杉原保史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレp30 面接の今ここでクライエントのありのままの体験を促進する
p30 その土壌となるのが、信頼感や安心感のある人間関係です。
p49 クライエントの話の内容だけに注意を向けてはいけません。声や表情、視線、姿勢
態度、話しぶりなどに注意を向け、そうしたチャンネルを通して伝えられるメッセージを受け取るように聴きます。
p50 その問題に、その問題のままで、じっくりと身を浸してみること。その問題をありのままに堪能すること。その問題のテイスト、感触、雰囲気をじっくりと味わうこと。
p57 慰めないことがカウンセリングこ目標なのではなく、その挫折体験を「目覚めさせる体験」にまで高めることがカウンセリングの目標なのです。
p109 声の表現における要素
大きさ
高さ
速さ
間
声色
抑揚
アクセント
リズム
滑舌 -
Posted by ブクログ
心理職として行き詰まった時、折に触れて読み返している。
カウンセリングの本質は、来談者が自己の情動を十分に喚起して、体験にじっくりと触れられるように援助すること。一切の価値判断なしに自己の体験に気づき、受け容れられるようになること。
カウンセラーは自己の在り方、身体を道具にして援助を行う。言葉の内容面だけではなく、音声面にも着目する。呼吸や姿勢に意識を向ける。話し方ひとつをとっても、何をどのような順番でどのような言葉で伝えるか意識する。それら一つ一つの細やかな配慮こそがプロフェッショナルなカウンセリングを生み出す。
カウンセラーとしての成長発展に大きな希望を与えてくれる、至高の一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ近しい関係の方がとても悩み苦しんでいます。その方が私に苦しみを話してくれた時に、少しでもその方の力になれたらと思って、この本を手に取りました。
悩み苦しんでいる人の話を聞いた時に、自分の経験したことのない程の苦しい物事だった場合、私は、その人の本当の気持ちを心から理解して寄り添うことがとても難しいと感じます。自分の発する言葉がとても安易に感じてしまい、自分の非力を感じ悩んでしまう事もありました。
以下、とても参考になりました。
-誰かと共感的なコミュニケーションを取ると決めたならその時間はただ相手の気持ちを受け止めることだけをするように心がけます
-人は基本的に物事を自分中心に考えてしまいます。共感的なコミュニケーションをすると決めたなら、相手中心に考えるのです。相手の気持ちを感じとるのです。
-自分の意見は脇に置きます。共感できない自分の思いは放っておく心構えが必要です。自分自身の評価や気持ちから離れるのです。
-その人のありのままを「受容」し「共感」し「変化促進」を促します。
-正解のない道のりです。結局自分で答えを出すしかありません。それを踏まえた上で一緒に悩んでくれ、孤独な道のりを共に歩んでくれる人が、悩んでいる人には必要なのです。
-「反射」の受け応え。悲しいんです、に対して、悲しいんだね、と返すことで、悩んでいる人はさらに発展させて話すことができます。
-悩んでいる人の、まだ話していないこと、話せないでいることを聴く方がもっと大事です。声、視線、姿勢などにおぼろげに現れた影に、気づき、言葉を与えること、それが深い共感です。
-相づちは調子を合わせる行為です。ダンスのステップを踏むように。
-人は常に矛盾や葛藤を抱えて生きています。また、人の気持ちは時間とともに変化します。性急に白黒つけようとしてはいけません。悩んでいる人が持つ、葛藤や相反する気持ちがある辛さを共感し受容するのです。
学ぶことの多い本でした。
最後に。一番大事なことは、相手を信じきること。悩んでいる人のありのままを信じきること。だと思いました。
実践できる人間でありたいと思いました。
-
Posted by ブクログ
カウンセラーはカウンセリングの展開を理論で評価しがちだが、本来は声、姿勢、話し方などが重要な要素でありいわば「役者」と同じものがあるという趣旨。
具体的な事例に対し、こう対応したらどうかなど丁寧な解説で、読んでいてまるで自分がカウンセリングを受けているような気持ちになった。
特にマインドフルネスという考え方が印象に残った。
カウンセリングにおいてクライアントへの無条件の肯定が必須。それを自分に当てはめてみる。自分に思い浮かぶ感情になんの評価も価値も加えずありのままを感じる。こんな自分はダメだとか、なぜこんな人生なんだろう、とか考えずに、自分に湧き上がってくる感情をそのまま。それはありのままの自分を受け入れることであり、なんか暖かい気が身体を流れて行く気持ちになる。 -
