対する真摯で厳格な姿勢をその周辺の人物とのやり取りから理性的に見ていく一方で、ひとりの優秀な操縦士ファビアンの夜間飛行で描かれる豊かな感情の推移に情動的になる。

    冒頭の書き出しの美しさが印象的。
    ただ、それ以外は個人的にはあまりハマらなかった…。

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    2021年01月09日