中川裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ページ数560!
新書とは思えない本の厚みです。
この本を読む前に、マンガ「ゴールデンカムイ」を完結まで読んでいることが、必須条件の新書です。
アイヌだけでなく、樺太の少数民族にも触れられていて、初めて知るようなことばかりでした。
印象的だったのが、「第六章 世界史のなかの『ゴールデンカムイ』」です。世界史を履修していないせいかもしれませんが、興味深く読みました。また、マンガを読んだ時よりも、ソフィアのことを好きになりました。
タイトルに「絵から学ぶ」とあるように、ふんだんに漫画のイラストが掲載されています。あらためて、限られた資料からここまでの緻密な絵に再現した野田サトル先生の労力は -
Posted by ブクログ
漫画ゴールデンカムイはアシリパが好き。
最終話を読み、もっとアイヌについて学びたいと意欲があって探し、この本を知り、即買いました。
ゆっくりと読んでいたのですが、2024年秋から始まった北海道ウポポイのキャンペーンに便乗して旅行に行く準備で忙しく、中断して、旅行から戻ってから続きをじっくりと読みました。
私が特に驚愕したのは、アシリパの真っ白な衣の説明でした。
読んだことのない人に、ぜひ知って欲しい情報です。
アイヌについての入門の書という内容ですが、漫画が好きになった人を仲間のように歓迎してくれる表現や呼びかけがあって照れつつも嬉しく感じました。
明治の時代の、日本、ロシア、世界の動き -
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Posted by ブクログ
ゴールデンカムイのアイヌ語監修者が作中の一コマを使いながらアイヌ文化について解説する贅沢な一冊。野田サトルさんの書き下ろし短編も収録。
ゴールデンカムイを読んだ方はより一層アイヌ文化に興味が深まり、読んだことのない方は作品も読みたくなるような一冊でした。
起源、言葉、ユカラなどの物語文化、食事などをわかりやすく紹介してくれています。
昨年北海道博物館に行った際に現地で学んだ内容がおおよそ網羅されていて、これを読んだ後に博物館などで展示品、資料などの現物を見るのもまた面白いのではないかと感じました。
やはり漫画から入ってくれるのはとっつきやすい。どんな形でも興味を持って知ってもらうのが大事だなぁ -
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Posted by ブクログ
連載が修了し、物語の最後迄が単行本化もされている、好評な漫画作品『ゴールデンカムイ』をタネに、作中世界で取上げられているアイヌ文化に纏わる話題等を供する本である。同じ著者による「前著」で言及していることと一部は重複するが、それを避けても「こんなにも多くの話題」ということで驚く面も在る。
本書は「前著」以上に、アイヌの一年の暮らしというような事柄や、独自な精神文化を背景にしていると考えられる社会の中での人々の所作や、何かの言い方というような事柄への言及が多い。それらは非常に興味深く、『ゴールデンカムイ』という漫画の描写等を例として示すことで内容が判り易くもなっている。
更に、『ゴールデンカムイ』 -
Posted by ブクログ
本書は2019年に登場している。「好評連載中」であった漫画『ゴールデンカムイ』を踏まえ、アイヌ文化に纏わる話題を提起し、作中の関係の描写等を少し出して少し踏み込んで話題を展開する訳である。その手法が面白い。
正直、自身は漫画『ゴールデンカムイ』を読んではいない。最近公開の実写映画を大変に愉しく観た。そこで作中の時代や、出て来る様々な文物に興味が湧いて、新たに『ゴールデンカムイ』に題材を求めたアイヌ文化等の話題の本が出ると知った時、「同じ著者による“前著”」を押さえようとした訳だ。そういう思い付きで、こちらも読んでみて正解であったと思う。漫画に通暁していなくても十二分に愉しい。
本書は、アイヌの -
Posted by ブクログ
待ちに待ったゴールデンカムイのアイヌ語監修中川さんのゴールデンカムイ関連の続刊。
まず、分厚さに驚き。すごい分量です。
中でも触れられていた通り、前著より漫画からの絵の引用が多いとのことでより漫画からの関連で語る視点で漫画ゴールデンカムイがお好きならスラスラ読み進められると思います。
途中、樺太、ソフィアの話など道外の話になると世界史真面目に勉強しておけばよかったな〜とはなりました。
実写映画を見てゴールデンカムイ熱があがるタイミングでしたのでこのタイミングでの刊行はとても良く、アイヌについてもゴールデンカムイについても興味がより深まりもっと知りたいと思える相乗効果を生んだなと感心します。
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Posted by ブクログ
アイヌ文化を大衆エンターテイメントとして昇華し、幅広い世界にその深みと敬虔さを伝えた漫画作品の解説本。アイヌという世界がどのように成立し、身の回りのあらゆるものに対してカムイとしての認知や、虹や蛇を恐れる世界観、倭人からの侵略により一方的に不利な立場に置かれたその歴史に至るまで、文化的な視点から解説している。ゴールデンカムイがいかに精緻な研究や調査に基づいて描かれ、それをエンタメで見事なまでに魅力的な作品としている大作であるかを、節々と感じた。何となく興味があるけれど、深く学ぶにはハードルが高いし、そのきっかけもない、そんな身の回りにある“端の文化世界”に切り込み、人口に膾炙する力が漫画にはあ
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Posted by ブクログ
最初に著者より、「ゴールデンカムイ」で読み解くアイヌ文化ではなく、アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」とされているが、まさにそのとおり。
「ゴールデンカムイ」の内容に沿いながらアイヌ文化の解説がされており、『漫画のあの表現はフィクション』という説明もちゃんとあり、しっかり訂正もされている箇所もある。「ゴールデンカムイ」が史実とフィクションで上手く織られている作品であることうかがえる。
「ゴールデンカムイ」を読み終わってから読むよりも、ある程度読み進めてから、漫画と並行に読んで、『あっ、これはそういうことなのか❗️』と発見するのも面白いかもしれない。
ぐっとアイヌ文化が身近に感じられ、今 -
Posted by ブクログ
私の父方の血筋はアイヌの血が濃いけども、親戚一同、誰もアイヌ関係の活動には興味がないらしく(差別のトラウマもあるのかも)、仕方なく今までひとりでアイヌ関係のイベントに参加してきました。そうこうしているうちに、自分のルーツを辿りたい、コミュニティに繋がりたいという思いがますます募り、そろそろアイヌ語にも本腰を入れて取り掛かるのも良いかなと。某所でアイヌ語を習うことになりサブテキストとして購入。
沙流方言が多いようですが、別の地方の方言はネットでも調べられるし、本書付属のCD音声をスマホからも聴けるので、手軽で便利。
言葉を通して生きたアイヌの文化に触れ続け、いつか誰かに繋いでいけたらなと願って