Posted by ブクログ
うつ病からの寛解を勝ち取った今、願っていることがある。
この経験を人のため、社会のために活かしたいということだ。それには、病気に対するきちんとした知識を身につけたい、と思っている。
リワークプログラムに通っている時にある心理士のスタッフから言われた。
「皆さん方は、下手な医者や心理士より、メンタルヘルスについての専門家です。病気の辛さと回復する感覚を、実感として持っているから」
題名にある「技術」という表現は、誤解を招くかもしれない。しかし、きちんとした「技術」なく対話の現場に出れば、大火傷をしてしまう。
共感とは、優しい癒しのイメージで捉えらがち。しかし、それは勇気の挑戦であり、一種の賭けでもあると著者は語る。
疲れるし、エネルギーも使う。
だからこそ、報われた時の喜びも大きいのだと。
「苦しみは分け合えば半分になり、喜びは分け合えば倍になる」
心は工なる画師の如し。
対話によって、共感によって、自身を見つめ、心を通わせる。
多くの現場を踏んできた著者のわかりやすい具体例の数々。
知恵は現場にあり、だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2015年の56冊目です。
相手に共感することを、自分の信条としていました。
特に、女性の話を聞く時は、共感を心がけようとしていました。その共感とは、相手の感情に同意するというレベルだったと思います。相手「凄く、苦しかったです」。私、「そうか、それは、苦しかったですね」。相手と同じ感情を抱くといえば、少し高度な感じがしますが、それが私の理解している共感でした。
しかし、著者は、共感は個人の境界を超えることだと定義しています。境界を超え、響き合うことだと述べています。
本のタイトルからしたら共感のKnowhowが並べてあると思いましたが、そのような表面的なことはほとんどなく、そこからさらに踏み込んだ経験的考察による考え方が説明されています。カウンセラーが良く行う「オウム返し」(悲しいよ。悲しいんですねみたいな感じ)=反射にも、多様なバリエーションがあり、相手の状況を観察して、自分から何かを付けたすことが無い範囲で、具体的な反応をすることも反射の一つとしています。まさにプロカウンセラーの言葉だと納得できました。 -
Posted by ブクログ
怒ることだけでなく、怒られること、怒れないこと、叱りに対しても言及されているのがよかったです。
今やってることは悪くなかったんだと思えました。
個人の問題じゃなくて環境の問題が根本というのは本当にそう
世の中、怒るが悪いこととされすぎで立場が悪いと感じるんですけど、正常な怒りが歪ませられていく点についても書かれていた、残念ながら本当によくある光景だと思う
マイクロアグレッションという言葉は知らなかったけど、その事象についてはよく考えていて、私が思うに実際にマイノリティとは限らないというか、あくまでその環境の中のマジョリティ感覚にすぎず、全体で考えたらマジョリティだと思っていた自分のほうがマイノリティなこともある
力の不均衡というのは勢力差に限った話ではなく、出来の差とかでも起こりうるし、誰もが何かしらの分野で受けがちな話で、結局は自分と違う人への思慮に至れないから起こると思うから、自分が間違ってるかもしれない、自分とは違う考え方があるのかもしれないという思考がやっぱり大事なのだと思った
DESC法の記述は相手との共通認識を図るだけでなく、自分の怒りが妥当かを客観的に考えるのにもよさそう。
数字で見たらそんなことはないのに怒ってる場合あるしな
こういうカウンセリングの対処法的なのってよくイメージワークが出てくるけど、アファンタジアにとってイメージってしづらいことのほうが圧倒的に多いから結構困る
釈迦さんはイラっとしたとき、スルーを助ける言葉をよくつぶやいてるなぁと思った
パッシブアグレッション=マジョリティのフキハラ、マイノリティによるSOSの兆候
この本を読んでいて、怒ってほしいところは怒ってもらえなくて、自分はできてないのに怒ったりとか、そもそも怒られる意味がわからない理不尽をぶつけられたりとかがイヤだったなぁと思い出した
写って 映って
手当 手当て
伝えることにできずにいて 伝えることができずにいて -
Posted by ブクログ
アンガーマネジメントが流行ったり、ちょっと怒ると〇〇ハラスメントになったりで、上司も先生も親も怒りづらい。最近は「怒り=悪」という風潮になっているけど、本来怒りって自然な感情なのでは?と思っていて…
このタイトルの賢く怒るというのが気になって手に取ってみた。
読んでみて、自分の中のモヤモヤがすっきり!
