杉原保史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
・人は何かを見ようと意気込んでみるとき、見たいものしか見ない。
・オープン、クローズクエスチョンは、形式ではなく働きで区別する。
つまり、それまでの対話の流れを元にして相手の自由な反応を促進しているか、逆に、自由度を狭めて話題をよりフォーカスしているかだ。
・相手が言うことによって前に進める言葉は繰り返し言ってもらう。
・面接者から見て「どうでもいい話」と思えるような場合でも、すぐにそう決めつけず、じっくり聞いてみると、そこから意味深い展望がひらけることがある。
・客観で話す人を、うまい具合に主観で話してもらう。
・直接「なぜ?」と聞くのではなく、他者から客観的に見た様子を答えてもら -
Posted by ブクログ
ちょうど関心のあるテーマだったこともあって、興味深く読むことができた。序盤の図を見れば、もはやカウンセリングは、面接室内のやり取りだけでどうにかなるものでもないときがあるということがよくわかる。臨床家は、目の前の来談者の困り事や病理を個人に内在化するのではなく、社会という広い文脈の中で捉える視点を養う必要があるだろう。
そのための教育や養成プログラムの章は参考になることが多かった。思い返せば、自分が受けた頃の専門家養成カリキュラムでは、生物-心理-社会モデルのうち、生物と社会の側面に関する内容はほぼ扱われておらず、今になってようやく自分で学んでいる最中である。今後、アドボカシーの実践者としての -
Posted by ブクログ
心理支援領域で社会にアプローチする本書のような物が出版されるのは隔世の感がある。特に我が国の心理臨床の状況ではなおさらである。20世紀の心理療法のパラダイムシフトでは第1勢力として精神分析・力動療法、第2勢力として行動療法と認知行動療法、第3勢力として実存主義的心理学と人間性心理学、第4勢力として多文化カウンセリング、そして2000年代に体系化され第5勢力と呼ばれるようになった社会正義アプローチとのことで、北米では学会の教育や倫理規定にも影響を及ぼすようになっているとのことである。社会正義アプローチはsocial justiceの訳語だが、正義を入れることの編者の葛藤もあったようだが、編者のカ
-
Posted by ブクログ
ネタバレ①Information (客観的な情報)
多くの人が「共感されたい」と思いつつ「絶対共感されたくない」という側面を持っている
その人にしか分からない、分かり合えない領域がある前提で一体となろうとする営みが「共感」である
考えるな!感じろ!
→ 一生懸命聴いていても、聴き手の頭の中で何かを「考えて」いて、自分が「感じて」いることに注意を払っていなければ共感と言えない
→とにかく「自我」を捨てて、相手の表情や姿勢、声色、視線の投げ方をひたすらに感じる
→話の内容ばかりに気を取られるな、機微の変化も察してFBしてあげると気づきにつながる
アイコンタクト、話す前の「間」、呼吸で集中力を整える -
Posted by ブクログ
【目次】
第Ⅰ部 イントロダクション
第1章 社会正義カウンセリング概要:その歴史と特徴
1.心理に政治を持ち込むな?
:社会責任に応える心理学の歩み
2.治療同盟における「社会的背景」という死角
3.第5勢力としての社会正義アプローチの興りと特徴
4.人権に基づくアプローチと心理支援における人権教育
5.社会不正義への加担を自己監視する批判心理学という視点
6.おわりに
第2章 社会正義アプローチにおけるコンピテンシー
1.社会正義とは
2.心理支援者の役割の拡大
3.社会正義と倫理
4.国内における社会正義
5.コア・コンピテンシー
6.アドボカシー・コンピテンシー
7.多文化 -
Posted by ブクログ
ネタバレ共感とは人と人がかかわり合い、互いに影響しあうプロセス
相手とぴったり同じ気持ちになることでなく、互いのこころの響きあいを感じながら、関わっていくプロセスであり、それを促進していくための注意の向けかたや表現のあり方
共感が伴わないコミュニケーションが横行している
共感は人間を強くし、自分自身への共感は自信となる
あなた自信が自分の気持ちや思いをよく実感し自覚し理解していくことが大事
不安なこと怖いこと恥ずかしいこと寂しいこと腹が立つことなど、存分に味わい、だからどういきるのか
試行錯誤しながら自分で答えを見つけるそれが豊かな人生といえるのです
共感的コミュニケーションをすると決めたの -
Posted by ブクログ
プロのカウンセラーの共感の技術】
教師や子どもと関わったり人と関わったりするすべての人に必須の本です。
私が、誰かと話をしていて「残念だな」というか「悔しい」と思うのが、
しゃべっている時に話を遮られたり、
「それ違う」と否定されることです。
あるいは、
自分の課題に入ってこられて、「つまりそれってこういうことだよね。こうするべきなんじゃない」と頼んでもいないのに解決されようとすること。
全て「善意」なのかもしれませんが、
それをされるとカチンとくる。
絶望的な気分になる。
それは、自分の話を聞かれていないというか、受け止められていないんだな、というふうに感じて哀しいわけです。
抜けない釘が心 -
Posted by ブクログ
ネタバレp46 あなたは共感しようと努力する必要は少しもありません。ただ、いつの間にか共感している自分に気がつくだけです。
p56 誰かに共感するためには… 観察力、想像力、注意のコントロール力、表現力
p62 価値判断を留保した態度で、そのままに、ありのままに受けとめる態度が受容であり、そこで感じられることに注意を向けて感じ取ることが共感なのです。
p108 葛藤の両面をつなぐときに、そして、それと同時に、その一方でといった接続詞を使ってその二つを穏やかな関係でつなぐ。コメント全体を穏やかな声で言う。
p155 自分の気持ちに注意を向けることをしない習慣を長年にわたって発展させてきた人の場合、単にそ -
Posted by ブクログ
ネタバレp30 面接の今ここでクライエントのありのままの体験を促進する
p30 その土壌となるのが、信頼感や安心感のある人間関係です。
p49 クライエントの話の内容だけに注意を向けてはいけません。声や表情、視線、姿勢
態度、話しぶりなどに注意を向け、そうしたチャンネルを通して伝えられるメッセージを受け取るように聴きます。
p50 その問題に、その問題のままで、じっくりと身を浸してみること。その問題をありのままに堪能すること。その問題のテイスト、感触、雰囲気をじっくりと味わうこと。
p57 慰めないことがカウンセリングこ目標なのではなく、その挫折体験を「目覚めさせる体験」にまで高めることがカウンセリ