二木麻里のレビュー一覧

  • 夜間飛行
    時代を思わせる夜間郵便配達の過酷な状態とそれに従事する人々の矜持と心理。
    部下に危険を回避するのは臆病で懲罰ものだ、と鼓舞する指導は、現在における日本の雇用の考え方では、亡くなられた遺族の訴訟や再演防止策の策定などで仕事が確実に滞ることもあり、危険なことはさせない。それに対し、ありえないくらい危機管...続きを読む
  • 夜間飛行

    じわじわ来る

    クローズアップされる人物が場面ごとに入れ替わって
    それぞれの立場で考えさせられる
    良い小説だと思います。
    人類の自然に対する挑戦の物語なのかな。
    そう言ってしまうと古くさくなってしまうけど。
    それでもその挑戦する精神は色褪せないのだと思います。
  • 夜間飛行
    航空郵便の黎明期。夜間飛行するにはまだ装備、施設は貧弱で観測所と無線や電信でやりとりする程度。今ほど管制塔のようなものもない時代。

    暗闇の中を飛び立ち、夜間飛行で安全に郵便を届けることは飛行士にとって危険な旅路…

    ストーリーが時系列になっていないため、混乱。解説で理解。それを踏まえて再読したい本...続きを読む
  • 夜間飛行
    新航路開拓と同様、航空便が主役に躍り出るには、スピードの優勢を生かさねばならず、そのためには夜間飛行が必須である。その目的のために犠牲があっても勇気を持って前に進む。そこに人間の尊厳と健気さを感じる。コンパクトに纏まった小編であるが、中身は濃い。2020.9.29
  • フランス革命についての省察
     保守思想の古典との評価の高い本書について、バークの思想といった形では良く取り沙汰されているので、何となく知識はあるといった状況ではあったが、漸く完読することができた。

     まずもって、本書がフランス革命勃発の一年後、1790年に発表されていることに驚かされた。革命が急進化して、国王一家の処刑、反対...続きを読む
  • 夜間飛行
    こちらは南米へ向かう飛行機の中で読んだ(昼間だったけれど客室内は暗かったし)。

    とにかく直球勝負なのがよろしい。無駄をそぎ落としたような文体で、危険をおかしてでも目標に向けて働く気高さをうたっている。

    21世紀日本視点から、リヴィエール社長のマネジメントに「それ違うんじゃないか」と思ってみたり、...続きを読む
  • 夜間飛行
    夜間に郵便物を運ぶ小型飛行機。
    まだ、始まったばかりの事業で、ほとんどの人はあまり肯定的でない。
    夜は暗闇でより危険だから。

    ある日の夜間飛行。
    パイロットは嵐に見舞われ、地上の社長は気持ちが揺らぐ。

    助かるのかと思っていたら違った。
    社長は落ち込むけど、でも、夜間飛行はやめない。

    判断をくだ...続きを読む
  • オンディーヌ
     水妖記の戯曲版としてあまりにも有名であり、ラストシーンは傑作である。

    水の精霊オンディーヌと騎士ハンスの悲劇的な恋愛を描いた物語で、人と人に非ざる者との恋は始まりから破局を予感させる。

     これは東西の異類婚の物語同様、予定調和ともいえる筋書なのであろうか。
     水の精霊といえば人魚姫を思い出すが...続きを読む
  • オンディーヌ
    まさに悲劇の体をした作品。
    人間の弱さをとことんまでに
    痛感できる作品でしょう。

    実際にハンスは欲に負けて
    オンディーヌ以外の女性に恋をし
    婚約してしまいます。

    オンディーヌは汚れなき、うそなき
    透明な存在。
    しかしながら人はそう生きることはできないのです。

    別のバージョンも読みたいですね。
  • 夜間飛行
    【本の内容】
    南米大陸で、夜間郵便飛行という新事業に挑む男たちがいた。

    ある夜、パタゴニア便を激しい嵐が襲う。

    生死の狭間で懸命に飛び続けるパイロットと、地上で司令に当たる冷徹にして不屈の社長。

    命を賭して任務を遂行しようとする者の孤高の姿と美しい風景を詩情豊かに描く。

    [ 目次 ]


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  • 夜間飛行
    たまたま読書会の課題だったのだが、
    いまこの年齢で、こういう仕事をしていて、この本と出合えて良かったと思う。

    『序』の中に、

      「ここで描かれたのは、人間の幸福が、自由の中にあるのではなく、
     責務を引き受ける中にあるという逆説である。」

    とあるが、僕が感じ入ったのはまさにこの点だ。

    ちょ...続きを読む
  • 夜間飛行
     若かりし頃。

     大学生活を送る街から、故郷へバイクで帰る時。
     時間はあるが、お金のなかった学生の私は、
     高速道路を使わずに、国道を延々と走り続けて帰ったものだ。

     約500kmの単独行。
     ヘルメットのシールド越しに世界と隔絶された時間。
     一番最初のそれが、日差しの強い昼だったため、火傷...続きを読む
  • オンディーヌ
    なんとなくデジャヴを感じでしまった。何故?
    ラストまで読み終わった時、この二人がまた何処かで出会うことはないのかと一瞬考えてしまった。
  • オンディーヌ
    フランスの文人ジロドゥ(1882-1943)の手に為る恋愛悲劇、1939初演。フーケーの「ウンディーネ」を下敷きにしているが、ジロドゥの描く水の精は、この19世紀ドイツの作家のそれよりも、もっと奔放で天真爛漫で、魅力的だ。幾分砕けた躍動感のある訳文が、ジロドゥ作のオンディーヌの性格をうまく表現してい...続きを読む
  • 夜間飛行
    文章のリズムが自分とは合わないのか、ちょっと読み辛く…内容がスッとは頭に入ってこなかったせいか、この本の良さを感じ取るに至らず…
    短い本だけど、疲れた…
  • 夜間飛行
    表現がいささか難しめで、耳慣れない用語が使われる。
    にもかかわらず想像力を要する小説なので、高校生くらいの年齢から対象、というかんじ。

    感情移入するタイプのストーリーではなく、第三者的な目線から俯瞰して見るような内容の印象を受ける。
    リヴィエールの仕事に対する真摯で厳格な姿勢をその周辺の人物とのや...続きを読む
  • 夜間飛行
    好き嫌いが分かれる本。
    星の王子さまのようなものを想像しているなら読まない方がいいと僕は思う。
    パイロットになりたい人とかが読むとハマると思う。
  • 夜間飛行
    うーん。星の王子さまを読んだあとだから尚更なのかもしれませんが。

    こーゆー展開はやっぱり、おもしろいと思わないんだなぁ。

    みんなで雷雨と戦って、無事生還!
    良かった良かった)^o^(
    みたいな話の方が、スカッと気持ちいいです。単純だけど。

    この時代の飛行が命がけ。とゆーことは、よく分かりました...続きを読む
  • 夜間飛行
    当時の夜間飛行の危険さと勇敢さ、そして美しさを知る。
    本編並みの解説ページがすごいが、あえてスルー。
    失敗を恐れては何も出来ない、しかし、その失敗は何より重い。
    星の王子様と同作者ながらこちらはリアリティがすごいがその中にもファンタジーさがあって一気に物語に引き込まれる。
    ファビアンの末路がぼやかさ...続きを読む
  • 夜間飛行
    大戦前の航空郵便事業についての小説。フランスと南米大陸を結ぶ航空郵便路線の運営に関わるパイロット、運営責任者等の心理を描いている。

    技術的に夜間のフライトが非常に困難な時代に危険を顧みず、崇高な使命感でやり遂げようとする人が美しい。