まず、感情に善悪をつけることがおかしいんだと気付いた。マイナスの感情であっても、そのままを肯定し受け止める。でも、それは変化を求めて努力しなくていいということではない。この分離が私はうまく出来ていなかったなぁ。
そして、何かがうまくいかない時に「ダメだ!」と思うのではなく「ダメだな〜」とゆるく受け止める。このゆるさも大事だなと。
他にもカウンセラーならではの具体的な手法が書かれていて、参考になるものがたくさんあった。
怒りを抑え過ぎてしんどくなることがあるので、実践してみようと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ共感とは、ということについてとても詳しく書かれている。対人サービス職、マネジメント層の人は1度読んでおくと良いかも。
memo
共感は、「人と人とが関わり合い、互いに影響し合うプロセス」のこと。互いの心の響き合いを感じながら関わっていくプロセスであり、それを促進していくための注意の向け方や表現のあり方などを指すものである。
共感は「感じたままに受け取る」で終わるのではなく、感じられたものは〝表現される、伝えられる〟必要がある。
誰かに共感するためには〝観察力〟〝想像力〟〝注意のコントロール力〟〝表現力〟が必要。
本人にしか解決できないことだから、一人で取り組ませておけ、というのはあまりに冷酷な姿勢。一人ではできないことを、一緒に考えてくれる人が必要なのです。(=カウンセラーの役割) -
Posted by ブクログ
冒頭から心に刺さることがずばり書かれていた。
「多くの人は、共感とは相手の感じているのと同じ感情を具体的にそっくりそのまま感じることだと考えています。…多くの人は、共感をこのように定義づけた上で、「共感なんて本当にできるのか?」という問いをくり返しくり返し、問いかけ続けます。」
私がこの本を手に取ったきっかけは、友人に何気なく「カウンセラーに向いてそう」と言われたからだ。それと同時に、日頃から「共感」を上の「多くの人」と同じように定義づけていたため、自分が人に共感するなんてできっこないと思っていた。あらためて共感とは、心理カウンセラーとはどんなものなのか知るために本書を読んでみた。
著者は現職のカウンセラーで、説明のための実例も書かれており読みやすい。
医者は体の不調は治せるが、心のわだかまりについてはそこでは置き去りにされる。法律の問題でもそうだ。弁護士は法律の専門家ではあるが、法的な争いにおける心理的なケアまでは行わないだろう。身体的な問題であれ法律的な問題であれ、人間には心の問題というのが同時につきまとう。むしろ、心理的な問題を解決することで前向きな行動をすることができ、心理的ではない問題を乗り越えることもできる。そうした心理的ケアのひとつとして、「共感的な関わり」は欠かせないものである。
心理学については河合隼雄の著作を読んだことはある。大学で精神分析入門の講義を履修したこともある。しかしそれらはいわゆる「学問」の領域で、実際に目の前の人間と対峙するようなものではなかった。学問としての心理学も非常に興味深いのだが、こうした実践的な内容も実に面白かった。
カウンセリングの実例の中で、ふとクライアントの苦痛の核が見える瞬間が、大袈裟かもしれないが感動的だ。傷ついた人間が再び前を向く瞬間は美しく、小説や映画の中では物語のクライマックスにもなるだろう。それを体験できるカウンセラーに憧れを感じた。もちろんその過程には色々な試練があるのだろうが。
私はカウンセラーではないけれども、日常の気軽な会話の中でも共感的に人と関わってみたい。知識として理解するだけではなく、体験して実感したい、そう思った。 -
Posted by ブクログ
「組織開発の探求」で紹介してあって、タイトルに心がひかれたので読んでみた。
カウンセリングはサイエンスではなくて、アートなのだ、というのは、まあ当たり前の主張であるようで、当たり前でもないのかな?
つい理論が先行して、クライアントではなくて、理論の解釈をみているということは多いからですね。
アートとしての観点からみると、普通あまり言及されないところが気になってくる。たとえば、声の出し方とか、座っている姿勢とか、呼吸とか。。。。
そうそう、それって、とても気になっています。
クライアント的には、声の深さみたいなのがすごいインパクトあるという体験が多い。が、そこに言及してあることって少ないですね。
ディープな声を出す人にきいても、なんらかの発声法を学んでいるわけでもなさそうで。。。。
というわけで、声の出し方についても、ある程度の分量をもって紹介してあるこの本は貴重。